一流のサービスを受けるということは、「最上級のおもてなし」を受けることである。サービスのプロたちは「サービスは有料、おもてなしは無償」と心得ている。サービスは「サービス料」という言葉があるように対価を伴う。一方、おもてなしは気持ち次第であり、お客様を真摯にお迎えするという意味合いをもつ。
残念なサービスしか受けられない人の多くは、おもてなしに込められたサービススタッフの心を理解せず、サービスされる側とする側に上下関係を持ち込むような人だ。これに対し、ワンランク上のサービス、おもてなしを受けられる人は、サービススタッフとの関係を「人間同士のおつきあい」ととらえている。自分が適当に接すれば、相手もこちらを丁寧に扱わなくなってしまう。サービスする側も「人」を見ているのだ。
一歩足を踏み入れるだけで、とびきり優雅な雰囲気を感じさせてくれる国内の一流ホテルや海外の五つ星ホテル。この雰囲気を演出するのは、インテリアやホテルスタッフたちの品格だけではない。そこに行き交うゲストも演者の一人。ゲスト自身も「ホテルの一部」になる。
もちろん堅苦しく考える必要はない。雰囲気に溶け込むことを楽しめばいい。ホテルスタッフたちも、「あの人はサービスしがいのあるお客様だな」と好印象を抱くだろう。
第一印象は見た目、服装、態度からつくられる。頭を高く挙げ、慌てず舞い上がらず、普段よりゆっくり動く。これを心がけるだけで、エレガントに映る。
また、三つ星クラス以上のホテルでは、男性ならジャケット着用が一般的なマナーである。ノーネクタイの際も、パリっとしたシャツを着ていれば清潔な印象を与えられる。女性の場合は比較的自由だが、ジーンズやサンダル、露出度の高すぎる服装は控えたほうがよいだろう。
そのほかチェックイン時の判断材料になるのは、よい靴と高価な時計、女性ならバッグだ。これらが上質なアイテムなら会話の糸口にもなる。
セレブリティの洗練された外見には、共通して清潔感がある。清潔な雰囲気は日頃のケアの積み重ねでつくられる。そして清潔感というのは、自分と会うために相手がどれだけ気をつかい、努力をしてきてくれたのかを示す。だからこそセレブリティの多くは、清潔感を自分への誠意や信頼感のバロメーターとしてとらえている。
人は一瞬にして相手を視覚的にとらえ、カテゴライズする能力に長けている。「人の第一印象は0.8秒で決まる」という説もあるほどだ。第一印象は、歯や髪の毛といった各パーツにも左右される。とりわけ歯にどれだけ気を配っているかで、人となりが透けて見える。
このことをよく知っているのがハリウッドスターたちだ。口角をキリっと上げて、真っ白な歯でまぶしい笑みを浮かべる、いわば「ハリウッドスマイル」ができることは、トップスターの条件といってよい。
ワンランク上の自分をめざすなら、今この瞬間からケアを始めよう。
一流人の共通の資質は、「気づかいができる」ことである。接待の場面を例にとろう。お店選びで大事なのは、お店のグレードよりも「相手に喜んでもらえるお店」かどうかである。接待される側は、「いつもと違う」という驚きとともに、「くつろげる、ホッとできる」という安堵感も期待している。いくら高級店でも、接待する側が自分を大きく見せようとして選んだお店ならどうか。もしもゲストが緊張や堅苦しさを感じてしまったら、接待が台無しになりかねない。
また、一流の人たちは、お洒落や身だしなみも気づかいの1つととらえている。その日に会う相手や出かける場にふさわしい服装を真剣に考え、色やコーディネートを決める。
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