資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法

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資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法
出版社
出版日
2016年10月05日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

9割の人は自力で勉強ができない――それが著者の結論だ。だからこそ、多くの人が塾に依存した勉強法をとるようになる。だが、塾をうまく利用できる人は、実際のところ全体でもわずかしかいないという。

著者は、2016年から対面式の資格指導塾を始めた。ただ、塾といっても「先生が授業をして、生徒が座ってそれを聞く」という従来の形式ではなく、テストや勉強法についての密な個別指導が主な内容だ。受験生にとって本来大事なのは、「塾に通っていない時間にどれだけ密度の高い勉強を継続できるか」であり、「塾で授業を聞いている時間」ではない。「独学力」を身につけることこそ重要だという著者の主張は至極もっともであろう。

本書には、難関試験に挑む受験生たちを大勢見てきた著者の考える「受かる人」と「落ちる人」の特徴や共通点が、コンパクトとまとめられている。成功者に共通しているのは、自ら計画を考えて実行する「独学力」の高さだ。本書は、その「独学力」を身につけるためのすぐれた指南書である。

思考停止で他人の意見に従っていても、結局は自分のためにならない。今日からの自分を変えるカンフル剤として、まずは本書を手にとってみてはいかがだろうか。

著者

鬼頭 政人(きとう まさと)
1981年生まれ。開成中学、開成高校を経て、現役で東京大学文化I類(法学部)に合格。卒業後は慶應義塾大学法科大学院に進学し、在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を支援したいとの思いから投資ファンドに勤務した後、2013年12月、資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業。著書に、『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』(KADOKAWA)、『結局、ひとりで勉強する人が合格する』(幻冬舎)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    自己肯定感を高めることは、試験勉強においてきわめて重要だ。メンターに激励してもらいながら、他人ではなく過去の自分と向き合っていくべきである。
  • 要点
    2
    試験の難易度が上がれば上がるほど、綿密な計画を立てることが必要不可欠だ。そうすれば、集中していない時間を減らすことができる。
  • 要点
    3
    できるだけ安定したペースで進むことが、ゴールへの近道だ。周囲への配慮を忘れないようにしながら、時間を捻出していこう。
  • 要点
    4
    参考書は1日で読み終えよう。あとはゴールまでの距離を逆算しながら、ひたすら勉強に励むべきだ。

要約

成功するための心構え

いい意味でナルシストになる
RobHainer/iStock/Thinkstock

自己肯定感は、試験勉強においてきわめて重要な要素である。自己肯定感が高ければ、「普段の勉強」および「試験本番」の両方の場面で有利になるからだ。

じつは、試験勉強をしている人のなかには、「受かればいいな」程度の動機の人も少なくない。だが、そういった志の低い人と、「絶対に受かるぞ」という志の高い人とでは、成長速度に大きな違いが出てくる。

自己肯定感の乏しい人は、常にブレーキを踏もうとしてしまうため、実力の向上ペースが鈍い。もちろん、志を高くかかげれば必ず受かるわけではないが、志を高くかかげなければ、そもそもスタートラインに立つことすらかなわないのである。

また、自己肯定感があれば、試験本番でも本領を発揮できるようになる。試験に受かるかどうかは、本番で自分の実力を最大限引き出せるかどうかで決まるといっても過言ではない。試験本番で緊張しすぎたあまり、実力の半分も出せずに落ちる人は本当に多い。試験勉強を突破したいなら、多少は自信過剰なぐらいがベストである。

他人と上手に向き合う
B-C-Designs/iStock/Thinkstock

自己肯定感を持てるかどうかは、これまでどれだけ承認欲求が満たされてきたかによっても変わってくる。30代になっても自分に自信が持てない人は、外からの刺激を探すか、自分のなかで大きな変化が起きないかぎり、性格を変えるのは難しいだろう。

外からの刺激を得るためには、自分を激励してくれるメンターを探すことが必要不可欠である。塾やスクールの本質は、週にせいぜい数時間しかない講義にあるのではない。たとえば、東進ハイスクールの価値は、カリスマ講師の授業にあると思われがちだが、実際は各生徒に担任助手としてつくアルバイトの現役大学生たちにある。彼らが日常生活のフォローをしつつ、ときに叱ってくれるからこそ、生徒たちは迷いなく勉強をすることができるわけだ。

もちろん、メンターのアドバイスを無批判に受け入れればいいというわけではない。先生や合格経験者は、教祖でも神でもなんでもないし、彼らの助言が必ずしも自分にとってジャストフィットするとも限らない。勉強法をまるまる他人に預けないようにしよう。自分なりに考えたほうが成長につながるし、その経験は他のことにも必ず役に立つ。

自分の弱さを認めよ

メンターが用意できないなら、自分の視点を変えるしかない。自分に自信がない人は総じて、自己評価の基準を他人に委ねている。他人と自分を比較して、他人とのギャップをバネに努力できる人もいるが、それが自信喪失の原因になっているのであれば、さっさと他人のことは忘れたほうがいい。そして、他人と自分が違うのは当たり前だと割り切るべきだ。

比較すべきは過去の自分である。他人と比較ばかりしていると、「出世レースで負けたのはあいつがゴマスリ上手だから」などと、原因を外部に見出しがちだ。しかし、過去の自分と比較していけば、素直に自分の弱さや課題に気づけるようになる。課題がわかれば、それをどう改善していいか考えるきっかけになるし、それをくり返していけば確実に人は成長する。

この時注意しなければならないのは、心持ちを変えるのではなく、行動を変えるよう努力すべきということだ。自分の心持ちを直接変えるのは基本的に難しい。しかし、行動が変われば習慣が変わるし、習慣が変われば人格が変わるものである。よって、心を変えたければ、まず行動を変えるべきだ。

受かる人のマネジメント術

ゴールをまず見据える

試験の難易度が上がれば上がるほど、必然的に必要な勉強量は増える。だからこそ、しっかりと計画を立てることが肝要だ。

最悪なのが、まったく計画を立てずに、積み上げ式で勉強を進めようとすることである。そのやり方ではどれだけ時間があっても間に合わない。計画を立てるとは、

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要約公開日 2016.12.02
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