全身改造メソッド

カラダは何歳からでも変えられる
未読
全身改造メソッド
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カラダは何歳からでも変えられる
未読
全身改造メソッド
出版社
出版日
2016年08月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

毎年、お正月明けに、箱根駅伝をテレビやラジオ、生で観戦している人は多い。そして近年の箱根駅伝といえば、青山学院大学駅伝チームの目覚ましい活躍ぶりを挙げないわけにはいかないだろう。

本書の著者である中野ジェームズ修一氏は、これまでに多くの著名選手をサポートしつづけてきており、青山学院大学駅伝チームではフィジカルコーチの役を担っている。「そのようなエリートが提唱する運動メソッドなんて、厳しすぎてついていけないのでは」と思うなかれ。一般人にはとても真似できない運動ではなく、誰でも今すぐ始められそうなもの、たとえば「階段の上り下り」「きびきび歩き」「体の強張りをほぐし柔軟性を高めるストレッチ」「ランニング」といったものが本書では推奨されている。また、そうした運動がなぜ効果があるのか、そしてどのような効果があるのかが、きわめてロジカルに解説されている。そのため本書を読めば、まるでマンツーマンの指導を受けているような感覚で、筋トレやストレッチに向き合えるようになるはずだ。

「一念発起してスリムになりたい」「長年の猫背を直して若々しく見られたい」「運動習慣を身につけたい」と考えている人は、副題の「カラダは何歳からでも変えられる」という力強い言葉を信じ、そして本書を参考にしながら、全身改造計画を始めてみてはいかがだろうか。

ライター画像
下良果林

著者

中野 ジェームズ 修一(なかの ジェームズ しゅういち)
1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー、フィットネスモチベーター。米国スポーツ医学会認定 運動生理学士(ACSM/EP‐C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やバドミントンの藤井瑞希選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得る。クルム伊達公子選手の現役復帰にも貢献した。2014年からは、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。主な著書に『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』(大和書房)、『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)などベストセラー多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    運動習慣がない人は、メタボだけでなく、下半身の衰えによるロコモティブシンドロームになる可能性もある。健康な体を維持するには筋トレ、特に大きな筋肉が集中する下半身を鍛えることが重要だ。
  • 要点
    2
    猫背による姿勢の悪さは体に負担をかけ、全身の老化にもつながる。肩甲骨を支える筋肉群を鍛えつつ、胸の筋肉「大胸筋」が強張らないようストレッチするのが望ましい。
  • 要点
    3
    有酸素運動でもっとも効率よく体を変える方法はランニングだ。フォームを安定させ、無駄な力を使わず効率よく走るには、体幹を鍛えて「体の軸」をしっかり作ることが大切である。

要約

【必読ポイント!】 生活習慣を見直す

メタボ対策は「食事量」ではなく「運動量」
TAGSTOCK1/iStock/Thinkstock

運動習慣がない人は、若い頃はスマートでも40代頃からお腹周りに脂肪がつき始め、メタボ検診で引っかかったり、健康診断で血糖値や高脂血症の数値が基準値以上であると注意されたりする。そのような人が真っ先に考えるのが「食事量を減らすこと」だが、本来優先するべきなのは「運動量を増やすこと」だ。なぜなら単に食事量を減らすだけでは、「ロコモティブシンドローム」を引き起こす可能性があるからである。

ロコモティブシンドローム、通称ロコモは、足の筋肉や骨などが衰えることによって運動機能やバランス機能が低下した状態を指す。この症状に陥ると、将来寝たきりや要介護になるリスクが高まる。

人の筋肉量は、運動しないでいると20歳前後をピークに年に約1%ずつ減り続けていく。特に下半身の筋肉の減りかたは、上半身のそれと比べて顕著だ。運動習慣がない50歳は、若い頃より約30%以上も筋肉量が落ちる。下半身の筋肉が落ちると足腰が弱り、動くのが億劫になって日常生活の活動量が減る。そうなると食べる量は以前と変わらなくても太っていく。特に男性は内臓に脂肪がつきやすいため、お腹周りに脂肪が集中し、メタボになる。メタボもロコモも、どちらも下半身の筋肉量低下が主な原因なのである。

