活き活きとした生き方をするためには、心を積極的に働かせることが必要不可欠である。このことを理解するためには、人間の本質が肉体にあるのではなく、霊魂にあるということを知らなければならない。肉体はあくまでも霊魂という気の力によって活かされているのであり、霊魂から力が送り込まれれば、不健康な状態であってもたちまち肉体は回復するものだ。それにもかかわらず、ほとんどの人はわずかにでも体調が悪くなると、たちまち心配してしまう。それは「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」という原理を理解していないからである。
ヨガ哲学では、「心の思考が人生を創る」という表現がある。中村自身、最初はそのことがなかなか納得できなかった。しかしそれまでの消極的な姿勢を捨て、積極的な心を持つように心がけたところ、長年患っていた病気はすっかり治り、驚くほど健康な体を手に入れることができた。このように、心の動き一つで、生命は強くもなり弱くもなるものである。なぜなら精神には、命を活かす力となる宇宙エネルギーを受け入れる機能があるからだ。積極的な心を持てば宇宙エネルギーを取り込んで活かすことができるようになるが、消極的な心では宇宙エネルギーをうまく受け入れることができず、運も悪くなり、健康状態も悪化してしまう。
積極的な心をもつための方法は単純である。「人間というものの生命は、一切の生命をしのいでいる力の結晶だ」と正しく思いこみ、いかなる場合もしっかりとそれを堅持することだ。心というのは人間の生命の本質であり、目に見えない霊魂という気の働きに対する名称である。心の中身は霊魂の活動にすぐさま直結する。そして霊魂を通じて、心はその本源である「宇宙霊」に通じているのである。宇宙霊とは一般的に、神、如来、アラーなどと呼ばれているものに便宜的につけた名前であるが、重要なのはこれこそが万物を創造するエネルギーの本源だということだ。宇宙霊は、心が積極的か消極的かに応じて、その働きを変えるようになっている。このことが理解できれば自然と、「思考が人生を創る」という結論が導き出される。だからこそ、どのような
3,400冊以上の要約が楽しめる