本書の中心テーマは、40代になっても心身ともに健康を維持し、自分を最大限活かすための方法である。
一般的に人間の体は、20代をピークに衰えはじめるといわれている。「若い頃にくらべて無理がきかなくなった」という声もよく耳にする。しかし、「正しい努力」をすることで40代、50代になっても、健康で若々しい肉体を保つことができる。実際のところ、葛西氏は41歳で過去最高の成績を残し、ソチオリンピックで銀メダル・銅メダルを手にしている。
仕事で最高のパフォーマンスを発揮できなくなる要因として、「病気」「ケガ」の次に怖いのが「疲れ」だという。この疲れの多くは、「代謝の低下」が原因というケースが少なくない。代謝をいかに上げるかが、疲れない体をつくるための大事なポイントである。
代謝を上げ、疲れない体をつくるうえで意識したいのが、普段の「姿勢」である。姿勢の悪さは体の歪みであり、体が歪むと血液の流れが悪くなって、代謝を下げる一因となる。結果、疲労回復が遅れ、疲れる体になってしまう。
現在ラクな姿勢は必ずしも「疲れない姿勢」ではない。ラクといいながらも、姿勢を頻繁に変えているとしたら、それは疲れる姿勢をとっている証拠だ。本来、最もラクな姿勢とは、背筋の伸びた「正しい姿勢」である。
では、正しい姿勢を維持するにはどうすればいいのか。ポイントは「体幹」にある。「体幹を鍛える→体の軸が安定して姿勢がよくなる→代謝が上がる」という好循環に入ることができれば、疲れない体を手に入れられる。ここで、寝る前の3分でできる葛西式「体幹トレーニング」を紹介する。
まずは、仰向けに寝て両膝を立てる。次に、おへその1センチ下を、1センチへこます程度に力を入れる。その体勢のまま、上半身をゆっくり起こす。おへそが見えたら3秒間キープする。最後に、ゆっくり息を吐きながら最初の体勢に戻る。この一連の動作を5セットくり返す。
寝る前3分でできる「体幹トレーニング」で、正しい姿勢と疲れない体の両方を手に入れることができる。
肉体的な衰えを感じると、持久力や筋力にばかり目を向けていないだろうか。しかし、筋力と同じく衰えているのが柔軟性であり、「柔軟性の低下」は思っている以上に「疲れやすい体」をつくり上げてしまっている。
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