昨今メディアでもよく耳にするようになってきた「ビットコイン」。まずはビットコインがどのようなことに使えるのかを紹介する。
ビットコインとはインターネット上で発行、取引される仮想通貨の一つである。硬貨のような実物はないが、硬貨や紙幣と同じように使用できる。またビットコインは、安全な取引のために暗号化技術が使われていることから「暗号通貨」とも呼ばれる。
ビットコインの主な利用方法は、投資・決済・送金・ファンディングの4つだ。その中でも、現在もっとも利用の多くを占めるのが投資であり、2016年10月時点で日本国内における1日あたりの取引額は、100億円を越えることもある。通常の投資では、安くても数万円程度でしか始められないため、お金に余裕がないと敷居が高い。しかし、ビットコインは数百円から売買が可能なため、誰でも気軽に投資できるというメリットがある。
また、ビットコインをほしい人が多ければ多いほど価格が上がるというシンプルな仕組みのため、株式などと比べて投資しやすいのも特徴的だ。
お店で買い物をするときにビットコインで支払いができる。仮想通貨取引所に口座を開いてビットコインを入れておくと、そこから代金が引き落とされるという仕組みだ。日本ではまだまだメジャーな支払手段ではない。しかし、銀座のお寿司屋や六本木のバーといった一部の店舗では、決済方法としてビットコインがすでに導入されている。
クレジットカード決済の場合だと店側はクレジットカード会社に対し、代金の3~5%程度の手数料を負担する。一方、ビットコインでの決済では手数料が1%程度であるため、コストを抑制できる。そのため、ビットコイン決済を導入する店が、今後ますます増えていくと考えられる。
ビットコインを使って送金することも可能だ。特に海外送金では法定通貨を送るよりもはるかに手数料をおさえられる。例えば銀行で10万円を海外に送ろうとすると、2,500~4,000円ほどの手数料がかかってしまうのに対し、ビットコインを使えば、たった数十円から数百円で済むのだ。
また、銀行の海外送金では相手にお金が届くまでに数日かかってしまうが、ビットコインの場合は、送った瞬間に相手のビットコイン口座に振り込まれる。その後、受け取ったビットコインを現地の通貨に交換すればいいだけなので、従来の送金方法と比べて実に便利なのである。
ビットコインの手数料の安さは、寄付を行う際にも大きなメリットとなる。国内外で大規模災害が起きた場合など、少額でも寄付をしたいと思うことがあるだろう。しかし、このときネックになるのが手数料の高さである。例えば500円の寄付金に対し、通常210~420円ほどの手数料がかかってしまう。もしクレジットカードで寄付するとしたら、寄付額の一部がクレジットカード会社に支払われることになる。
そこで利用したいのがビットコインだ。手数料が少ないおかげで少額でも気軽に寄付ができ、また瞬時に相手側に届けられる。
ここからは、ビットコインがどのような仕組みで成り立っているのかを紹介する。ビットコインの発端は、2008年にナカモトサトシという人が自身のブログでビットコインの構想についての論文を発表したことだとされている。この人物の正体は明らかになっていない。
ビットコインは、ブロックチェーンという技術に支えられている。
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