怒らない技術

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出版社
フォレスト出版

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出版日
2010年07月07日
評点
総合
3.2
明瞭性
3.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書は、シリーズ累計90万部を突破したベストセラーである。著者は、28歳で独立・起業し、代表取締役社長に就任して、実質5年で年商52億円の会社に育てあげた。現在は転身し、海外生活をしながら、かねてからの夢であった教育事業をスタートさせ、後進の育成に努めている。こうした成功は、すべて「怒らない」ことから始まったという。

著者は、以前はすぐカッとなるタイプだったが、社会人になり、部下を持つようになってから考え方が変わったのだそうだ。そして、無駄な怒りに時間を浪費させないことが大事なのだと気がついた。「怒らない」という習慣を身につけ、心や感情をコントロールできるようになったら、自然と人生が好転していったという。

日々の生活を送っていれば、他人の言動や行動にイライラしてしまうことも多くあるだろう。しかし、他人を変えることはできないが、自身の感情は簡単に変えられる。本書では、イチローや中田英寿などのスポーツ選手をはじめ、本田宗一郎や松下幸之助など、数々の成功者の名言を例に挙げ、感情をコントロールする必要性を説いている。読み進むうちに、不毛な怒りに振りまわされないような在り方が自然とわかってくるだろう。本書の後半は、いかに怒らないための環境づくりをするのか、怒ってしまったら怒りをどう消すのか、すぐに始められる習慣が紹介されているので、ぜひ参考にしてみてほしい。

ライター画像
名久井梨香

著者

嶋津 良智
大学卒業後、IT系ベンチャー企業に入社。同期100名の中でトップセールスマンとして活躍、その功績が認められ24歳の若さで最年少営業部長に抜擢。就任3ヶ月で担当部門の成績が全国ナンバー1になる。その後28歳で独立・起業し代表取締役に就任。
翌年、縁あって知り合った2人の経営者と情報通信機器販売の新会社を設立。その3年後、出資会社3社を吸収合併、実質5年で52億の会社まで育て、2004年5月株式上場(IPO)を果たす。
2005年、企業不祥事が相次ぐ中、日本のリーダーの在り方に警鐘を鳴らし、「リーダーの存在意義とは何か?」「リーダーが果たすべき本当の役割とは何か?」「リーダーは人、企業、社会に何をもって貢献するのか?」など、独自のリーダー教育を提唱し、次世代を担うリーダーを育成することを目的とした教育機関、株式会社リーダーズアカデミーを設立。
現在シンガポールへ拠点を移し、業績向上に寄与する独自プログラム「上司学」が好評を博し、講演・企業研修・コンサルティングを行う。また、2回の株式上場体験を生かし、顧問・社外役員として経営に参画し、各企業の経営陣へアドバイスをおこなう。
独自で発行しているメールマガジン「リーダーズアカデミーレッスン」では、2回の上場体験から学んだ他では得られない貴重な情報を無料公開中。
また、ベストセラー著者兼ベンチャー経営者仲間の5人とボランティア組織『JBN(Japanese Business Network)』を発足し、世界各地で活躍する日本人起業家・ビジネスパーソンを応援するために、世界各国でビジネスセミナーを開催している。

本書の要点

  • 要点
    1
    「命と時間を大切にする」「人生は思い通りにいかないと理解する」「苦悩と喜びはパッケージになっていると理解する」の3つが、人生をうまくいかせるためのルールである。このルールのどれを考えてみても、怒ることは時間やエネルギーの無駄遣いだと気がつく。
  • 要点
    2
    物事の受け止め方や自分の感情を決めているのは自分自身であるので、自分の選択として「怒らない」と選ぶことはできる。
  • 要点
    3
    心や感情をコントロールできれば、人生をコントロールできる。成功者の多くは、感情コントロールの達人である。

要約

【必読ポイント!】 人生をうまくいかせるためのルール

命と時間を大切にする
petervician/iStock/Thinkstock

人生をうまくいかせるためには、3つのルールがあると著者は語る。それは(1)命と時間を大切にすること、(2)人生は思い通りにいかないと理解すること、(3)苦悩と喜びはパッケージになっていると理解することである。順に紹介していこう。

成功者にも凡人にも平等に与えられているのが命と時間である。この2つを大切にすることが、人生で成功するいちばんシンプルな成功哲学だ。命は健康という意味合いでもあるし、広義で考えれば「命=時間」と捉えることもできるだろう。つまり、時間を無駄にすることは、命を無駄にすることと等しい。そしてこの命と時間を浪費する行為が、「怒り」である。怒って強いストレスを感じれば、胃潰瘍や高血圧、糖尿病、不眠、膠原病、ガンなどの発症にもつながってしまう。こうして無意味な怒りは、人生の成功を遠ざけてしまうのだ。

人生は思い通りにいかないものと理解する

2つめの、人生をうまくいかせるためのルールは、人生は思い通りにいかないと理解することだ。

思ったとおりに物事が進まないと、イライラしたり怒ったりしてしまう。けれど、その怒りは何も生み出さない。それならば、そもそも物事は思った通りに進まないと了解しておけばいい。

たとえばゴルフは奥深いスポーツだが、はじめてすぐうまくなってしまったら、おもしろいと思えるだろうか。難しく、困難もあって思い通りに進まないからこそおもしろいのではないだろうか。

苦悩と喜びはパッケージになっていると理解する

3つめのルールは、苦悩と喜びはパッケージになっていると理解することだ。ある会社がとったアンケートによると、成功したビジネスパーソンに共通している回答は、「20代のうちに、他の20代が体験しないような、とてつもない苦労をしていた」というものだったそうだ。若き日の大失敗やイヤな思いなどのマイナスの体験は、のちに大きな成果を獲得する原動力になるのだ。

やりたくない仕事でも一生懸命取り組み、能力を高めることで、キャリアを形成できる。であるから、やりたくないことにイライラしたり、怒ったりするのではなく、将来のためだと心を切り替えることが必要だ。ここで大切なのは、苦しんでいるだけではいけないということである。苦しみから脱出するための試行錯誤こそが成長のエネルギーになるのであり、このプロセスから、人は成長できる。

自分の感情は自分で決めている

物事の捉え方で人生が左右される
AGrigorjeva/iStock/Thinkstock

同じ話を聞いていたとしても、そのときの感情の違いによって受け取り方はずいぶんと違ってくる。イライラしていると物事をネガティブに受け取りやすくなり、冷静であれば、同じ言葉、同じ事柄でもまったく違うものに感じる。

また、いろいろなことをイライラしながらやると、それ自体がマイナスになってしまう。

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要約公開日 2017.06.10
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