群れない。

未読
群れない。
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著者
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群れない。
著者
出版社
秀和システム

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出版日
2017年11月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

グローバル人材養成支援スクールの運営、教育機関での講義・講演、通訳・翻訳、執筆活動にカウンセリング……。数えあげればきりがないほど多くの活躍の場をもつ著者、塚本亮氏。傍から見れば、ビジネスパーソンとしてこれ以上ないほどのキャリアを築いているといえるだろう。

そんな著者も、はじめから順風満帆だったわけではない。とくに学生の頃は、教育に携わる者としてまったくふさわしくない生活を送っていたという。人目ばかり気にして自信もなく、悪い仲間といることで寂しさを紛らわす日々だった。しかし著者の人生は、あるときから劇的に変化していった。それは「群れずに生きる」と固く誓ったことがきっかけだった。

群れない生き方に舵を切ると、なによりも自分の人生を大切にできるようになる。自分の心と真正面から向きあい、たった一度の生涯でなすべきことについて、必死に考えるようになる。そして生きることが、たまらないほど楽しくなる。

もちろん群れずに自分らしく生きようとすれば、逆風にさらされることもあるだろう。孤独を感じるときや、迷いが生じるときもあるかもしれない。だが心配にはおよばない。

本書ではどうすれば群れない生き方が実践できるのかだけでなく、不安の乗りこえ方についても丁寧に説明されている。著者の言葉を借りれば、群れない生き方について「あますことなく」詰め込まれた一冊だ。

「毎日が楽しくて仕方ない」そんな人生を築くための45のエッセンス。あますことなく活かしたい。

ライター画像
二村英仁

著者

塚本 亮 (つかもと りょう)
1984年京都生まれ。同志社大学卒業後、ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(専攻は心理学)。
偏差値30台、退学寸前の問題児から一念発起して、同志社大学経済学部に現役合格。その後ケンブリッジ大学で心理学を学び、帰国後、京都にてグローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」を設立。心理学に基づいた指導法が注目され、国内外の教育機関などから指導依頼が殺到。これまでのべ4000人に対して、世界に通用する人材の育成・指導を行ってきている。
また、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』のディレクター兼振付師であるトラヴィス・ペイン氏を始め、世界の一流エンターテイナーの通訳者を務める他、インバウンドビジネスのアドバイザリとしても活躍するなど、幅広いビジネスを展開している。
著書に『偏差値30でもケンブリッジ卒の人生を変える勉強』(あさ出版)、『努力が勝手に続いてしまう。』(ダイヤモンド社)、『英語、これでダメならやめちゃいな。』(かんき出版)、『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(明日香出版社)などがある。

●ジーエルアカデミア
http://www.gl-academia.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    日本には「ジブン・ファースト」な人が少なすぎる。「自分は自分、他人は他人」という考え方をもてば、自分の本心に従って生きられるようになる。
  • 要点
    2
    自分に対して素直に生きるためには、苦手を克服しようとしてはならない。得手不得手で生まれる凹凸こそがその人の魅力である。
  • 要点
    3
    群れずに生きるには、強みを徹底的に磨くこと、そして情報を疑う力を育てることが重要である。
  • 要点
    4
    インターネットの登場により、誰もが知識にアクセス可能な時代だからこそ、五感を使って経験することに価値がある。生きるためのコンパスは、五感からしか生まれない。

要約

他人の人生を生きるほど、人生は長くない

「ジブン・ファースト」になれ

アメリカのドナルド・トランプ大統領が掲げたスローガン「アメリカ・ファースト」ではないが、日本には「ジブン・ファースト」な人が少なすぎる。

もちろん他人の立場で考えることや、期待に応えようとする姿勢は重要である。しかしそれ以上に重要なのは、もっと自分の気持ちに対して素直になることだ。人から誘いがあっても、気が乗らなければ断る。そして自分のやりたいことに集中する。エゴイストになるくらいでちょうどいい。

他人を幸せにするためには、まずは自分が満たされなければならない。自分の本音を大切にするからこそ、相手の気持ちも大事に扱えるようになる。

自分は自分、他人は他人。人間関係というのは移り変わりゆくものだ。このような考え方をもてば、自分の本心に従った生き方ができるようになる。

凸凹こそが魅力
kieferpix/iStock/Thinkstock

もし自分自身を「大したことのない存在」と感じているとしても、引け目を感じる必要はまったくない。

世界の一流たちは、自分が信じたものに忠実だ。彼らの判断基準は「好きか」または「楽しめるか」のみ。だから彼らは満たされている。ここから学べるのは、自分の存在価値は自分で決めればよいという思考である。すべては自己満足で構わないのだ。

ただし自分に対して素直に生きるためには、苦手を克服しようとしてはならない。理由は2つある。1つは単純に得意なことに注力するエネルギーが減るから。もう1つは苦手を克服することで、自分の得手不得手からなる「凹凸」が消えてしまうからだ。

凹凸こそがその人の魅力である。それはまるで、畑の水はけをよくするために、あえて土を盛りあげる畝(うね)のようなものだ。畝をならしてしまえば水はけは悪くなり、作物の根は腐ってしまう。根は人にとっての軸と同じだ。ありのままの自分であるためには、その軸を大切にする必要がある。

事実、著者も不器用な自分をいまでは認めている。それでも彼を必要とする人々は大勢いる。これに気づいたのは、一切の苦手分野を無視するようになってからだという。

群れないから見える2つの真実
Getty Images/DigitalVision/Thinkstock

群れない生き方にはどうしても孤独がつきまとう。周囲からの理解が得られず、くじけそうになることもなるだろう。だがそのときも頼りになるのは自分自身だけだ。「自分」というたった一人の人間のみが、最後まで自分を信じてくれる人物なのである。

また、「人間は失敗しないと何も学ばない生き物」と心得ておくことも大切だ。可能なかぎり失敗を避けたいと思う人は多い。世の中には「いかに効率よく、大きな成果をあげるか」という風潮も蔓延っている。

しかし生きるということを突きつめて考えると、失敗の連続だといえるのではないだろうか。人は失敗を経験して、はじめて物事の本質を理解する。というよりも、失敗しなければ本質をつかもうとすらしないのだ。

「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」。日本が誇る経営者、松下幸之助の言葉である。最後まで味方でいてくれるのは自分のみ。失敗が続いたとき、どこまで自分を信じられるかが鍵となる。

「群れない生き方」の思考

自分の強みにフォーカスする

誰かに依存して生きるのではなく、必要とされる人間になる。これが「群れない生き方」の根幹をなす思考である。群れずに生きていくためには、まず自分ひとりの力には限界があることを受けいれ、代わりに強みを徹底的に磨くことが重要だ。

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要約公開日 2018.03.03
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