「原因」と「結果」の法則

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「原因」と「結果」の法則
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「原因」と「結果」の法則
出版社
サンマーク出版
出版日
2003年04月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

私たちの存在する宇宙には、ある一定の法則が働いている。それは、心のなかで生まれた「思い」が現実となって現れる「原因と結果の法則」である。この本は、著書である英国出身の哲学者ジェームズ・アレンによって、1902年に執筆され、世界的なベストセラーとなった。現在にいたるまで多くの人々に読み継がれ、現代哲学の祖として知られるナポレオン・ヒルや、デール・カーネギーなどの作家に大きな影響を及ぼしてきた。

著者の思想がこれほどまでに大勢の人々から支持を得ているのは、「環境が人を創る」のではなく、「人が環境を創る」と定義したことであろう。つまり、人間は環境に左右される存在ではなく、自己犠牲を払って獲得した自己コントロール力によって、いつでも現状を打破できる存在なのだ。人間の「思い」が原因となり、結果を創りだしていくというシンプルな法則は、誰にとっても納得しやすく、また人々に希望を与えてくれる。

本書では、原因と結果の因果関係が、「環境」や「健康」、「成功」などのテーマごとに書かれており、読み進めるにつれて、いかに私たちがシンプルな世界に住んでいるのかに気付くはずだ。「原因と結果の法則」はビジネスのみならず、プライベートでも活かすことができる。誰もが望んでいるであろう「成功」や「穏やかな生活」を手に入れるヒントを学びとり、より豊かな人生を送るためのバイブルとして、何度も読み返していただきたい。

ライター画像
流石香織

著者

ジェームズ・アレン
1864年、英国生まれ。父親の事業の破綻と死から15歳で学校を退学。以後、さまざまな仕事に就きながら独学で学び、38歳で執筆活動に専念する。作家としてのキャリアは他界した1912年までの9年間と短いが、執筆された19冊の著書は世界中で愛読され、とくに1902年に書かれた『AS A MAN THINKETH』は、現代成功哲学の祖として知られるナポレオン・ヒル、デール・カーネギー、アール・ナイチンゲールなどに強い影響を与えた。いまなお、自己啓発のバイブルとして、世界中で読まれつづけている。

本書の要点

  • 要点
    1
    宇宙は「原因と結果の法則」に従っている。人間の「思い」が原因となって、あらゆる結果が生まれる。この法則を理解し、正しい思いをめぐらせることで、自分の置かれた環境をより良いものへと変えられる。
  • 要点
    2
    価値ある目標を達成するには、自己犠牲を払わなければならない。真の自己犠牲とは、邪悪な思いをなくし、気高く清らかな思いで自分自身を満たすことである。
  • 要点
    3
    肉体は思いと連動している。清らかな思いを持てば、健康や若さを手にすることができる。

要約

思いの総和は人格となって表れる

「思い」が原因、「環境」が結果
m-gucci/iStock/Thinkstock

人間は、心の内側で考えているとおりの結果を生み出す存在である。とりわけ「人格」は、思いの総和である。植物が種のない状態で芽生えることがないように、人間の行いも思いによってあらわれる。つまり、人間は心のなかの思いによって行動し、その行動によって引き起こされた結果を感じ取るのだ。よって、邪悪な気持ちに支配されていれば、痛々しい感情に満ちてしまうし、反対に、清らかな気持ちでいれば、日々喜びを感じることができる。このように、私たちの人生は、普段めぐらし続けている「思い」によって引き起こされるという、「原因と結果の法則」によって創られている。そして、この法則は決して変えることができない。

「原因と結果の法則」が働くとき、正しい思いをめぐらすことで、気高く崇高なすばらしい人間になることができる。一方で、誤った思いを抱えていると、自分の人生を破壊してしまうことさえある。

人生の管理者は「思い」を持った人間

「人間は思いの主人であり、人格の制作者であり、環境と運命の設計者である」。「原因と結果の法則」の原因となる、「思い」を管理しているのは人間である。人間は本来、困難な状況に直面しても、それに対応できる能力と理想通りの人生を歩むための力を備えている。にもかかわらず落ちぶれた状態にあるときは、自分自身を誤って管理しているといえる。

自分の人生を深く思索し、人生を創る「原因と結果の法則」を発見してはじめて、人間は賢く自分自身を管理することができる。そして、実りある人生を送るために必要な「思い」を抱くようになる。自分自身の内面を観察し、意識的に管理して変化させるなかで、それらが自分や周りの環境にどのような影響を及ぼすのかを、忍耐強く分析していく。そうすれば、人格の設計者が自分であり、環境と運命の設計もまた、自らが行っていることに気付くだろう。このような飽くなき探求によって「原因と結果の法則」を知ることは悟りであり、同時に、知恵とパワーを獲得することでもあるのだ。

どんな「思い」を抱くかによって、環境と肉体が変化する

善良な心が、良い環境を創る
ismagilov/iStock/Thinkstock

「環境は思いから生まれるものである」。自分の心を管理し、人格を高めようとしている人は、この事実をよく知っている。つまり、外側の世界である環境は、その人の心という内側の世界にあわせて形成される。もし過酷な環境と戦っているのなら、それは、自分が持つ不純な思いや弱さが生み出した環境と戦うことを意味する。よって、過酷な環境を打破したいのならば、まずはその環境の原因となっている「思い」を改善しなくてはいけない。

人間は、環境を改善することには意欲的だが、自分自身の内側にある思いを改善することには消極的だ。なぜなら、自分自身を改善することとは、自己犠牲を払うことにほかならないからである。真の自己犠牲とは、あらゆる邪悪な思いをなくし、気高く清らかな思いで自分自身を満たすことだ。

もしも、私たちが大きな自己犠牲を払い、自分自身を進んで改善しようとすれば、明確に設定した目標を達成することができる。バランスの取れた幸福な人生を手に入れたいと願うのなら、なおさらである。しばしば人間は、良い結果を期待しながら、その結果と調和しない思いを抱くことで、みすみす目標の達成を遠ざける傾向にある。しかし、「原因と結果の法則」を理解しようと努めることで、その傾向も改善されるようになるであろう。この法則は完璧に公正であるため、良い思いや行いが悪い結果を招くことは決してないのだ。

いずれにせよ、環境をよく観察することで、自分自身の状態を知ることとなる。あなたの環境は、「あなたの心を映す万華鏡」である。そして、自分の思いをコントロールすることで、自分を取り巻く環境をコントロールすることができるのだ。

きれいな「思い」は、健康と若さにつながる

「原因と結果の法則」にのっとると、肉体は環境と同じように、その人間が持つ「思い」と連動していることに気づくだろう。人間の肉体は、繊細で柔軟であり、思いに対して素早く反応するようにできている。そのため、不純な思いを抱けば病気や衰退につながり、美しい思いを抱けば健康と活力に満ちた若さにつながる。

いくら食生活を改善したとしても、自分の思いを改善しようとしなければ、効果はほとんどない。

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要約公開日 2017.02.15
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