ACTION! トヨタの現場の「やりきる力」

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ACTION! トヨタの現場の「やりきる力」
出版社
プレジデント社

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出版日
2017年12月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「将来、何かになりたい」とか「現状を変えたい」と考える人は、どんな「ものの見方」をし、具体的に何をすればよいのだろう。本書には、そのためのヒントが詰まっている。著者は、社会に出るまで全く行動のできない人間だったというが、専門学校を経て最初に現場メカニックとして勤めたトヨタで、「アクションをする、やりきる」ということを叩き込まれた。そのなかで得られた学びが本書では紹介されている。

自身が体得した「トヨタ流」について、著者には既に何冊もの著作がある。5SやPDCA、時短術といったマネジメントの重要テーマそのものを扱う作品だけでなく、自伝的物語、寓話、漫画といった変化球的手法によるものもあり、飽きさせない。それらを通じて惜しみなく開陳されてきた、いわば仕事の秘訣なるものを、本書では新たに「行動に関するノウハウ」という視点で詳しく解説している。「行動力」「振る舞い」「作用」「カイゼン」という、Actionという語の持つ4つの意味に託して整理し、読者が一歩を踏み出せるよう促す。

トヨタといえばカイゼンであり、カイゼンといえば製造業の話と思いがちだが、業種や職種を問わず、腹落ちする記述が続く。管理職か否か、社会人か学生かにかかわらず、結果を出すための心得や作法を身に付けたいと願う、すべての人にすすめたい。

ライター画像
篠島真哉

著者

著者情報
原マサヒコ(はら まさひこ)
株式会社プラスドライブ代表取締役
1996年、神奈川トヨタ自動車株式会社に現場メカニックとして入社。5000台もの自動車修理に携わりながら、トヨタの現場独自のカイゼン手法やPDCAサイクルを叩き込まれる。トヨタ独自の“やりきる力”を身に付けて発揮した結果、技術力を競う「技能オリンピック」で最年少優勝に輝く。さらにカイゼンのアイデアを競う「アイデアツールコンテスト」でも2年連続全国大会出場を果たすなど活躍。
活躍の場をIT業界に変えても、PCサポートを担当したデルコンピュータでは「5年連続顧客満足度NO.1」に貢献。現在はWEBマーケティング会社を設立し、クライアント先の現場にてWEBカイゼンやPDCA施策の推進を図りながら“やりきる力”を発揮している。
著書に、『トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術』(かんき出版)『新人OLひなたと学ぶどんな会社でも評価されるトヨタのPDCA』(あさ出版)『どんな仕事でも必ず成果が出せるトヨタの自分で考える力』(ダイヤモンド社)などがある。

原マサヒコ公式サイト
http://www.haramasahiko.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    これからは「やりたいこと」をする時代だ。やりたいことを仕事に繋げている人こそが人生を充実させている。そのためには、まず動いてみること。①圧倒的な行動力を身につけ、②プロとして適切に振る舞い、③自分の働きがどう作用するかを考え、④カイゼンを続けていく、ということを意識してActionをしていくことが必要だ。
  • 要点
    2
    4つのActionの結果として、①自身の人間的魅力を増し、幸運を引き寄せるAttraction、②他者との関係性を強化し、相互作用を増幅するInteraction、③お客様など相対する対象の満足、ひいては自身の人生における満足としてのSatisfactionを、それぞれ得ることができる。

要約

【必読ポイント!】Action1/行動力

成功の秘訣は「まず動く」

大きな会社に入ればそれなりの人生を歩めた時代は終わり、未来は不透明で不確実だ。だが、行動を起こし、やり続ける人は、いつの世も成功を収める。そのために必要な「行動力」は生来のものではなく、誰もが習得できる一種の技術である――これが本書に通底するメッセージだ。

自分が何に向いているか分からなくても、少しでも興味を持てることがあれば、まずは動いて、試してみよう。一歩でも動き出すことで、行動は加速する。何か作業を始めると脳の「側坐核」が刺激され、ドーパミンという神経伝達物質が出て「やる気スイッチ」が入るという科学的な裏付けもある。

「巧遅」より「拙速」、「完璧」より「完了」を目指そう。そうすればすぐに修正できるし、自分の得手・不得手もわかる。結果が悪ければ、元に戻せばいい。

自分の動きにスピードを持たせれば、信頼と好感を得ることができ、評価にもつながる。人より先に動く「早さ」も意識すれば、他者や他社に勝つ最高の武器になる。

行動するための仕組みを作る
Julia_Sudnitskaya/iStock/Thinkstock

動く気になるためには、内発的な意思の力に期待するのではなく、何らかの仕組みを用意して、自分自身に行動を促すことも大切だ。トヨタの現場では、「仕組み化」や、新しい状態を常態にすべく定着させていく「標準化」という言葉がふだんからよく使われていた。

やるべきことが大きなことだったり、意欲がわかなかったりしても、小さな行動へと具体的に分解していけば、一つひとつのハードルは下がる。それらをメモに書き出し、本当にやるべきかことかどうかや、優先順位を見極める。そうやって、一つひとつの行動を選択・整理してやりやすくすれば、生み出せる時間を「頭を使う仕事」に割けるようになる。

新しいやり方を定着させた後、さらに飛躍していくために、従来の手法では到達し得ない「非常識な目標」を立ててみるというのも、トヨタでよく用いられていたやり方だ。過去の常識に囚われず、ゼロベースで考え直さなければならないので、知恵を絞ることにもなり、新しい発想ができる。達成後に待っている未来を想像すれば、前向きな気持ちを保つことができるだろう。

Action2/振る舞い

時間は量より質
IconicBestiary/iStock/Thinkstock

Actionという言葉には、振る舞いという意味も含まれる。結果を出す人は、仕事での振る舞い方に特徴がある。時間あたりの質を高めるために何をすべきかを常に考えているのだ。

著者はトヨタ時代、慣れない作業でたくさん汗をかいて悦に入っていた時、先輩に「何を頑張ったって言ってんの? 作業まだ遅いんだけど」とたしなめられた経験がある。「頑張る」の基準について問われたのだった。

勤勉さも努力も、結果に繋がらなければ意味がない。だから、何が成果に繋がり、どうしたら成果を最大化できるのかを考えよう。貴重な時間を意味のないことに浪費していないか、仕事の手を休めて振り返ってみよう。

成果を出し続けるためには、仕事を楽しく、気持ち良く進められることも重要である。たとえば、作業がサクサク進むよう、最高水準の道具をそろえるのも一案だ。仕事のできる整備士ほど、最高級ブランドの道具を自分自身でコツコツ買い揃えていたりするものである。

しっかり準備する

運やツキは、迎え入れられる体制が整っているからこそ、呼び込まれる。

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要約公開日 2018.03.19
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