リファラル採用とは、「社内外の信頼できる人脈を介した、紹介・推薦による採用活動」のことだ。いま、世界中の企業で一般的な採用方法となっている。
こう聞くと、縁故採用とどこが違うのだろうと思う人もいるかもしれない。リファラル採用が縁故採用と異なるのは、紹介だからといって無条件で採用するわけではなく、面接を通して入社の可否を判断する点だ。広告媒体や紹介会社の営業マンの代わりに、社員がリクルーティング活動を行うと理解すればいいだろう。
リファラル採用のメリットは、次の7つだ。
(1)採用コストを大幅に削減できる
(2)社長と会社に合う人材を採用できる
(3)入社後の社員の定着率が向上する
(4)会社の魅力と課題を見える化できる
(5)会社の魅力の継続的向上(経営改革の実現)
(6)幹部と社員が経営者目線をもつ(究極の人材育成)
(7)みんなの心が1つになる
リファラル採用が効果を発揮するのは、「自社を友人・知人に紹介したいと社員に思ってもらう」と「その社員の話を聞いて、友人・知人に転職したいと思ってもらう」の2つがそろったときだ。要するに、社員が自社に強い魅力を感じていなければならないし、その魅力を知人に伝え、相手の気持ちを動かすことができなければならない。
そのためには、「自社の魅力の見える化」が重要となる。見える化した魅力をきちんと友人・知人に伝えられるかどうかで、リファラル採用の成否が決まるといえよう。
リファラル採用には、次の5つのデメリットがある。
(1)採用できるまでに時間がかかる
(2)1年以内に大量採用することには向かない
(3)活動してくれる社員に負荷がかかる
(4)採用を間違えた場合にやめさせづらい
(5)今いる社員以上のレベルの人材は採りにくい
このうち(1)は、リファラル採用の仕組みを構築し、継続的に運用できるようになれば自然に解消していく。まずは社長と数名がリファラルリクルーターになり、やがて全社展開ができるようになれば、内定承諾までの時間が短縮できる。
また(5)に関して、著者の経験によると、自分よりも優秀な人に声をかける社員は20%ほどいるという。そんな社員を見きわめ、リファラル採用のリクルーターとして活躍してもらえばよい。
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