僕たちは14歳までに何を学んだか

学校では教えてくれない新時代の必須スキル
未読
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僕たちは14歳までに何を学んだか
出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2019年02月15日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

先が見えない時代といわれて久しい。ひたすら勉強をして良い大学、大企業に入れば人生安泰。そんな時代はとうに終わった。AIが私たちの仕事を奪いつつあるといわれる。それでは、今の時代を生き抜くための「頭の良さ」をどうすれば身につけられるのか?

そのヒントとなるのが、従来とは違った方法で成功した、現代の「革命家」たちだ。キングコングの西野亮廣氏、ホリエモンこと堀江貴文氏、SHOWROOMの前田裕二氏、DMMの亀山敬司氏。彼らは生まれ育った環境も職業も年齢もバラバラ。しかし、それぞれの分野で新しいものを創造し、社会に影響を与えている。本書は、「革命家たちが14歳までの多感な時期をどう過ごしてきたか」を、藤原和博氏がインタビューし解説するという贅沢な一冊だ。

著者によると、彼らの共通項は「根拠のない自信」だという。未知の世界へ踏み出し、無謀にも思えるアクションを起こし、常に軌道修正を重ねる。この習性は「根拠のない自信」がなければ成り立たない。彼らは14歳までに何を経験し、「根拠のない自信」をつけたのか。そしてそれがどう実を結んだのか。

学校は社会生活の基礎を作る場である。しかし、才能を突出させるキッカケとなる場は、家庭環境やストリートであることが多い。子育て中の方はもちろん、彼らの成功の秘訣を知りたいという方にも、本書をぜひお読みいただきたい。それぞれの子ども時代から導き出される「回答」に、何らかのエッセンスを見出せるだろう。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

藤原 和博(ふじはら かずひろ)
教育改革実践家。リクルート社フェロー第1号/東京都では義務教育初の民間校長「杉並区立和田中学校」元校長/奈良市初の民間高校長「奈良市立一条高校」前校長/アジア希望の学校基金「Wisdom of Asia for Next Generation(WANG)」代表/東日本大震災復興支援財団・評議員/プラン・インターナショナル・ジャパン元評議員(サポーター歴30年)/大学院「至善館」客員教授/腕時計「japan」「arita」シリーズ・プロデューサー/奈良発のかき氷製造機「himuro」アソシエイト・プロデューサー/講演1400回超の人気プロ講師/累積80冊143万部の著述家/電話級アマチュア無線技士/テニスプレーヤー/ヘルパー2級・海外50か所の介護施設を視察/元ロンドン大学ビジネススクール客員研究員・パリ駐在/長野県の天然記念物・川上犬の飼い主。
1955年生まれ/世田谷区立多聞小学校/世田谷区立富士中学校/東京都立青山高校/東京大学経済学部を経てリクルートに入社。40歳で退職してインデペンデントに。現在は、日本社会を覆う官僚的、教科書的、標準的な「正解主義」「前例主義」「事なかれ主義」を仮想敵として「よのなか科」を武器に戦っている。
個人がまず突破してみせ、その「根拠のない自信」で社会を動かす時代なのだ。
詳しくはホームページ「よのなかnet」http://yononaka.net に。

本書の要点

  • 要点
    1
    「自分のいいと思うもの」を一方的に伝えても、人の心は動かない。まずは真剣に相手の立場になって考えること。「他者目線」になることで人の心を掴み、勝ち上がることができる。
  • 要点
    2
    お客さんとの間に特別な絆をつくり、価値ある体験を提供すれば、お客さんはお金を払ってくれる。
  • 要点
    3
    血の繋がらない年長者との「ナナメの関係」が人を育てる。「ナナメの関係」が豊かな子どもは、人間関係の揺れにも強い。
  • 要点
    4
    突出した業績を上げている人は「情報編集力」が高く、10歳までにちゃんと遊んできた人である。

