1分間瞑想法

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1分間瞑想法
出版社
フォレスト出版
出版日
2016年11月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「ついマイナスなことばかり考えてしまう」、「集中力がすぐに切れる」、「最近疲れやすい」、「将来に対する漠然とした不安が頭をよぎる」。一つでも当てはまる人は、本書を開いてみてほしい。

グーグルやアップル、マッキンゼーなどの世界の有名企業や経営者、ミランダ・カーのような一流モデル、イチローやジョコビッチなどのトップアスリートがこぞって実践している「瞑想」。とりわけ、心理学や脳科学を取り入れて、「今、ここ」に意識を集中させる「マインドフルネス瞑想」は、心身を整える効果が高いとして注目を集めている。

瞑想をするとどんな効果があるのか。まずは集中力が高まり、感情のコントロールがうまくなる。さらには自律神経が整い、痩せやすくなり、ストレスが軽減されていく。思考のスピードと質が向上し、ポジティブで幸福感の高い生活を送れる。まさにいいことづくめだ。

「瞑想を生活に取り入れてみたいが、10分、20分と瞑想を続けるのは無理」、「雑念ばかりが浮かんでくるので挫折してしまった」。そんな人にこそお薦めしたい瞑想の入門編が『1分間瞑想法』だ。「たった1分でも効果が得られるの?」と懐疑的な人も、本書を読んで毎日実践していくことで、みるみるその効果を体感するにちがいない。なぜなら瞑想によってマインドフルネスな状態を生み出し、その効果を十二分に味わうには、瞑想の習慣を継続することが大事だからだ。続けやすさを何よりも重視した本書で、瞑想の世界を存分にお楽しみあれ。

ライター画像
松尾美里

著者

吉田 昌生(よしだ まさお)
ヨガ・瞑想講師。YOGA BEING 真鶴代表。
日本ヨーガ瞑想協会 綿本ヨーガスタジオ講師。
20代前半で精神的な不調和を経験したのをきっかけに、理想的な心と身体のあり方を瞑想、ヨガ、心理学などを通して研究する。インドをはじめ35カ国以上を巡り、様々な文化に触れながら各地の瞑想やヨガを実践する。
現在、神奈川、東京を中心に、ワークショップやセミナー、瞑想・ヨガクラスを指導。ヴィンヤサヨガ、ラージャヨガ、ハタヨガ、陰ヨガなど、アクティブなタイプのYOGAから静かな動きの少ないYOGAまで、すべての姿勢、動作、呼吸を瞑想として捉えた「マインドフルネス」をベースにしたヨガクラスを指導している。
著書に『1日10分で自分を浄化する方法 マインドフルネス瞑想入門』『外資系エリートが実践する100%集中できてストレスをためない脳の鍛え方』(ともにWAVE出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    瞑想によって心身が調和し、不要な感情を手放して日々の幸福度を高められる。この効果を得るには「1日1分」でいいので瞑想を習慣化することが肝となる。
  • 要点
    2
    より深く瞑想するには、調身(姿勢を整える)、調息(呼吸を整える)、調心(心を整える)の3つを意識するとよい。
  • 要点
    3
    瞑想で「今、ここ」に100%集中するマインドフルネスの状態になると、「気づく力」が養われて、感情に振り回されることが減る。

要約

【必読ポイント!】 1分間瞑想法の基本

瞑想で得られるメリットとは?

