人類は、歴史上最も速く変化をとげる社会に生きている。あるアメリカの公的機関によると、今年(2017年)生まれる新しい情報の量は、過去5000年間に人類すべてが生み出したすべての情報量よりも多いという。
これだけ変化の速い時代で、思い通りの人生を送るためには、脳を最大限に活用することが必要である。多くの人が活用しきれていないものの、私たちの脳は、とてつもない能力を持っているのだ。
ちまたに出回っている本には「人間は脳の3%しか使っていない」と書いてある。著者によると、「3%」という数字そのものに大した根拠はなく、あくまでも、脳の神経回路網が処理できるデータの量はもっとたくさんあるにもかかわらず、我々はそのほんの少ししか使っていないという言い方が正しいらしい。脳の神経回路が学習できるレベルが100あるとしたら、それよりはるかに少ないレベルしか現代人は使っていないのだ。神経を訓練する、つまり大量の新しい経験をすれば、人間は、もっと脳を有効に使えることになる。
私たちの社会は、新しい情報が増加している一方で、新しい知識を学びづらくなっている。書店に行っても、抽象度の低い、同じような内容の本がたくさん売られているのが現状である。支配者たちが自由に権力を振るうためには、抽象度の高い思考をする人が増えると困るのである。
そして、その支配者たちは、現代社会のヒエラルキーで上に行くという価値観が絶対であると働きかけてくる。そのため、多くの人は不必要な競争を受け入れて、「奴隷の人生」を送っているかもしれないと著者は言う。本書はその反対に、「人生を自分の思い通りにする」方法を提唱するものだ。その方法とは、最新の「機能脳科学」と「認知心理学」に基づいた、「他人を動かす技術」と「自分の目標を達成する技術」の二つである。
社会における成功とは、「人が言うことを聞くか聞かないか」、「多くの人に評価されるかどうか」にかかっているともいえる。ならば、「周りを思い通りに動かす技術」はとても重要なスキルとなる。
人間は、強者の信念に必ず
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