仕事でも私生活でも、会話の重要性は計りしれない。一方で、「何を話していいかわからない」「苦手な人とだと話が続かない」などの悩みも尽きない。淀みなく自然体で会話が弾んでいる人を見て、羨ましく思った経験はないだろうか。実は、いくつかのポイントをおさえれば、誰でも会話上手になれる。
大切なのは、相手が話したい話を聞くことだ。そのためには、相手に興味を持つことが早道である。住んでいるところや職業、年齢、相手が前に話したことなどをリサーチして、情報を仕入れておく。また、業界誌で業界の動きを把握しておくことも、色々な話題に対応する助けとなる。
銀座のホステスは、会話の相手の学生時代に流行した曲やニュースを調べているという。さらに、自己紹介する際には、相手が声をかけたくなるようなキーワードを盛りこむことで、興味を持ってもらいやすくなる。このように、相手のことを知ろうとする努力や、相手に興味を持ってもらうための事前準備が、会話を弾ませるには欠かせない。
会話上手をめざすには、声の大きさや出し方にも注意を向ける必要がある。電話の際に口を大きく動かそうと意識するだけでも、声は変わる。声は自己表現の大きな武器でもあるため、大きな声を出せるようになることで、自信があるように見え、何かと得になる。
また、堅苦しすぎる話は、面白みに欠ける。話を盛り上げるためには、人を傷つけない範囲で、まじめな話から脱却することを著者は薦めている。ときには大げさに話したり、ある程度脚色したりすることがあってもよい。
会話の中では、話の筋道よりも相手との気持ちの交流を優先したほうがよい。相手の話につじつまが合わない点や思い違いがあっても、真正面からそれを指摘するのは得策ではない。折を見て相手が正しいことを言い出せるように、上手く仕向けるのが望ましい。いずれにせよ、まずは会話を楽しむ気持ちを持つのがポイントだ。
初対面の人と話すのは誰しも緊張するものである。それならば、こちらから勇気を出して話しかけたほうがよい。最初は、出身地や家族といった個人的な話題にはふれないのが礼儀である。また、相手の役職や雰囲気だけで相手を判断しないことも、初対面でのコミュニケーションにおいて大切である。
会話のコツというと、話の内容や話し方にまず意識がいくかもしれないが、それ以外にも注意すべき点はたくさんある。
たとえば、座る位置によって、会話への集中力が変わってくる。喫茶店などで相手を入り口の見える位置に座らせると、相手は入ってくる人につい視線を向けてしまうので注意が必要だ。また、自由に座れる場ならば、直接向かい合わない位置に座るほうが、会話が楽になる。逆に、交渉事では正面に向かい合うほうがよい。
次に、視線についてである。相手の目をまっすぐ見るよりも、耳のあたりを中心に見ながら話すのが理想的だ。一点だけを見つめないようにすれば、相手に圧迫感を与えずに済む。
話すときの態度や服装にも、会話に臨む姿勢が現れる。
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