瞑想をすると、心が落ち着いて、心身が調和していく。感情に振り回されることが減り、不要になったモノや人間関係を手放し、より自分らしく生きられるようになるため、日々の幸福度も高まっていく。こうして内面が満たされることで、本来の美しさが外に現れるようになり、表情や振る舞いも輝きを増していく。

そのほか、瞑想はさまざまな効果をもたらしてくれる。具体的には、物事の受け止め方が前向きになるためストレスが減る、心身が安定し免疫機能が上がって健康になる、頭の中が静まり、本来の願望に気づきやすくなり、イメージの力で願いが叶えやすくなる、自律神経のバランスがとれて睡眠の質が向上する、雑念が静まり、集中力が高まる、といった点だ。このように、瞑想で得られるメリットは計り知れない。

瞑想を「習慣化」させる2つのコツ
violet-blue/iStock/Thinkstock

ただし、瞑想の効果を享受するには「習慣化」が不可欠となる。瞑想は「姿勢を正し、呼吸を整える」という、いたってシンプルな行動だ。さらには、慣れると気持ちよさが増すので、非常に習慣化しやすい。とはいえ最初はなかなか集中できないかもしれない。

そこで著者は「1日1分」の習慣化を提案する。もう少し長くやりたいと思えば、10分、20分と引き延ばせばいい。瞑想は筋トレと同じで、毎日くり返すことで集中力が長続きするようになる。

習慣化のコツは、ルールをつくること、ルールを守ることの2つである。瞑想を行う時間と場所を決めて、毎日それを守るのである。著者のおすすめは、朝起きて自室でやるという方法だ。決めた時間と場所に行っていくと、歯磨きをするように日常生活に溶け込んでいく。

調身、調息、調心の3つを意識する

より深く瞑想するには、調身(姿勢を整える)、調息(呼吸を整える)、調心(心を整える)の3つを意識するとよい。心と背筋は密接につながっているため、背筋をまっすぐに伸ばすと、体内のエネルギーの循環が良くなり、呼吸がしやすくなっていく。座り方は胡坐でも正座でもいいし、椅子を使ってもかまわない。立っていても仰向けでもいいので、安定して快適な状態でいることがポイントとなる。

また、基本は鼻呼吸が望ましく、緊張を抜いて、ゆっくり息を吐くことを意識したい。吐く息が副交感神経とつながっているため、自然と心が落ち着いてくる。最後は、呼吸の感覚に意識を向け、お腹がふくらんだり縮んだりするのを観察していく。すると、心が整い、マインドフルネスな状態が保たれるのである。

気づく力を高める1分間瞑想法

マインドフルネスで「気づき」を促す
rilueda/iStock/Thinkstock

マインドフルネスとは、「今、ここ」という瞬間に常に意識を向けて、あるがままに観察する「気づきのトレーニング」である。人間はつい無意識に、「今」ではなく過去や未来に思いを馳せ、目の前のことに評価や判断を加えがちだ。しかし、身体の感覚や未来への期待、過去への後悔といった無自覚のものを意識化していくことで、「気づく力(アウェアネス)」が高まっていく。

瞑想を続けていくと、内面で起きていることに「気づく力」が養われていく。この力が高まると、うつの改善や幸福の実感といった精神的に良い効果が生じる。なぜなら、自動的に湧いてくるネガティブな思考や感情のパターンを、少し離れたところから俯瞰できるからだ。すると、自分の思考に自覚的になり、感情に振り回されることが激減するだろう。

「無になろう」と思わなくていい

瞑想というと、雑念が湧いてくるのはダメだと思い込んでいる人も少なくない。しかし、マインドフルネスの目的は「気づく」ことである。感覚に集中し、集中が途切れたら再び集中に戻るというのをくり返すことで、それが脳への良い「負荷」となり、脳が鍛えられていく。「無になろう」と躍起になる必要はない。

このように、瞑想で「今、ここ」に100%集中するとき、頭の中が空っぽになって、大事なものに没頭した状態になる。このときこそ集中力が最大限発揮され、思考がクリアになり、幸せを感じやすくなるのだ。

思考を整える1分間瞑想法

人間の幸福度の40%は「小さな行動」で変わる

人の幸福について研究するポジティブ心理学では、「人間の幸福度のうち、50%は遺伝子によって、10%は家庭や仕事の環境、経済的な状況といった外部要因によって決まる。残り40%は自分の行動やあり方が規定する」という。つまり、

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要約公開日 2017.03.06
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