職場の「やりづらい人」を動かす技術

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職場の「やりづらい人」を動かす技術
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出版社
出版日
2018年03月24日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「同僚のあの人は、私の主張をまったく聞き入れてくれない」「あの先輩とはどうも話が噛み合わない」「あの上司の行動は、いつも私の理解を超えている」――そんなふうに、職場の「やりづらい人」に頭を悩まされ、衝突してしまったり、仕事の生産性が落ちてしまったりした経験はないだろうか。

本書は、経営・組織コンサルタントとしてビジネスパーソンを観察してきた著者が、ビジネスパーソンを8つに分類し、その分類をもとに各タイプの“攻略法”を伝授する一冊である。

8つのタイプは、「時代を感じる評論家」「実現を目指す政治家」「想像力ゆたかな小説家」などといったふうに、実に的確に名付けされている。各タイプの説明を読めば、「これはまさにうちの部署の〇〇さんのことだ!」と共感したり、「あの上司はこのタイプだ、だからあんなふうに仕事をしているんだ」と腑に落ちたり、「私は確かに、こんな考え方をしている」とドキッとしたりするだろう。それぞれの説明を読むだけでも十分に楽しめる本書だが、それにとどまらず、タイプどうしの相性が細かく分析されていたり、それぞれのタイプが輝けるフィールドがどこにあるのかが紹介されていたりする。このタイプ分類のもとになっているフレームワークを自分のものにし、いろいろなタイプの人の特性を理解できるようになれば、きっと仕事におけるストレスが大幅に軽減されるはずだ。

著者

秋山 進 (あきやま すすむ)
1963年奈良県生まれ。京都大学経済学部卒業後、リクルートに入社し事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEО補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織構造設計、人事制度設計、経営理念開発、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、メンタルヘルス、幹部人材育成、セールスマーケティング支援、ホテル経営構造改革、ヘルステックなどのプロフェッショナルが集まるプリンシプル・コンサルティング・グループを主宰し、代表取締役を務める。著書に『社長が“将来”役員にしたい人』(日本能率協会マネジメントセンター)、『「一体感」が会社を潰す』(PHP研究所)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    ビジネスパーソンは「視点」「思考」「行動」の3つの観点をもとに8つのタイプに分類される。
  • 要点
    2
    タイプ分類をもとに自分のクセと相手のクセを理解し、相手の強みを認めつつ望ましい方向へ誘導するコミュニケーションを取ることで、無用な対立を防ぐことができる。そして、各人の強みを発揮し、弱みを補完し合う組織をつくることができる。
  • 要点
    3
    組織の行動は「自己規定」「体制作り」「運用・実行」の3つのフィールドに分けられる。人事においては、各人の強みを発揮できるフィールドに配置することが重要である。

要約

【必読ポイント!】 8タイプに分類するための3つの観点

視点――ミクロ視点型か、マクロ視点型か
patpitchaya/iStock/Thinkstock

経営・組織コンサルタントとして多くのビジネスパーソンを観察してきた著者が編み出したのが、人は「視点」「思考」「行動」の3つの観点においてそれぞれ2つのタイプに分けられ、それらの組み合わせで8つのタイプに分類することができるというフレームワークである。

1つ目の観点は、視点のもち方、つまり「何を見るか」である。これは、ミクロ視点型とマクロ視点型の2つのタイプに分けられる。

ミクロ視点型とは、自分の身の回りの比較的小さい世界に注目するタイプのことだ。その中の、人や関係、プロセスなどに関心を持つ。これらを細かく見つめ、すでに起きていることを理解し、解釈しようとする。関心を寄せる先が自分の身の回りの世界に限定されているため、「自分の専門分野から一歩も出ようとしない人」と評価されることもある。

対してマクロ視点型とは、大きな世界に目を向け、その仕組みや機能、バランスなどに関心を寄せるタイプだ。世界的なトレンドや事例に価値を見出したうえで、ある物事の背景に存在している構造に注目し、その物事を大きな流れの中で理解しようとする。

思考――直観意味型か、事実論理型か

2つ目の観点は、思考、つまり「どう考えるか」である。これは、直観意味型と事実論理型の2つのタイプに分けられる。

直観意味型とは、自分の直観と感性を重視し、主観的に環境を認識して自分なりの価値観において意味を見出すタイプである。直観的に物事を見るため、感覚が一致している人とは理解し合えるものの、そうでない人からは「非現実的な夢物語や理想論を語る人」と捉えられかねない。

対して事実論理型とは、主観を排除し、客観的な事実や科学的な理論、データ、ロジックによる検証を最重要とするタイプだ。科学的な根拠を他者に対しても要求し、それがなければ受け入れないことから、「ファクトとロジックしか受け付けない人」と評されるケースもある。

行動――WHAT型か、HОW型か

3つ目の観点は、行動の重点をどこに置くか、つまり「どう動くか」である。これは、WHAT型とHОW型の2つのタイプに分けられる。

WHAT型とは、

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要約公開日 2018.04.30
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