普通の人でも確実に成果が上がる営業の方法

未読
普通の人でも確実に成果が上がる営業の方法
普通の人でも確実に成果が上がる営業の方法
未読
普通の人でも確実に成果が上がる営業の方法
出版社
出版日
2017年04月27日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

「客にNOと言わせない」、「〇〇するだけで売れる」、「魔法のトーク」。営業に関するビジネス書のタイトルをズラリと並べると、読むだけで何でもできる気がしてきそうだ。しかし、読んでみるとフルコミッションで何千万円も稼いでいるカリスマ営業マンの方法論や武勇伝が書かれていることも少なくない。「自分を売り込め!」といわれても、はたして真似できるのだろうか。そんな「スゴい人たちの伝説」と現実とのギャップに違和感があった人にこそ、ぜひ本書を読んでいただきたい。

著者は30年もの間、コンサルタントとして企業の経営革新や営業力強化を支援し、営業現場の実態をつぶさに観察してきた。また、最古にして最強の兵法書『孫子』の英知を、経営や営業にどう応用すべきかを説く孫子兵法家の顔ももちあわせている。

本書は、普通の会社の、普通の営業マンが確実に成果を上げるための具体的な方法が書かれている。「即戦力と育成、組織を強化するならどちらを重視すべきか」、「新規顧客を開拓するのか、それとも既存顧客を攻めるのか」。こうした7つの矛盾の乗り越え方を、孫子の兵法のエッセンスとともに指南してくれる。また、普通の営業リーダーと、経営コンサルタントとの対話形式で展開するため、非常に読みやすい。

顧客の信頼を勝ち取り、中長期的に成果を出し続けたいと考える方、組織やチームの営業力強化を課題としているマネジャー層にとって、確固たる指針になってくれる一冊だ。7つの矛盾を解決する武器を手に入れ、その威力を体感してみていただきたい。

ライター画像
松尾美里

著者

長尾 一洋(ながお かずひろ)
株式会社NIコンサルティング代表取締役/中小企業診断士
1965年生まれ。横浜市立大学商学部経営学科卒業。
経営コンサルティング会社に勤務したのち、1991年にNIコンサルティングを設立。
およそ30年、日本企業の経営革新や営業力強化に取り組んできた。とくに強い営業部をめざし、「見える化」するためのITツール「Sales Force Assistant」を活用したコンサルティングには定評があり、現在4000社を超える企業で導入されている。
また、最古にして最強の兵法書『孫子』の智恵を、現代の企業経営や営業活動にどう応用すべきかを説く孫子兵法家としての顔も持つ。
ベストセラー『まんがで身につく 孫子の兵法』『まんがでできる 営業の見える化』(あさ出版)、人気漫画とコラボした『「キングダム」で学ぶ乱世のリーダーシップ』(集英社)、『仕事で大切なことは孫子の兵法が教えてくれる』(KADOKAWA)など、著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    普通の営業マンでも、武器を使い、やり方を工夫すれば、営業の矛盾を乗り越えて成果を出せる。
  • 要点
    2
    営業の量と質を両方追うためには、「先に考えてそれから動く」という「先考管理」が重要である。
  • 要点
    3
    新規開拓のポイントは仮説ストーリーを立てることであり、新規と既存の最適なバランスを考えるうえでも仮説検証が欠かせない。
  • 要点
    4
    仕組みと人間力はどちらも大事であり、人間力を発揮するタイミングが仕組みによって「見える化」されることが必要だ。

要約

なぜ伝説の営業マンが書いたノウハウ本は役に立たないのか?

普通の会社の、普通の営業マンにもできるやり方を
MangoStar_Studio/iStock/Thinkstock

フルコミッションか、あるいはそれに近い状況で首位を争う。そんな伝説の営業マンの武勇伝は、普通の人はまず真似できないといってよい。彼らの多くは、扱う商品に対し改善要求ができないため、商品で差別化するのではなく、自分を売り込むという方法をとる。しかし、これを普通の営業マンで構成された普通の会社で実践すると、害をもたらしかねない。

個々の社員が自分を売り込むと、担当変更が難しくなるうえに、商品の改良にもつながらない。また、他の担当者では対応できないような約束をしてしまうと、それがクレームの温床にもなりかねない。

普通の営業マンでも、武器を使い、やり方を工夫すれば、敏腕営業マン並みの成果を出せる。実のところ、営業という仕事は多くの「矛盾」を抱えている。例えば、営業の質と量のどちらを追うべきか。目先の数字を追うことと、既存顧客のフォローのどちらを大切にすべきか。こうした相反する取り組みは、本来両方ともやるべきことで、片方だけに取り組んでも期待する成果は出ない。矛も盾も両方の武器を駆使することで、営業の矛盾を乗り越えることが可能となる。本要約では、7つの矛盾の乗り越え方のうち一部を紹介する。

【必読ポイント!】 質と量、どちらを追求すればいいの?

質を高めるには

営業の質を高めるべきか、それとも量を増やすべきか。結局どちらも追求すべきである。

まず、質を高めるためには何が有効か。それは質を高めるために何をすべきかを具体化することだ。同じ営業マンが、同じ活動量でより大きな効果を生むには、どこに行くか(訪問先)、誰に会うか(面談者)、いつ行くか(タイミング)の3点を考えなくてはならない。

1点目は、ニーズのありそうなところに絞って訪問することである。売れそうなところではなく、アポの取りやすいところに行って件数稼ぎをしてはいけない。

2点目は、商談が

もっと見る
この続きを見るには...
残り2969/3792文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2017.08.04
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
瞬間フレームワーク
瞬間フレームワーク
ジェームズ・マクグラス福井久美子(訳)
未読
「損」を恐れるから失敗する
「損」を恐れるから失敗する
和田秀樹
未読
ヒットの崩壊
ヒットの崩壊
柴那典
未読
レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?
レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?
新井信昭
未読
絶対達成バイブル
絶対達成バイブル
横山信弘
未読
これ、いったいどうやったら売れるんですか?
これ、いったいどうやったら売れるんですか?
永井孝尚
未読
会議でスマートに見せる100の方法
会議でスマートに見せる100の方法
サラ・クーパービジネスあるある研究会(訳)
未読
一流の組織であり続ける3つの原則
一流の組織であり続ける3つの原則
白井一幸
未読