ある相談者は、「妻との会話が死ぬほどつまらない」という。妻の話はドラマとワイドショー、他人の悪口で占められており、レベルが低い。彼は妻を軽蔑しているが、その感情を表に出すことはない。ただ、いまのような話はやめてほしいと思っている。
著者は彼に対して、嫌なことは嫌と伝えるべきだとアドバイスする。妻は、夫もドラマとワイドショー、他人の悪口に興味があると思い込んでいるかもしれない。もしそうだとしたら、原因は相談者にある。そうした話題にまったく興味がないことを明言するとともに、今後そうした話をしないように強く言うべきだ。
相談者の妻は、家の外でも、相手の興味のない話を延々と続けているかもしれない。それはまさに「時間泥棒」である。だから妻の話がつまらないことは、相談者だけがガマンすれば済む問題ではない。「つまらない話をしないでくれ」と妻に伝えることは、むしろ相談者の義務だといえよう。加えて、一緒に出かけて共通の話題をつくったり、妻がほかの趣味か仕事をもてるように協力したりする努力も必要だ。
またある相談者は、お見合い結婚した妻との離婚を検討している。彼女は外面はいいものの、家庭内ではすぐヒステリックになり、子どもたちを軍隊のようにしつけることもある。相談者は、常に妻の顔色をうかがう日々に疲れ果ててしまった。
著者は、子どもがいるのなら、離婚の前にまず話し合いをしなければならないという。相談者は、妻とのコミュニケーションをあきらめてしまっている。子どもがいるのだから、夫婦関係の修復のためにあらゆる手を尽くすことが先決だ。
結婚生活は「触らぬ神にたたりなし」ではなく、「触らぬ神ほどたたる」ものだ。妻はおそらく、自分の言動がいかに相談者を傷つけているか、気づいていないだろう。相談者が「たたりなし」と思っているかぎり、妻の態度が変わることはないのだから、まずは妻との溝を埋める努力をしなければならない。彼女の外面がいいのなら、彼女を高く評価している人に間に入ってもらうのもいいだろう。
どんな夫婦にも、パートナーとうまくいかない時期はあるものだ。だが、葛藤の時期を乗り越えれば深い絆で結ばれる夫婦も多い。離婚を切り出す前に、意思を伝える勇気を持とう。
ある相談者は、浪費家の妻に悩んでいる。相談者の事業が順調ということもあり、妻はありとあらゆる一級品をそろえるだけでなく、高価な果物を購入しては一口食べて捨ててしまうなどといったお金の使い方をする。一方、交際費に関しては極度にケチだ。
著者は、妻の浪費癖の責任は相談者にあると断言する。このようなケースは「浪費癖」と「人間関係への配慮のなさ」という悪癖が二重となり、夫婦関係だけでなく、さまざまな人間関係を破綻させていく。
この環境は子どもにとってもよくない。子どもが心豊かに素直に育つ環境ではないし、母親をまねて非常識になる可能性も高い。とにもかくにも相談者が渡す生活費を大幅に減額し、「このままいけば夫婦関係にヒビが入る問題だ」とはっきり伝えたうえで、自分で稼ぐことの大変さを実感させることが急務である。
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