大人の女の話し方

人前で最高の自分を表現するためのパーフェクトガイド
未読
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大人の女の話し方
出版社
出版日
2016年08月02日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

うまく話せれば人生が変わる。このように言われたらあなたはどう感じるだろうか。

本書は、ミシェル・オバマやヒラリー・クリントンなど世界の第一線で活躍する女性のスピーチを指導してきた著者が、スピーチのテクニックを惜しみなく披露する「スピーチの実用書」である。うまく話す人の共通点や、正しい声の使い方、凛とした立ち方・座り方、アクシデントを味方につける方法、つつがなく質疑応答を進めるポイントなど、すぐに実践に移せる珠玉のアドバイスが詰まっている。

人前で話すときに戦々恐々としているのは何もあなただけではない。スピーチの達人と呼ばれる人たちも、一夜にして達人になったわけではなく、舞台裏では入念な下準備をし、経験を積み重ねている。本書には著名な人たちの言葉やエピソードも多数掲載されており、これらを読めば自信が湧いてくるにちがいない。何より「自分らしさを大事に」という著者のメッセージに救われる読者も多いことだろう。

堂々と美しく話すためのスキルを学び、自信をつけた後は実践あるのみだ。人はやってみることで、人前で話すことの恐怖と苦痛を一歩ずつ克服できる。勇気は恐怖よりも気持ちがいいもので、一歩ずつ挑戦を重ねれば、いつしか魅力的で話し上手な人に変身できるはずだ。人前で話すことへの恐怖や不安を感じているのなら、ぜひ本書を手に取っていただきたい。そして、人生を変える一歩を踏み出してほしい。最高の自分を表現するのは他の誰でもない、あなたなのだ。

ライター画像
山下あすみ

著者

クリスティーン・ヤーンケ
ビジネス、非営利組織、政治分野を問わず、効果的なスピーチを指導しつづける、ポジティブ・コミュニケーションズ創立者兼社長。ミシェル・オバマやヒラリー・クリントンといった政界で活躍する女性や、数々の女性CEOなど、錚々たるクライアントから厚い信頼を寄せられる。本書は、その20年以上の第一線での経験から得たノウハウを、一般読者向けにまとめた、珠玉の実践テキストである。

本書の要点

  • 要点
    1
    スピーチの達人は、自分らしさを表現している。彼らの共通項は、独自のスタイルを持ち、明確な目的のあるメッセージを伝えて、自信に満ちたふるまいをするという点だ。事前の入念な準備と練習の積み重ねが素晴らしいパフォーマンスを生む。
  • 要点
    2
    話し手と聞き手がつながるためには、ボイス(声)、ビジュアル(姿)、バーバル(言葉)という三つのVを巧みに使うことがポイントとなる。
  • 要点
    3
    人前で話をしてもし失敗したとしても、理想を捨ててはいけない。人前で自分を表現するために必要なのは、つねに自分を信じて進む強い心だ。

要約

まずは強い心を

うまく話す人の共通点

スピーチが上手な人は共通して三つの条件をクリアしている。その三つとは、独自のスタイルがあること、明確な目的のあるメッセージを伝えていること、自信に満ちたふるまいをしていることだ。スピーチの達人は練習と経験を重ね、この三つを伸ばしている。

独自のスタイルを演出するには、服装、髪型、ふるまい、言葉づかいなど、外見のすべてに意識を向ける必要がある。時代遅れな服装はやめ、身体の動きやジェスチャーにも気を配りながら、意図的に自分自身のスタイルを築く必要がある。

また、メッセージに目的があれば、聴衆の心を揺さぶり、彼らを引き込むことが可能となる。高い理想と目標を掲げ、誇示するのではなく純粋な姿勢で実践していくと、自信が溢れ出し、それが聴衆の注意を引きつける。何より大事なのは、完璧なスピーチをめざすのではなく、聞き手といかにつながりを築くかに集中することである。

自信を持つためにできること
ViktorCap/iStock/Thinkstock

成功した女性でも、聴衆の前にいる自分をニセモノのように感じる人がいると言われている。女性は欠点を自己責任と考え、自らを責める傾向が強いため、自分を過小評価してしまう。自信のなさを克服するための最初のステップは、自分の姿を直視することである。そのうえで、直立不動になる、目力を失ってしまうといった、「ついやってしまうしぐさ」をなくすことが必要だ。もし失敗したら素直に謝ればいい。これらを心がけて自分としっかり向き合えば、恐れを乗り越えて目標を達成できるようになるだろう。自分を愛し、認めることが、不安や緊張を取り除くのに役立つ。

スピーチが苦手な人の中にはあがり症の人もいるかもしれない。しかし、話す前に深呼吸をする、ストレスが集中しがちな首と肩をまわすといった、いくつかのエクササイズを行うだけでかなり改善できる。前向きなイメージを思い描き、常に自分らしさを表に出していれば、緊張はスピーカーの長所を引き出すエネルギーになってくれるだろう。

【必読ポイント!】 身体を使いこなす

正しい声の使い方
Bet_Noire/iStock/Thinkstock

話し上手な人は、ボイス(声)、ビジュアル(姿)、バーバル(言葉)という三つのVをすべて巧みに使っている。話し手と聞き手がつながるために大切なツールの一つが「声」だ。多くの人はスピーチのテクニックの中で話す内容や外見にばかり気をとられ、声の使い方をおざなりにしている。しかし、いい声はあなたの存在感を高めてくれる。

生き生きとした声を育てるには、五つの条件がある。それは、声に抑揚をつけて心地いい声の高さにすること、適切な速さを保つこと、意図的な「間」をとること、はっきり発音すること、そして自然な声量にすることだ。速さについては、日常会話と同じ速度が望ましい。

声の質を高めるために効果的なエクササイズは、詩を読むことである。抑揚やテンポを変えることで声の幅を広げやすくなる。また、声は楽器と同じだ。声帯を潤すなど、コンディションを保つための手入れを心掛けたい。このように、コツをつかんでいけば、誰もが「声で威厳を伝える」魅力的な女性になれる。

凛とした立ち方、座り方

二つ目のコミュニケーションのポイントは「姿」である。スピーチの達人は、最高のアスリートのように全身を使って表現し、パフォーマンスを頂点にもっていくと言われている。もし話し手のジェスチャーやたたずまいが聴衆の気に障るようなら、話の内容があまり耳に入らないこともある。「どう見えるか」は言葉以上に雄弁なのだ。

凛とした立ち方や座り方をめざすうえで有効なのは、「チャンピオンスタンス作戦」だ。

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要約公開日 2017.04.30
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