フィードバックは「感謝」「指導」「評価」の3種類に分けることができる。「感謝」は人間関係や人のつながりにもとづいて生まれる。そこには「あなたのことを見ている」「君は私にとって大切な存在だ」というように、承認の意味が込められている。一方、「指導」はフィードバックを受け取る人の成長を促すことを目的として行われる。話し手が不満に感じていることを伝え、関係性を正すためにも用いられることが多い。最後の「評価」は、フィードバックを受け取る人を査定し、ランク付けをするときに用いられる。上司が部下に対して「大きな戦力だと思っている」と話すことはこの「評価」にあたる。
この3種類のフィードバックは、それぞれが異なるニーズを満たすため、どれも必要なものである。しかし「感謝」「指導」「評価」の3種類が混ざった形で伝えてしまうと、話し手が意図していない形でフィードバックが解釈されてしまい、結果として人間関係の悪化を招くことにもつながってしまう。
そういったトラブルを防ぐためには、2つのことを心がけるべきだ。1つは、お互いのフィードバックの目的を一致させることである。簡単なように聞こえるかもしれないが、これが疎かになってしまっているケースはとても多い。「感謝」「指導」「評価」のどれを目的としているのか、しっかり確認してからフィードバックのやりとりを始めるべきだ。
もう1つの心がけは、「評価」のフィードバックを行う時、「感謝」と「指導」のフィードバックとはできるだけ分けたほうがいいということである。「評価」のフィードバックは、受け手のアイデンティティを揺るがしやすいため、「感謝」や「指導」のフィードバックよりも重要視されやすい。まずは「評価」のフィードバックを与えてから、場合によっては「感謝」や「指導」のフィードバックを行うという手順にするといいだろう。
フィードバックをもらった側は、まずその内容が本当は何を示しているのか理解するよう努めなければならない。なぜならフィードバックには
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