運動した直後は食欲が湧かない一方で、時間をおきすぎると過剰に食べてしまいがちだ。これを逆手にとると、ボディメイクはうまくいく。すなわち、トレーニング後、なるべく早く食事を摂るようにするのだ。トレーニング直後~1時間以内に食事を摂れば、筋肉に迅速に栄養を送って成長を促すことができるとともに、食べすぎを防ぐこともできる。
トレ後30分は、プロテイン摂取のゴールデンタイムとも言われている。だがそれだけに注目していてはいけない。1時間のトレーニングをする場合、1種目の1レップ目から1時間30分後に栄養が吸収されることになる。そうすると、トレ後30分経つまで、筋繊維は飢餓状態にさらされることになってしまう。
だからこそ、トレーニング前の食事にも注目しておきたい。ここでエネルギーを補給しておけば、トレーニング中、筋肉に材料を送り込み続けることができる。食事前に補給したエネルギーはトレーニング中に使い切り、筋肉の回復および成長に必要なエネルギーはトレ後の食事で補給するというサイクルだ。
トレ前の食事、質の高いトレーニング、トレ後の食事。この3つをセットで考える必要がある。
減量のための食事術は、糖質や脂質といった特定の栄養素を除外する方向に向かいがちだ。たしかにこの方法は、短期間であればとくに問題はない。だが長期にわたって取り組むとなると、決しておすすめはできない。
カラダ作りに必要な栄養素は「三大栄養素」または「五大栄養素」と呼ばれる、たった3つか5つにすぎないものだ。その中から1つを排除してしまうなど愚の骨頂である。大切な栄養素を悪者扱いして排除する必要はない。
カラダに大きな影響を与えるのは、むしろ、消費エネルギーと摂取エネルギーのバランスをコントロールすることである。著者自身、ボディメイクをする上でさまざまな食事法を試してきた。徹底的に糖質制限した時期もあれば、野菜をほとんど摂取しなかった時期もある。だがそんな彼が結果的にたどり着いたのは、「バランスをとる」こと。何かだけを排除したり過剰に食べたりせずに長い時間をかけて取り組める「バランスのいい食事」こそ、「無敵の食事管理術」である。
筋肉がつきやすい「イージーゲイナー」もいれば、つきにくい「ハードゲイナー」もいる。さらに細かく分けると、「筋肉も体脂肪もつきにくい人」「筋肉はつきにくいけれど体脂肪はつきやすい人」「食事をたくさん食べられる人」などさまざまだ。そこで、まずはボディタイプ・マトリックスを作り、自分がどのタイプに属しているのかを確認することをおすすめする。
たとえば筋肉も脂肪もつきやすい人は、カロリー過多を防ぐため、有酸素運動をしなければならない。有酸素運動は筋肉をつきにくくしてしまうから、筋トレとは時間をあけよう。平日朝にひと駅歩き、仕事終わりにトレーニングをするといったスケジュールを組むとよいだろう。
カラダを「絞る」ことを「除脂肪」という。これは「体脂肪」のみ減らすことを指す。体重のみならず見た目、ウエスト、体脂肪率を基準として脂肪を減らしていくことで、筋肉の形が際立ち、見た目もカッコよく美しく変わる。
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