時間は誰にでも平等であるが、いくらあっても十分とはいえないものだ。わたしたちは職場や、家庭、地域の活動などで毎日数えきれないほどのさまざまな活動をしている。それどころか日々「やること」は増え続けていく。日々の「やること」に忙殺され、肝心の自分の目標に向かって進んでいる実感のわかない人も多いのではないだろうか。
幸せになりたい。仕事で成功したい。もっと健康になりたい。このような願いがかなっていない原因は、多忙や、お金がないことにされがちだが、そうとは言えない。希望的観測で願いが叶うのを待つだけでなく、リスト活用思考(リストフル・シンキング)を身につける必要がある。
なぜなら、リストに目標を書き記すと、それを達成する責任が生まれるからである。例えその目標が、スーパーで卵を買うことや、本を執筆することでも同じである。ただし、大きい目標は大きい塊肉を食べるのと同じに、達成するのが大変である。一口サイズが食べやすいのと同じように、目標も一口サイズにして考えるのが達成するコツである。
リストをつくる価値は、目標達成に役立つことだけではない。物忘れを防止することでストレスを緩和し、時間やお金の無駄を減らすことができる。またリストを作ることは、心の準備をすることである。リストを作ることによって、どんな状況にも対応できる心構えができるようになるのである。
あるパイロットの話によると、飛行機のパイロットには飛行中に問題が発生した場合の緊急時チェックリスト以外に13ものチェックリストがあるという。そのどれもが離陸前から飛行機が最終目的地に着陸するまでの全行程の指針を示しているという。パイロットは自分の行動を心得たプロフェッショナルだが、それでもプレッシャーを感じたときなどは単純な些細な手順でも忘れてしまうこともあるという。このようなミスをチェックリストのおかげで防ぐことができるという。
パイロットにとって飛行機の操縦は、安全な飛行のために絶対にミスが許されない仕事とである。だからこそパイロットは「チェックリストを確認するのがすっかり習慣になっていて、チェックリストなしで飛行機を操縦することは想像もつかない」という。
「考えを紙に記す」という行為は身体や精神によい影響を与えるという。リストをつくる少しだけ手間のかかる作業によって、大きな見返りが得られるのである。ToDoリストのシンプルな作り方は、以下の5つのステップである。
(1)ひたすら書き出す
(2)リストを整理する
(3)優先順位をつける
3,400冊以上の要約が楽しめる