「ありがとう」と言われる接客・販売の教科書

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「ありがとう」と言われる接客・販売の教科書
出版社
出版日
2015年11月11日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

現在、働く人の多くは、いわゆる「サービス業」と言われる第三次産業に従事している人が多く、必ずと言っていいほど仕事をする上で「お客様」と接する機会があるだろう。商品やサービスを実際に手にする消費者だけでなく、BtoBにおける「顧客」を含めれば、相当な割合の人が日頃から「お客様」と関わりを持っていることになる。

本書はタイトルに「接客・販売の教科書」とあるが、その内容は、接客業や商品を販売するといった分野に限ったものではない。「仕事相手に喜ばれるには、自分はどういうスタンスで仕事をしたらいいのか」「自分は仕事で何を目指し、そのためにはどうすればいいのか」という、仕事に取り組む上での姿勢や意識の持ち方が書かれている。そういう意味で考えると、働くすべての人が読む必要のある本とも言える。

こうしたビジネスのノウハウ本というと、経営者や一流企業に勤務経験のある人によるものも多いが、本書の著者は、サンリオピューロランドや東京ディズ二ーランド、旅行代理店の添乗員など、私たちの身近にある職場で働きながら仕事をする意味を考え、道を極めてきた人である。そのため、その経験を元に書かれた手法やアドバイスは非常にわかりやすい。例えば、掲げる目標の例も「どんなお客様の要望にも笑顔で答えられる」といった具合だ。著者が言うように、「小さなことや狭い世界でもいいから、ナンバーワンになること」を目指していくことは大切だろう。結局それが、仕事で成功し、自分が幸せになる近道なのだということを本書から感じ取れるはずだ。

著者

川﨑 真衣
株式会社マイウェイ代表取締役
ハッピーサイクルコンサルタント
学生時代テーマパークでのアルバイトをきっかけに、以降様々なサービス業に携わる。ジェラートショップの店長としてのマネジメント経験を経て、(株)オリエンタルランドに入社、東京ディズニーランドのツアーガイドキャストになる。ツアーガイドキャストとして働くなかで、サービスパーソンの基礎となる考えを多く学び、さらなるフィールドを求めてツアーコンダクターの資格を取得。ツアーコンダクターとして活躍後、サービス業に携わる人をサポートする人材派遣会社に入社。 この派遣会社にて、JOMOカード(現・エネオスカード)の発券促進業務を担当。入会キャンペーンにて、10日間で約2000枚の発券を達成したことをきっかけに、(株)ジャパンエナジー(現・JXエネルギー(株))より、クレジットカード発券&コミュニケーション専任講師としてスカウトされる。2007年、株式会社マイウェイ設立。サービスを自分から楽しむことで、それがいつかお客様から感謝の気持ちとして返ってくる「ハッピーサイクル」を提唱。現在、業種業界を問わない、様々な企業に向けた研修、講演、コンサルティングを通じ「仕事を楽しめる人材育成」をサポートしている。

本書の要点

  • 要点
    1
    お客様からの「ありがとう」は、言われる努力を最初からすることで意図的に生み出すもの。意図的に働きかけて「ありがとう」を引き出し、自分も気持ちよく仕事をしよう。
  • 要点
    2
    「ありがとう」と言われるために最初にすべきことは、「今の自分を知ること」であり、その上でナンバーワンを目指すことが大切となる。
  • 要点
    3
    小さなことや狭い世界でもいいから、ナンバーワンになることで、「あなただから頼みたい」という「オンリーワン」の存在になれる。

要約

お客様から「ありがとう」をいただこう

言われるよう意図的に仕事をする

接客や販売の仕事をしているなら、お客様に「ありがとう」と言われることで、辛かったことや大変なことを忘れるほど嬉しかった経験があるはずだ。

お客様からの「ありがとう」は、言われる努力を最初からすることで意図的に生み出すものだ。「ありがとう」と言われるため意図的に仕事をし、それによってあなた自身が気持ちよくなれるように仕事をしよう。

これを自己中心的だと思うかもしれない。しかし、お客様の「ありがとう」は、接客する人がその対価と同等、あるいはそれ以上の働きをしたからいただけるものである。それを追求するのは、お客様の喜びや納得、よりよい状態、つまりハッピーにつながることを真剣に考えることと言える。それが「いい仕事」になり、「売上」という結果としても表れる。

「ありがとう」を言う人はハッピーな状態で、それを受けるあなたもハッピーになる。自分が幸せになれると認識し、それを目指して働けば、相手をハッピーな状態にできる。これこそ幸せの連鎖、「ハッピーサイクル」である。

相手に何も求めずに尽くすだけの仕事は苦痛だが、「この努力の先にはハッピーが待っている」と思いながら仕事をすると頑張ることができ、楽しい。相手に尽くした結果ではなく、積極的に「ありがとう」をもらうために何ができるのかを考えよう。

「ありがとう」を言われない理由

飲食店で働くA君は作業フローを確実にこなし、キビキビと仕事をしていた。働きぶりに問題がなく、本人も「いつも頑張って働いているのに」と思っているにもかかわらず、「ありがとう」という言葉がお客様から出なかった。

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要約公開日 2016.02.15
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