金持ち父さんのこうして金持ちはもっと金持ちになる

本当のフィナンシャル教育とは何か?
未読
金持ち父さんのこうして金持ちはもっと金持ちになる
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本当のフィナンシャル教育とは何か?
未読
金持ち父さんのこうして金持ちはもっと金持ちになる
ジャンル
出版社
出版日
2017年10月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「貯金する人は負け組」「借金のおかげで金持ちになる」「税金を利用して金持ちになる」。多くの人が考えるお金の増やし方とは異なるメッセージが、本書にはあふれている。

著者は、ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん」』で知られるロバート・キヨサキだ。表題となっている二人の「父さん」のうち、前者は友達の父親で、学歴はなかったが、お金の扱いをよく知っており、ハワイでも有数の裕福な人物となった。後者は実の父で、最高の教育を受け、地域社会の中心的存在だったが、生涯お金のことで苦労した。ロバートは幼い頃、金持ち父さんの家でモノポリーで遊んだ時から、お金について金持ち父さんの教えを受けている。今やロバートは、金持ち父さんの教えに沿って、不動産投資やビジネスで金持ちになり、より多くの人々が金持ちになるための教育に情熱を傾けている。

本書で、ロバートは、ドナルド・トランプが「一流の中の一流」と称賛する、公認会計士のトム・ホイールライトとタッグを組んでいる。そして『金持ち父さん 貧乏父さん』の内容からさらに踏み込んで、なぜ金持ちはさらに金持ちになっていくのか、本当のファイナンシャル教育とは何かを説明する。

ロバートは、コインには3つの面があるという。表、裏、縁だ。この縁にこそ知性が宿っており、それはコインの表と裏の両面を見る能力なのだという。本書を通して、あなたもコインの縁に立ち、金持ちの面と中流・貧困層の面を比較しながら、ファイナンシャル教育の本質にふれてみてほしい。

著者

ロバート・キヨサキ
Robert T. Kiyosaki
20年前、ロバート・キヨサキは個人ファイナンス部門で最も売れた本、『金持ち父さん 貧乏父さん』を書いた。この本は、世界中の数百万人のお金に対する考え方に疑問を投げかけ、それを変えてきた。ロバートは、その歯に衣着せぬ語り口と不敵で勇敢な態度で、お金と投資についてこれまでとは異なる考え方を提示し、情熱的で積極的なファイナンス教育の旗手として世界中に知られている。

本書の要点

  • 要点
    1
    市場暴落のたびに紙幣の流通量が増え、お金の価値が下がるため、貯金をする者は負け組になってしまう。一方、金持ちは、税金を合法的に抑え、借金を上手く利用して、さらに金持ちになる。
  • 要点
    2
    ファイナンシャル・インテリジェンスの中心となるのは財務諸表であり、収入/支出/資産/負債/キャッシュフローという5つの言葉を理解することが重要である。
  • 要点
    3
    本当のファイナンシャル教育は、まず借金と税金について学ぶことが要になる。借金と税金の観点から、3つの収入――「勤労所得」「ポートフォリオ所得」「不労所得」のうち、金持ちは後者2つのために働く。

要約

金持ちがもっと金持ちになる仕組み

貯金する人は負け組になる

今日の経済危機は、1971年8月15日から始まった。この日、アメリカのリチャード・ニクソン大統領は金本位制度を撤廃し、米ドルが不換通貨になった。不換通貨とは、政府による取り決め以外、価値のあるものによる裏付けがない通貨だ。結果、アメリカはためらうことなく、紙幣の印刷ができるようになった。

今世紀最初の10年間に、世界はドットコム暴落、サブプライム問題による不動産暴落、巨大銀行破綻による株式市場暴落という3つの大きな暴落の経験をした。市場暴落が起こるたびに、経済崩壊を防ぐべく多くの紙幣が印刷された。紙幣の流通量が増えることで、お金の価値が下がり、今日では預金金利はゼロに近いかゼロ以下だ。マイナス金利によって、銀行はお金を預かるだけで手数料を取る。そのために、お金のために働き、貯蓄する者が負け組になるのだ。

税金を合法的に抑える
tonivaver/iStock/Thinkstock

一方、金持ちは金持ちのルールに則って、さらに金持ちになっている。そのルールには、「税金」を合法的に抑えることや、「借金」を利用することが含まれる。

まず、税金によって金持ちがもっと金持ちになる仕組みを、キャッシュフロー・クワドラントという概念を使って説明しよう。キャッシュフロー・クワドラントは、四つの区分、つまりクワドラントから成り立っている。私たちは、この四つのクワドラントのうち少なくとも一つに属している。どこに所属するかは、お金がどこから入ってくるかによって決まる。左上は、会社のために働いて給料をもらう従業員、E(employee)クワドラントだ。左下は、自分のために働いて収入を得る自営業者、S(small business)クワドラント。右上は、自分の所有するビジネスから収入を得るオーナー、B(big business)クワドラントだ。右下は、投資から収入を得るプロの投資家、I(investor)クワドラントである。

クワドラントによって納税率は違っている。Sクワドラントの納税率は60%で一番高く、Eクワドラントは40%、Bクワドラントは20%と続き、Iクワドラントはなんと0%である。

なぜ、右側のBとIのクワドラントは税率が低いのだろうか。それは、B・Iクワドラントはより多くの政策減税を受けることができるからだという。この2つのクワドラントの活動は、政府の仕事である経済状況の改善、雇用の創出、国民や企業への物資の供給などを補助する重要な役割を担っている。金持ちは、B・Iクワドラントに所属して、税の優遇措置のために働く。彼らは税控除を通じて、間接的により多くのお金を稼いでいるのだ。

借金を利用してもっと金持ちになる
Photobuay/iStock/Thinkstock

金持ちがもっと金持ちになる理由には、借金をうまく使っているということも挙げられる。

クレジットカードを例にして、借金の使い方をみていこう。あなたがクレジットカードを手に入れたとする。その口座にお金は入っておらず、あなたの信用があるだけだ。あなたは買い物に行き、100ドルの靴を買う。靴の代金をクレジットカードで支払うと、100ドルのお金が創造され、同時に100ドルの「負債」も抱える。

一方、金持ちは、

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要約公開日 2018.05.06
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