フルコミッションか、あるいはそれに近い状況で首位を争う。そんな伝説の営業マンの武勇伝は、普通の人はまず真似できないといってよい。彼らの多くは、扱う商品に対し改善要求ができないため、商品で差別化するのではなく、自分を売り込むという方法をとる。しかし、これを普通の営業マンで構成された普通の会社で実践すると、害をもたらしかねない。
個々の社員が自分を売り込むと、担当変更が難しくなるうえに、商品の改良にもつながらない。また、他の担当者では対応できないような約束をしてしまうと、それがクレームの温床にもなりかねない。
普通の営業マンでも、武器を使い、やり方を工夫すれば、敏腕営業マン並みの成果を出せる。実のところ、営業という仕事は多くの「矛盾」を抱えている。例えば、営業の質と量のどちらを追うべきか。目先の数字を追うことと、既存顧客のフォローのどちらを大切にすべきか。こうした相反する取り組みは、本来両方ともやるべきことで、片方だけに取り組んでも期待する成果は出ない。矛も盾も両方の武器を駆使することで、営業の矛盾を乗り越えることが可能となる。本要約では、7つの矛盾の乗り越え方のうち一部を紹介する。
営業の質を高めるべきか、それとも量を増やすべきか。結局どちらも追求すべきである。
まず、質を高めるためには何が有効か。それは質を高めるために何をすべきかを具体化することだ。同じ営業マンが、同じ活動量でより大きな効果を生むには、どこに行くか(訪問先)、誰に会うか(面談者)、いつ行くか(タイミング)の3点を考えなくてはならない。
1点目は、ニーズのありそうなところに絞って訪問することである。売れそうなところではなく、アポの取りやすいところに行って件数稼ぎをしてはいけない。
2点目は、商談が
3,400冊以上の要約が楽しめる