人生をうまくいかせるためには、3つのルールがあると著者は語る。それは(1)命と時間を大切にすること、(2)人生は思い通りにいかないと理解すること、(3)苦悩と喜びはパッケージになっていると理解することである。順に紹介していこう。
成功者にも凡人にも平等に与えられているのが命と時間である。この2つを大切にすることが、人生で成功するいちばんシンプルな成功哲学だ。命は健康という意味合いでもあるし、広義で考えれば「命=時間」と捉えることもできるだろう。つまり、時間を無駄にすることは、命を無駄にすることと等しい。そしてこの命と時間を浪費する行為が、「怒り」である。怒って強いストレスを感じれば、胃潰瘍や高血圧、糖尿病、不眠、膠原病、ガンなどの発症にもつながってしまう。こうして無意味な怒りは、人生の成功を遠ざけてしまうのだ。
2つめの、人生をうまくいかせるためのルールは、人生は思い通りにいかないと理解することだ。
思ったとおりに物事が進まないと、イライラしたり怒ったりしてしまう。けれど、その怒りは何も生み出さない。それならば、そもそも物事は思った通りに進まないと了解しておけばいい。
たとえばゴルフは奥深いスポーツだが、はじめてすぐうまくなってしまったら、おもしろいと思えるだろうか。難しく、困難もあって思い通りに進まないからこそおもしろいのではないだろうか。
3つめのルールは、苦悩と喜びはパッケージになっていると理解することだ。ある会社がとったアンケートによると、成功したビジネスパーソンに共通している回答は、「20代のうちに、他の20代が体験しないような、とてつもない苦労をしていた」というものだったそうだ。若き日の大失敗やイヤな思いなどのマイナスの体験は、のちに大きな成果を獲得する原動力になるのだ。
やりたくない仕事でも一生懸命取り組み、能力を高めることで、キャリアを形成できる。であるから、やりたくないことにイライラしたり、怒ったりするのではなく、将来のためだと心を切り替えることが必要だ。ここで大切なのは、苦しんでいるだけではいけないということである。苦しみから脱出するための試行錯誤こそが成長のエネルギーになるのであり、このプロセスから、人は成長できる。
同じ話を聞いていたとしても、そのときの感情の違いによって受け取り方はずいぶんと違ってくる。イライラしていると物事をネガティブに受け取りやすくなり、冷静であれば、同じ言葉、同じ事柄でもまったく違うものに感じる。
また、いろいろなことをイライラしながらやると、それ自体がマイナスになってしまう。
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