自分を操る超集中力

未読
自分を操る超集中力
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自分を操る超集中力
出版社
かんき出版
出版日
2016年05月27日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書の著者であり、メンタリストとして有名なDaiGoは、テレビ出演、企業研修、経営者へのアドバイスといった仕事に加え、ニコニコ動画に週4回出演し、毎日20冊の読書をする。さらには、ほぼ毎日ジムに通い、時に海外旅行も楽しんでいる。これほど充実した日々を送れるのは、究極の集中力を発揮しているからだという。

そんな著者も、子どもの頃は集中力に欠け、「学習障害ではないか?」と両親や先生に心配されるほどで、成績も常に下位だったという。しかしあるとき彼は、「勉強をして自分を変えよう」と決意した。闇雲に勉強する前に、心理学や脳科学の専門書で研究し、集中力の法則をまとめ上げたのである。

本書では、心理学や脳科学の知見や著者の実体験をもとに、集中力の鍛え方や、集中力を発揮しやすい環境づくり、疲れをとるメソッドなどが、わかりやすいイラストとともに解説されている。集中力が手に入れば、仕事の生産性がグッと上がるだろう。

著者によると、どんなに疲れていても集中力を持続させるには、前頭葉にある「ウィルパワー」を枯渇させないことがキーになるという。また、「集中力は生まれつきの資質ではなく、トレーニングで鍛えられる」「脳が感じる疲労感は思い込みでしかない」などと、私たちの通念を良い意味で裏切ってくれる。「今度こそ集中力を身につけて、夢を実現させたい」。そんな決意に燃えるビジネスパーソンにとって、非常に即効性の高い一冊だ。

ライター画像
名久井梨香

著者

メンタリストDaiGo
人の心を読み、操る技術「メンタリズム」を駆使する日本唯一のメンタリスト。テレビ番組への出演多数。外資系企業の研修やコンサル、遺伝子解析企業の顧問、大学の特任教授なども務めている。
主な著書は、『人を操る禁断の文章術』(かんき出版)、『一瞬でYESを引き出す 心理戦略。』(ダイヤモンド社)、『限りなく黒に近いグレーな心理術』(青春出版社)、『ポジティブ・チェンジ』(日本文芸社)ほか。著書累計で100万部を超える。
本書は、自分の心を操る「行動と集中力の絶対法則」を、著者が初めて明らかにした1冊となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    注意力が散漫だった著者は、集中力を生み出す方法を体得し、今では数々の多彩な業務をこなし、プライベートも充実させられるようになった。
  • 要点
    2
    集中力の源は、「ウィルパワー」という思考や感情をコントロールする力である。ウィルパワーを高めるには、「ウィルパワーを増やす」「ウィルパワーの消費量を節約する」という2つの方法がある。ウィルパワーの消費を減らせば、集中力が高まる。
  • 要点
    3
    集中力を起動させる7つのエンジンは、場所、姿勢、食事、感情、習慣、運動、瞑想である。

要約

【必読ポイント!】 集中力を操る3つのルール

ウィルパワーを高める2つの方法

集中力が湧き出す泉は、前頭葉にある。前頭葉には、「ウィルパワー」という、思考や感情をコントロールする力が備わっている。このウィルパワーは総量に限りがあり、集中力を使うたびに少しずつ消耗していく。その一方で、良い睡眠やエネルギー源となる食事を心がけると、補給できる。また、ウィルパワーの出どころは1つしかないため、仕事でウィルパワーを消耗すると、プライベートでもその影響が出てしまうのだ。

集中力の源であるウィルパワーを高めるには、「ウィルパワーを増やす」「ウィルパワーの消費量を節約する」という2つの方法がある。

ウィルパワーを増やす

まず1つ目、ウィルパワーを増やす方法について解説する。ある社会心理学者は、学生を3つのグループに分け、それぞれに「2週間姿勢に気をつけて生活をする」「2週間食べたものを記録する」「2週間前向きな気持ちを維持する」という指示を出す実験を行った。すると、「2週間姿勢に気をつけて生活をする」ことに取り組んだグループが良い成績をとったそうだ。

この結果から、日頃、無意識に行っている行為を「やらないようにすること」で、集中力を発揮できることがわかる。姿勢に意識を向ける機会は少なく、気がつけば猫背になっていたり、肘をついていたりするだろう。それを意識的に直すには、想像以上の集中力を要する。そのため、無意識の行動を客観的に観察し、改める行動をくり返せば、ウィルパワーを強化できる。これを「セルフモニタリング効果」と呼ぶ。また、利き手とは逆の手で歯磨きをする、ドアの扉を開ける、パソコンのマウスを使うなどでも、同等の効果を得られる。

ウィルパワーの消費量を節約する
margouillatphotos/iStock/Thinkstock

次に、2つ目の「ウィルパワーの消費量を節約する」方法について述べていく。大事なのは、集中力を使う作業を習慣化することである。人間の脳は、「何かをやる」ときだけでなく、「何かをやらない」「何かをしたいと望む」といった選択や判断をするときにも、集中力を使うため、ウィルパワーも減っていく。例えば、「朝食は何を食べるのか」「メールの返信をすぐにすべきか」といった些細な判断においてさえも、ウィルパワーを浪費してしまう。

すると、人間は決断を先延ばしするようになる。しかし、先延ばしによって、無意識に「気にした状態」が続き、ウィルパワーがいっそう消費されてしまう。こうした状況を回避するには、即決できる仕組みをつくり、行動を習慣化させることが重要だ。

このように、ウィルパワーの消耗を減らし、トレーニングすることで集中力を高めることができる。

時間を区切って、自身を焦らす
Nastco/iStock/Thinkstock

「集中力=ずっと続くもの」だと思い込んでいる人はいないだろうか。実は、人間の脳は集中を持続させないようにできている。なぜなら、敵にいつ襲われるかわからない野生時代においては、多方面に注意を払えるほうが好都合であり、その本能が今も残っているからだ。

集中力が高い人は、この持続しない性質を逆手にとり、あらかじめ時間を短く区切って、短期間の集中状態をくり返している。「もうちょっとやりたかった」というところで仕事や勉強をあえて打ち切ることで、疲れが残りにくくなり、モチベーションを持続できる。これを「焦らし効果」と呼ぶ。仕事や勉強のスピードを速くしたいのならば、自身の気持ちを上手に焦らすことがポイントである。

また、集中力は時間がいくらでもあるときよりも、制限のある状態のほうが高まっていくと言われている。

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要約公開日 2016.09.30
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