初対面の人と話せない、雑談が続かない、親しくない人との会話で疲れてしまう……あなたはこんなふうに、コミュニケーションに苦手意識を持っているかもしれない。だが、それは決して珍しいことではない。
コミュニケーションに関する意識調査によると、「あなたは人とのコミュニケーションが得意ですか?」という質問に対し、約6割が「コミュニケーション全般が苦手」と回答している。2人に1人はコミュニケーションに課題を抱えている時代なのだ。
一方、文化庁による世論調査においては「コミュニケーション能力は重要だと思いますか?」という質問に対し、9割以上が「そう思う」と回答している。
つまり多くの人は、コミュニケーションの重要性を感じているものの、コミュニケーションがうまくいかないという状況にある。そんな人たちに対して本書で提案されるのは、「質問型コミュニケーション」だ。このメソッドを使えば、日常やビジネスの場面において、気軽に楽しくコミュニケーションをとることができる。
実は著者自身も、あがり症で話し下手だった。米国人材教育会社代理店にて5年間の累計業績1位、ポッドキャストのリスナー数は1万人以上など、その経歴からは想像もできないかもしれない。実際、著者は「元々コミュニケーションが得意だったんでしょう」と言われることが多い。だが実のところ、今でも人見知りで、口下手だという。
著者は営業時代にある「武器」を手に入れ、誰とでも気楽に話せるようになった。その武器とは「質問」だ。その結果、トップセールスになることができたという。
質問をされて嫌な気分になる人はほとんどいない。質問は「私はあなたに興味があります」「あなたのことを知りたいと思っています」という関心や好意のあらわれだからだ。誰かが自分の存在を認めてくれたり、関心や好意を示してくれたりすれば、誰しも喜び、安心するものだ。今やSNSで「いいね!」をもらうためにどこかに出かけたり、写真の見映えが良い商品を買ったりして承認欲求を満たす人もいる。
承認欲求を満たしたいのは、SNSのなかに限った話ではない。直接のコミュニケーションにおいても同様だ。自分に興味を抱いてくれる人がいれば、誰だって嬉しい。
質問は人を認める最高のツールであり、人を喜ばせるもの。このことを心に留めておいてほしい。
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