要約

西野亮廣

圧倒的な「他者目線」で勝ち上がる
Norasit Kaewsai/gettyimages

西野亮廣は、兵庫県川西市のサラリーマン家庭で生まれ育った。5歳上の兄、2歳上の姉、そして6歳下の弟の4人兄弟の3番目。服やモノはお下がりが多く、買ってもらえるものは少なかった。そこで、西野が行っていたのは、ほしいものを「自分でつくる」こと。例えばレゴがほしいなら、家にあるダンボールでレゴのようなものを自作した。自転車も、兄のお下がりをカッコよく改造した。高校生になると、スクラップ工場で色んな廃材をもらって、イチから自転車をつくったほどだ。

西野は兄とオセロでよく遊んだ。オセロは、自分が置きたいところに駒を置くゲームではない。相手が「ここに置かれたらイヤだな」という場所に置くゲーム。それが西野兄弟ならではの「オセロ論」だ。だから最初に西野は、対戦相手の「兄の脳を一回頭に入れる」ようにした。兄の目線で駒の配置を見て、兄が置かれたくないであろう場所に、先に駒を置くのだ。こうして「他者目線」を培っていった。

現在、西野の絵本や文章は「言葉の力がすごい」と賞賛されている。これも、「他者目線」を彼が会得しているからに他ならない。西野は相手の頭の中の言語が何なのかを考え、相手の言語で語ってきた。お笑いの世界では、30秒や1分という短い持ち時間の中で、観客の心をつかまなければならない。より短い言葉、より心に刺さる言葉を選んでいくことで勝ち上がり、世に出られるようになるのだ。

人のエネルギーを活用する

自由を勝ち取るコツは、「こいつはだめだな、と相手に諦めてもらうこと」。相手の期待と全く違う方向へ、徹底して突き抜けるのが西野流だ。

アメリカの社会学者ローレンス・J・ピーターは、組織や社会は階層型をしていて、人は能力の限界まで昇進したら無能化すると説く。だから、会社の役職者はみんな無能レベルに達してしまう。これが「ピーターの法則」である。昇進して無能の仲間入りをしないようにするためには、あえて無能のフリをして、それを防ぐという方法もある。西野はそれを天然でやってのけている。

西野が自らに課しているルール、それは「1年に1つ、何かをやめる」というものだ。うまくいっている習慣から、何か1つをやめる。やめた分、新しいものを創造するのだ。

では、なるべく長い間エネルギーを持続させるコツはあるのか。西野は「人のエネルギーを吸い取ること」だと考えている。作詞家の秋元康が、これだけ長期間現役で輝いていられるのは、古いものを活用しているからではないか。例えば、「明日は明日の風が吹く」というような使い古された歌詞でも取り入れられる。曲は時代によって変わり、それを受け取る客層も一巡するからだ。

一方、小室哲哉は自らの才能によって作詞作曲し、時代を駆け抜けた。いずれも尊敬に値するが、長く現役でいるためには、人のエネルギーをうまく活用するほうが良いのではないだろうか。そうしたコミュニケーションのシステムを築くことが、西野の今後の課題でもあるという。

堀江貴文

子どもの頃から「ゲームチェンジャー」
Stadtratte/gettyimages

堀江貴文は小学生の頃、テストの点はよかった。だが、体を動かすスポーツ系の遊びは苦手だったという。そこで、ドッジボールではなく知的な陣取りゲームを流行らせるなど、どうしたら他の子より優位に立てるかを考えてきた。つまり、堀江は子どもの頃から「ゲームチェンジャー」だったのだ。

中学は地元の公立ではなく、久留米大学附設中学校に入学。入学祝いに、父が、社販で7万円のパソコンを買ってくれた。それからプログラミングを独学。バイト先から「システム移行をしてほしい」と頼まれたことが、初のプログラミングの仕事だった。堀江いわく、プログラミングに向き不向きはあるが、やらないよりやるに越したことはない。ただ、技術の発達した今なら、パソコンではなくスマホでもよいかもしれないという。

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要約公開日 2019.05.08
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