頭のよい子に育てるために3歳から15歳のあいだに今すぐ絶対やるべきこと

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出版社
アチーブメント出版

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出版日
2017年04月23日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

子どもには心身ともに健やかに成長してもらいたい。能力を開花させ、幸せな人生を送ってほしい。これは、すべての親にとっての切なる願いだろう。そのためにぜひ役立ててもらいたいのが、脳の健やかな発達を促すための習慣を、科学的根拠とともにわかりやすく解説した本書だ。

著者は、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」(「脳トレ」)を開発した、東北大学加齢医学研究所所長、川島隆太氏。脳の部位ごとの働き方を明らかにする「ブレインマッピング研究」の先駆者である。

ページをめくると、朝食、睡眠、スマホ利用、親との触れ合いといったキーワードをもとに、身近な習慣と子どもの発育に関する因果関係や意外なデータが目に飛び込んでくる。脳の発達を妨げないようなスマホ、テレビ、ゲームとの付き合い方は何か。子どものやる気を引き出すために親子でどんなことに取り組むといいのか。目を見張る事実が次々と明らかになっていく。注目すべき点は、本書で紹介される習慣が、単に学校の成績を向上させるにとどまらず、大人になってからの幸福度を左右するファクターになるという点だ。

本書に一貫して流れるのは、研究結果を子どもたちの健やかな成長や豊かな親子関係の構築に活かしてほしい、社会に還元したいという、著者の強い使命感である。3~15歳のお子さんをもつ子育て世代に送る、「脳の教科書」決定版として本書をお薦めしたい。もちろん、脳研究の最前線に興味をもつ方にとっても、好奇心を大いにかきたてられる内容になっている。脳の喜ぶ生活を意識するきっかけを与えてくれるだろう。

ライター画像
松尾美里

著者

川島 隆太(かわしま りゅうた)
東北大学 加齢医学研究所 所長
スマート・エイジング国際共同研究センター長
東北大学大学院医学研究科修了、スウェーデン王国カロリンスカ研究所、東北大学加齢医学研究所助手、講師、教授を経て、2014年より同研究所所長。
任天堂DSゲームソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、学習療法を応用した『川島隆太教授の脳を鍛える大人の音読ドリル』シリーズ(くもん出版)などで一躍時の人に。人の脳活動のしくみを研究する「脳機能イメージング」のパイオニアであり、脳機能開発研究の国内第一人者。研究で得た知見を産学連携に応用、その実績から総務大臣表彰、文部科学大臣表彰。
『脳が活性化する 大人のおもしろ算数脳ドリル』(学研プラス)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    脳をしっかり働かせるには、おかずも含めてバランスのよい朝食を家族一緒に食べることが重要となる。
  • 要点
    2
    子どもがスマホを使うと、学習効果が消えてしまう。この主な原因は、前頭前野の働きに抑制がかかることだと推測される。
  • 要点
    3
    親子で一緒に過ごす時間が長いほど、子どもの脳の発達が促される。また、幼少期に親と触れ合う体験は、大人になってからの幸福度にも影響を与える。

要約

「米+おかず」の朝ご飯を食べる

朝ご飯を食べないと学力に悪影響を及ぼす

子どもの学力を伸ばし、能力を最大限発揮させたい。そう願うのなら、家族みんなで栄養たっぷりの朝ご飯を食べることが重要だ。脳をしっかり働かせるには、神経細胞のエネルギー源、ブドウ糖を神経細胞に届けなければいけない。よって、ブドウ糖をつくるデンプンを含む食品、つまりご飯やパンを食べることが欠かせない。ただし、脳の学習を促すには、ブドウ糖だけでなくさまざまな栄養素が必要となる。

仙台市で行われた、朝食習慣に関する調査によると、学校の成績がよいグループでは、9割以上の子どもが必ず朝ご飯を食べているという。中でも、小学5年生から中学1年生の子どもたちの成長を追跡すると、3年間朝食を食べ続けていた場合は、偏差値が高いのに対し、朝食の習慣をやめた子どもたちの偏差値が急降下することがわかった。

パンとお米の差は、GI値にあり
Digital Vision./Photodisc/Thinkstock

それでは朝食の主食がパンかお米かどうかで差はあるのだろうか。著者が子どもたちの脳のMRI画像(磁気共鳴画像)を調べたところ、意欲に関係する「大脳基底核」と、言語や記憶に関わる「前頭前野」に大きな差が生じていた。主食にパンを食べている子どもよりも、お米を食べている子どものほうが、意欲、言語、記憶に関する脳の部位が発達していたのだ。

この原因は、パンとお米で、食後の血糖値の上がり方を示す指数である「GI値」に差があるためだと考えられる。パンのGI値はお米よりもかなり高い。GI値が低い食事をとるほうが、心身の発達によいといえる。

朝ご飯では「おかず」こそ重要

朝ご飯でどのようにおかずをとっているのかを調査したところ、主食にお米を食べている子どもたちは、主菜と副菜もとっている割合が高かった。

朝ご飯のおかずをきちんと食べることの重要性を示すデータは、すでに存在する。驚くべきことに、おにぎりしか食べなかったときは、連続足し算の作業量が上がらず、朝ご飯を食べていないも同然だったのだ。

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要約公開日 2017.09.09
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