一般的に、無借金経営を良しとする向きがある。しかし、銀行からの借入れは会社を安定的に継続させるためにも、事業を拡大するためにも必要不可欠なものである。というのも、借入れを行わず自社の利益だけで経営資金を賄おうとすると、資金繰りに奔走することになり、事業に専念できず、会社を成長させることが難しくなってしまう。たとえ黒字を計上していても資金がショートしてしまうことがあるからである。
また、変化の激しい時代においては、利益が出てから新たに投資をしていてはライバル会社に先を越されることになりかねない。そもそも、普段から借入れを行っていない会社が突如融資の申し入れをしたところで、銀行側は取引実績を重視するため、融資することを警戒するだろう。こうした理由から、経営状態の良好なときから積極的に借入れを行い、事業を拡大していくのが正しい経営方法である。
このように、中小企業にとって銀行との関係は不可欠なものであり、良きビジネスパートナーとしてうまく付き合っていくことが重要である。そのため、中小企業の経営者が自社に都合のよい要求をし、銀行の信頼を裏切るのは決して得策ではない。銀行員の事情を鑑み、銀行が喜ぶことを行い、普段から良好な関係を築いていれば、いざというときに銀行は支援してくれるし、良い条件で融資してもらうことができるのである。
では具体的に、銀行が喜ぶこととはどのようなことだろうか。その一部を紹介する。
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