お金持ちになりたいなら、まず元手となるお金を貯めなければならない。そして貯めたお金を価値ある「何か」に変える必要がある。この何かのことを「資産」という。
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者であるロバート・キヨサキ氏は、「ポケットにお金を入れてくれるものが資産で、ポケットからお金を奪っていくものが負債」と定義する。例えば、クルマは仕事で必要性がない限り「負債」である。このように「負債」には一見、資産にみえるものもあるので、注意が必要である。
キヨサキ氏は資産として「ビジネス」「不動産」「紙の資産」「コモディティ」の4つを挙げている。「ビジネス」は会社をオーナーとして所有すること。株式の所有は会社を部分的に所有することである。「不動産」は人が生活する上で必需品の衣食住の中でも唯一、その価値を保存することができる貴重なものである。「紙の資産」は株式、債券などの有価証券をさす。「コモディティ」は原油、貴金属、小麦、アルミ等の商品先物取引所で扱われる商品のことである。
4つの資産の中で「どれを持つべきなのか」は難しい問題である。時代やそれぞれの状況により答えは異なるが、ひとつ言えることは「自分が理解できて、興味を持てる資産」を持つべきである、ということだ。成功する人は、自分がよく知らないものには、投資しないものである。
お金持ちになるために、まず300万円を貯めることを推奨する。この目標を達成するには節約するだけではなく、積極的に貯める方法が必要である。
毎月の貯金の目安はボーナスを除き、月収ベースで収入の6分の1を当面の目標とするのが適当である。月収30万円なら毎月5万円が貯金額である。月収の6分の1を貯金に回せば3年で6ヶ月分に達し、これを基礎的な貯金として確保する。この「基礎的な貯金」以上にあふれたお金を投資に回すのである。虎の子のお金を投資に回し、一喜一憂するのはとても愚かなことである。
お金とのつき合いは大きく分けて「使う」「貯める」「増やす」の3つがある。この3つそれぞれに「口座」を用意する。生活費と預貯金用、投資用の口座を別々にすることで、それぞれのお金の増減を「見える化」することが可能となり、管理が容易となる。
「消費、浪費、投資」の3つでお金の使い方を見ることを「3つのモノサシ」という。3つの理想的な比率は「消費70%、浪費5%、投資25%」である。「投資」の中には貯金も含まれている。「投資」は60%を貯金に割り当て、40%を「本を買う、習い事をする」といった自己投資に回すことも忘れてはならない。
貯蓄に成功している家計はムダもしっかりと予算に反映させている。あらかじめ浪費には予算を振り分けて、家計全体に影響がないようにするのが貯金のコツである。「投資」と「浪費」の計30%の割合を維持し、「消費」の70%を安定させることが「貯める」という目標達成のカギとなる。
さらに、日々のお金の動きを把握するために「家計簿」をつけるのがお勧めである。「お金のノートに記入する」くらいのざっくりとした記録で構わないので、最低でも3か月以上、長く続けることが重要である。日々「お金をどう使っているか」を意識し、数字だけでなく、思ったことや気持ちも書きとめておくと役立つだろう。
株式投資の初心者は自分に知識がないことを弱点だと思いがちである。専門知識はあるにこしたことはないが、ファンドマネージャーのような専門家でも相場を正確に見通すのは不可能な世界である。
しかし長い目で見ると株価の動きにはシンプルな法則が存在する。
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