結果を出すリーダーほど動かない

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出版社
フォレスト出版

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出版日
2017年09月19日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

部下に指示をしても、期待どおりに動いてくれない。自分で考えない。決めたことが続けられず、できない言い訳ばかり。あなたの部下について1つでも当てはまるのなら、本書で紹介されている「壁マネジメント」を学んでみてはどうか。

壁マネジメントとは、結果を出すリーダーが、動かない壁となり、部下に必要な行動をやりきらせるノウハウを体系化したマネジメント手法である。著者は、3000人以上のビジネスパーソンに研修や現場指導を行う中で、徹底的な現場主義と、NLP理論、行動分析学の知見をもとに、この手法を編み出した。壁マネジメントの実践者の9割が「残業削減が実現した」「年上の部下が指示通り動くようになった」「変化を受け入れる文化が社内に定着した」などと、成果を出しているという。しかも、業種や部下の個別能力、リーダーの性格を問わず有効である。この驚異的な結果からも壁マネジメントの再現性と継続性の高さがうかがい知れる。

壁マネジメントは、限りなく実践志向を突き詰めた手法であるゆえに、やり方はいたってシンプルかつ明快。本書は、壁マネジメントを成果につなげるための秘訣や成功事例などにくわえ、壁マネジメントを次期リーダーに移管する際のポイントまで紹介されているという、充実度120%の内容だ。

部下の行動を変え、成果を出し続ける部署やチームをつくりたい。そんな願いを現実にし、マネジメント手法をアップデートさせるための秘訣がここにある。

ライター画像
松尾美里

著者

山北 陽平(やまきた ようへい)
(株)アタックス・セールス・アソシエイツ、コンサルタント。NLPマスタープラクティショナー。営業のコンサルタントとして企業のコンサルティングに従事。現在はNTTドコモ、パナソニックグループ、朝日新聞社などの大企業から中小企業まで、多くの企業に「行動分析学」を基にした行動改革指導を実施。その指導は年間200日、1000時間を超え、指導対象ビジネスパーソンは年に3000人にのぼる。さまざまな組織の行動変革を実現するコンサルティングを展開。
リピートオーダーが絶えず、現在、5年後のスケジュールまで埋まっている。机上の空論ではなく、現場の中でつくり出した「壁マネジメント」のノウハウは、受講者の9割が設定した問題を解決するという圧倒的な成果を出しており、同社のプログラムでNo.1の人気を誇る。とことん結果にこだわった指導スタイルは、多くの経営者、マネージャーから絶大な評価を得ている。

本書の要点

  • 要点
    1
    壁マネジメントとは、マネージャーが部下の行動に介入し、動かない壁をつくることで、望ましくない行動を止め、成果が出る望ましい行動の継続を促すマネジメント手法である。
  • 要点
    2
    壁マネジメントのポイントは、「行動ルール」の設定、行動ルールに対して漏れなく介入する「介入ルール」の設定、介入する際の「フィードバック方法」の3つである。ルールの形骸化を防ぐには、好子、嫌子による適切なフィードバックが必要だ。
  • 要点
    3
    壁マネジメントのPDCAサイクルを回すには、「スコアリングシート」で部下ごとの結果を残す必要がある。

要約

なぜあなたの部下は動かないのか?

部下が指示どおりに動かない2つの理由
JackF/iStock/Thinkstock

仕事をサボっているわけではないのに、リーダーや上司の立場であるあなたの指示に対しては、正しく行動しない。このような状況が生まれる理由として、次の2つが考えられる。

1つ目の理由は、部下たちに動かなくてもいい環境が与えられているからだ。例えば、ある部下が期限までに書類を提出しないとしよう。それは、過去に同じ指示が出されたとき、そのとおり行動しなくても問題ないという体験が繰り返されたためといえる。

2つ目の理由は、部下が自分の判断基準で動いていいという認識をもっているからである。今まで上司の指示より自己都合を優先して問題がなかったために、こうした認識が定着してしまったと考えられる。

このように、「動かない部下」をつくり出した原因は、上司自身の普段の関わり方にある。問題なのは、部下に指示しかしていないという点だ。上司は、指示した内容を部下にやりきらせるところまで管理、サポート、教育をしなければならない。

チームの行動を変える「壁マネジメント」

成果をつくり出すには、行動を変えることが必須となる。ただし、ビジネスにおいて、成果の出る行動は明確ではない。市場や世の中のトレンド、法律、ライバル会社の取り組みなどが変化すれば、成果を出すための行動も変化していく。だからこそ、成果の出る望ましい行動の仮説を立て、それに沿って行動する必要がある。そのうえで、得られた結果が成果につながっているかどうかを検証し、行動を改善して組織のミッションをクリアしていく。これがマネージャーの役割といえる。

著者が提唱するのは、部下の行動を変革するマネジメント手法、壁マネジメントだ。部下が望ましくない行動に流れないように、上司自身が揺るがない壁になる。具体的には、マネージャーが部下の行動に介入することで、望ましくない行動を止め、成果の出る行動を継続できるよう促す。このマネジメント手法は、業種やリーダーの性格を問わず通用するものである。

マネジメントの失敗例

マネジメントのよくある失敗の一例として、「間違った場所に壁をつくっている」というケースが挙げられる。

著者の過去のクライアントの営業部長は、「会議でもっと建設的な意見を出してほしい」と考えていた。しかし、実際に著者が会議を観察していると、発言した部下に対し、部長がこう叱りつけていた。「おまえのアイデアは売上に貢献しない。もっと大きなアイデアを出せ」。

本来、望ましい行動は「全員が積極的に発言すること」である。にもかかわらず、部下がその行動をとると、マネージャーが「認めない」「否定する」「怒る」という状態を続けていた。このままでは、望ましい行動が組織やチームに定着することはまずない。マネージャーは「必要な行動は何か」を見極めて介入する必要がある。

【必読ポイント!】 結果を出す壁マネジメントの実践

①「行動ルール」の設定
AlexanderMas/iStock/Thinkstock

壁マネジメントを運用するには、次の3つを決めなければならない。①「行動ルール」の設定、②行動ルールに対して漏れなく介入する「介入ルール」の設定、③介入する際の「フィードバック方法」である。ここからは、それぞれの具体的なポイントを紹介していく。

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要約公開日 2017.11.08
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