筋肉は脂肪をエネルギー源として消費する。そのため、特に大きな筋肉が集中する下半身を鍛えれば、全身の脂肪燃焼につながり、メタボもロコモも一度に改善・予防できる。運動習慣のない人は、まず「階段の上り下り」から始めてみるべきだ。これなら時間がなくても簡単にできる。

食事はあくまでバランスである

生活習慣を見直すうえでは、食事の内容にも注意を払いたい。ダイエットのために、摂取カロリーを減らそうとしたり肉を食べる回数を少なくしたりする人が近年増えているが、実はそれに反比例するようにして肥満人口は増加傾向にある。つまり、摂取カロリーや肉の摂取量の増加が、肥満の直接的な原因とは言えない。むしろ、中高年以降の年代の場合、肉や魚などの良質なたんぱく質を摂取しないことが、メタボやロコモの要因となっているといえる。

動物性たんぱく質は、健康な体作りに欠かせないものだ。体の組成をみると、その60%は水分だが、その次に多いのはたんぱく質である。筋肉や骨、皮膚、髪、歯、脳、さらには神経伝達物質やホルモン、血液など、そのすべてがたんぱく質を主成分としている。そして、たんぱく質は体内に蓄えることができないため、こまめに摂取しなければならない。「肉は良くない」というイメージを払拭し、栄養バランスの良い食事を心がけることが、健康な体を保つのに大切だ。

体脂肪を燃焼しやすい体に変える

効率よく体脂肪を燃焼させる運動法
Mike Watson Images/moodboard/Thinkstock

下半身を構成しているのは、ふくらはぎや脛(すね)、大腿の前後内側などの複数の筋肉である。これらの筋肉は大きいため「大筋群」と呼ばれている。自分の体重を支えながら活動するために、大筋群は脚に集中する。そのため、これらの筋肉が衰えると脂肪をエネルギーとして利用する割合が減り、体脂肪の燃焼効率が悪くなる。くわえて、臓器が詰まった重い上半身を支える筋肉が減ると姿勢が悪くなってしまうため、膝や股関節の痛み、腰痛といった症状にもつながってしまう。最終的には、その痛みが「動きたくない」という心理を生じさせて活動量が減り、さらに体脂肪の燃焼効率が悪くなるという悪循環を引き起こしてしまう。

そこで試してほしいのが「きびきび歩き」だ。その名の通りきびきびと、いつもの歩行ペースより速く、歩幅を若干広げ、軽く息が弾むくらいを目安に歩く。胸を張り、肘は後ろに引き、着地は足裏全体を、そして膝の曲げ伸ばしを意識しながらおこなう。この歩き方は軽いジョギングよりもきつく、消費カロリーも多い。まさに足の筋肉量を増やしながら体脂肪を燃焼するために、うってつけのトレーニング法だといえる。体重70キロの男性が毎日30分「きびきび歩き」をして、消費できるのは約180キロカロリーである。体脂肪1キロを減らすには、約7000キロカロリー消費すればいいので、3カ月続ければそれだけで2キロ強の脂肪を落とせる計算となる。

体の弱点を克服する

姿勢が悪くなる原因と解消法
ChesiireCat/iStock/Thinkstock

パソコンやスマートフォンの使用による影響か、若い人にも増えてきた猫背。具体的には、両肩が前方に出てやや内側に入り、背中から腰が丸くなる姿勢を指す言葉だ。この姿勢が長く続くと、背骨が変形して元に戻らなくなるばかりか、背骨の中にある大事な神経・脊髄になんらかのトラブルが起こる可能性が生じたり、

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要約公開日 2017.02.18
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