人生100年時代の教養が身に付く

オックスフォードの学び方

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出版社
朝日新聞出版

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出版日
2019年01月30日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

グローバル化によって、世の中は日々めまぐるしく変化するようになった。昨日までは自分の武器だと思っていたスキルが、明日には無用の長物になってしまうかもしれない。私たちは常にそんな不安を抱えながら、この先何十年も生きていかなければならない。

未来を生きていくために、どんな能力が求められるのか。そして、どうすればその能力を身につけられるのか。本書は、そんな問いに答えをくれる。本書の著者である岡田昭人氏は、日本の大学を卒業後、ニューヨーク大学大学院に進み、博士課程ではオックスフォード大学に留学。現在は東京外国語大学にて、日本人だけでなく、留学生の指導も行っている。本書では、そんな著者が見つけた「日本人に欠けている6つの力」を養う方法が紹介される。

本書のキーワードのひとつに「マンネリ化を防ぐ」がある。「冒険力」という言葉が出てくるが、必ずしも大冒険が必要なわけではない。むしろ日常的に「ライトな冒険」をすることで、思考力や創造力が刺激されるという。具体例として紹介されるのは、通勤・通学の経路を変えることや、友人にサプライズを仕掛けることなど。意外と手軽ではないだろうか?

本書には、著者のオックスフォード時代のエピソードや、オックスフォードの学生たちのずば抜けた優秀さを示すエピソードもふんだんに盛り込まれており、「このままではいけない」と背中を押される一冊となっている。ビジネスパーソンとしての生存戦略を模索する方には、とくにお読みいただきたい。

著者

岡田 昭人(おかだ あきと)
1967年大阪府生まれ。東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。オックスフォード大学教育学博士。同志社大学卒業後、ニューヨーク大学大学院で異文化コミュニケーション学の修士号を取得。オックスフォード大学教育学大学院にて日本人で初めて教育学の博士号を取得。東京外国語大学で20年にわたり日本人と留学生に教育学や異文化コミュニケーション学を教えている。テレビ、新聞など、メディア出演多数。『オックスフォード式超一流の育て方』など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本人には、統率力、創造力、戦闘力、分解力、冒険力、表顕力の6つの力が欠けている。
  • 要点
    2
    創造力を身に付けるためには、豊富な知識を蓄えることよりも、旺盛な好奇心を持ち、果敢に行動することのほうが重要だ。
  • 要点
    3
    日本人はもっと冒険すべきだ。冒険しないと、思考が固定され、新しい発想ができなくなってしまう。
  • 要点
    4
    学力や才能だけでなく、「表顕力」もまた重要な能力だ。表顕力とは、非言語コミュニケーションによって自分を伝え、相手を知る力を指す。

要約

グローバルエリートと日本人の違い

日本人に欠けている「6つの能力」
Arsty/gettyimages

著者は日本の大学を卒業後、ニューヨーク大学大学院で異文化コミュニケーション論を学んだ。博士課程では、オックスフォード大学(以下、OXON)に留学。教育学大学院の博士号を取得して帰国し、現在は東京外国語大学で教鞭をとっている。こうした経験から、現代の日本人には次に挙げる6つの能力が欠けていることに気づいたという。

(1)統率力:自然に人の上に立ち、他のものをリードする力

(2)創造力:模倣を繰り返し、そこから斬新な発想を生み出す力

(3)戦闘力:相手の意志を尊重しながら、結果的に自身の主張を通す力

(4)分解力:問題解決の近道として問題の所在を分析する力

(5)冒険力:試練や苦難を糧として邁進する力

(6)表顕力:自身を深く印象づける力

本書では、これら6つの能力を身に付ける方法が紹介される。要約ではそのうち、「創造力」と「冒険力」、そして「表顕力」を取り上げる。

【必読ポイント!】非連続の発想を実現する「創造力」

好奇心を大切にする

創造力を身に付けるために最も重要なのは、知識ではない。それよりも、旺盛な好奇心を持ち、果敢に行動することのほうが重要だ。

創造力を養う方法は4つある。1つ目は、情報を一元化した「ストック」ノートを作成すること。アイデアやインプットした情報を1冊のノートに集約し、いつでも手元に置いて書き込めるようにしよう。OXONでは、青色のボールペンを使う人が多い。

2つ目は、とりあえず書き出し、人に説明してみること。書き出すことでアイデアを客観視できるし、話すことで自分の考えが整理され、その過程で新たなアイデアが生まれるからだ。

3つ目は、区切りのいいところではなく、「+α」で終わらせること。アイデアを書き留める際には、結論までで止めず、次の展開まで書いておこう。

4つ目は、「コピー・アンド・ペースト」をしないこと。コピペを繰り返していると、自分の頭で考え、表現することができなくなってしまう。誰かが書いたものを使いたいときには、引用であることを明記する。

退屈なひとりの時間を確保する
Hakase_/gettyimages

英国のテレサ・ベルトンの研究によると、著名な科学者や芸術家、アスリートの多くが、幼少のころの「ひとりの時間」「退屈な時間」が自分の創造力を育むのに役立ったと考えているという。幼いときから宿題、習い事、塾などに追われる日本の子どもたちは、創造力を育む機会を逃しているのではないだろうか。

著者はOXON時代、論文の執筆に行き詰まることがあった。

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要約公開日 2019.05.27
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