世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術

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世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術
出版社
サンマーク出版

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出版日
2016年04月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

日々、忙しく動きまわるビジネスパーソンたちに求められるのは、すぐれた判断や生産性の維持だ。しかし、なかにはすっきりとしない気分、集中力の欠如、肥満といった問題に頭を悩ませている人も少なくないのではないか。

著者のアイザック・ジョーンズは、ビジネスパーソンのパフォーマンス最大化をサポートする機能性医学のドクターである。彼が提唱するのは、「スーパーヒューマン・ライフスタイル」の実践だ。糖質を控えて「良いアブラ」を摂取するというシンプルな原則を守るだけで、いつまでも若々しく動きまわり、クリアな思考で判断することができるようになるという。その秘密については後ほど述べていくが、そもそもパフォーマンスの要である「脳」を1つとってみても、脂肪の固まりである。摂取するアブラ=脂質を改善することで、パフォーマンスが向上するという著者の主張は妥当なものだろう。

実際、本書の内容を実践したことにより、世界中のエグゼクティブたちから「疾患が軽減した」、「1カ月で8キロもの減量に成功した」、はたまた「年収が1、5倍にアップした」といった驚きの声が上がっているそうだ。著者自身も「発達障害」と診断されたティーンエイジャーの頃、「良いアブラ」を摂る習慣をもったことが人生を変える転機になったと語っている。

食生活は、私たちのライフスタイルとは切ってもきれないものだ。ハイパフォーマンスを発揮したいと真剣に考えはじめたとき、本書から学び取れるものは大きい。

ライター画像
流石香織

著者

アイザック・H・ジョーンズ (Isaac H. Jones)
ヘルスドクターにして、年収1億円を超える起業家。カナダ出身。国際的なヘルス&ウェルネス専門のコンサルタント会社「エレベイズ・ヘルス」の設立者として、ハリウッド俳優やサウジアラビアの王族をはじめ、経営者、起業家など、年間200人以上の世界中のトップエグゼクティブの健康指導を行う。幼少のころは脳と体がうまく機能せず、病気やADHD(注意欠陥・多動性障害)といった問題に悩まされながら特別クラスに通っていた。その後、優れた自然療法医との出会いをきっかけに病状を克服。自身も自然療法において世界的権威のある大学の大学院にて博士号を取得し、栄養学や生物学、アンチエイジング、カイロプラクティックの分野で数々のエキスパートから学ぶ。週に2500人もの患者が訪れるアメリカで最大のヘルスセンターで経験を積んだあと、私立のヘルスセンターを設立。これまで5万人を超えるクライアントのライフスタイル改善とハイパフォーマンスの実現に努めてきた。イギリス、オーストラリア、アメリカ、アジア諸国など、世界各地で講演活動も精力的に行っており、医師や看護師といった、医療関係者からの支持も厚い。妻のエリカと2人の息子とともに、アメリカのジョージア州アトランタに在住。

・日本語公式サイト (http://www.superhuman.jp)
・YouTubeチャンネル
(https://www.youtube.com/channel/UC_BBavXmgGhr7MM70YuK0zQ)
・Facebook (https://www.facebook.com/drisaachjones)

本書の要点

  • 要点
    1
    1万年前から人間の体はシュガーバーニングの体に変化しはじめ、その結果、体にさまざまな弊害が起きるようになった。体と脳を最高の状態に保つために、ファットバーニングの状態に戻すべきだ。
  • 要点
    2
    脂質は、体内の化学変化に関係する栄養素である。「アブラは太る」とのイメージを持っている人も多いが、「良いアブラ」を摂取すれば健康的な体が手に入る。
  • 要点
    3
    「悪いアブラ」はがんの発現を促進させてしまう。「悪いアブラ」と「良いアブラ」を見分けるポイントを押さえて、良いアブラを選ぶ必要がある。

要約

「シュガーバーニング」から「ファットバーニング」へ

人間は脂質に頼っていた
Magone/iStock/Thinkstock

人間がエネルギー源とする栄養素には、糖質と脂質の2種類があるが、健康的でハイパフォーマンスな生活を送りたければ、糖質ではなく脂質を主なエネルギー源とすべきだ。

はるか昔、私たち人類は飢えと闘うために、体に蓄えた脂質をエネルギー源としてきた。そのため、本来の人間の体は「ファットバーニング(脂質燃焼型)」にできているといえる。しかし、1万年前より穀物の栽培が始まったことで、状況は一変した。穀物にふくまれている糖質が主なエネルギー源として利用されるようになったのだ。それ以来、人間は糖質を燃やして生きる、「シュガーバーニング(糖質燃焼型)」の状態に陥ってしまった。

仕事のパフォーマンス向上や様々な疾患を改善するためには、人間本来の状態であるファットバーニングに戻さなければならない。というのも、人間はもともと糖質を摂らずとも脂質をエネルギー源とすることができ、しかもそのほうが効率がよいからである。

私たちの体には、糖質と脂質のタンクがそれぞれ備わっている。糖質タンクはすぐにエネルギーを取り出すことが可能だが、最高でも2000キロカロリー程度しか蓄えられない。一方の脂質タンクは、その20倍近くの4万キロカロリーを蓄えることが可能である。

私たちの先祖は、いつ飢えが来るのかわからない中で生活していた。そのため、すぐに空になってしまう糖質タンクを燃やすシュガーバーニングではなく、巨大な脂質タンクからエネルギーを得るファットバーニングで命をつないできたというわけだ。

ファットバーニングで安定してベストな状態を
quickshooting/iStock/Thinkstock

現在のアメリカの医学界では、ファットバーニングが人間の体に適していることは常識である。そもそも心臓や肝臓、脳などのあらゆる臓器は、エネルギー源として脂質を好んでいる。体は脂質をエネルギーとすることが得意なのだ。だが、人間の体がシュガーバーニングに頼るシステムに変わったことで、さまざまな弊害が起きるようになった。

たとえば、炭水化物などの糖質を摂ると、急激な眠気に襲われることがある。これは、体に入った糖質が「グルコース」へと変化し、グルコースを運ぶ「インスリン」というホルモンがスパーク(急上昇)した結果だ。血液中にグルコースを運ぶインスリンが増えると血糖値が上がるのだが、インスリンはスパークしたのち一気に減ってしまう。すると血糖値が安定しなくなり、細胞に供給されるエネルギー源も安定しなくなる。すると最終的には、内臓機能や、集中・記憶に関連する脳のエネルギーレベルも安定しなくなってしまう。

一方、体をファットバーニングに変化させると、インスリンのスパークが起きなくなるため、体と脳を最高の状態に保てるようになる。実際、世界中で成功しているエグゼクティブの人たちは、ファットバーニングで過ごす人が多い。ファットバーニングに体を変えるためには、食生活を糖質中心から脂質中心へと変えるべきである。

【必読ポイント!】 糖質はマイナス、脂質はプラス

糖質中心の食生活は悪影響を及ぼす

飽食になった現代、私たちはすっかり糖質に依存してしまっている。だが、糖質は体にあらゆるマイナスの影響を引き起こす。糖質を摂取すると、体はシュガーバーニングの状態を維持するために、さらに糖質を欲するようになるからだ。

小麦や米などのでんぷんが多めの炭水化物をいくら食べたとしても、体には「栄養が足りない」と認識される。そのため、脂質やタンパク質を摂取したときに多く分泌される満腹ホルモン「レプチン」が分泌されず、結果として食べ過ぎてしまう。

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要約公開日 2017.04.23
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