「このサービスを世界一に育てましょう」ではなく、「グーグルを一緒にやっつけましょう!」と言ってみよう。
プレゼンにおいて、自分が目指しているものを具体的に示すことは重要だ。たとえば仮想敵(ライバル)を決めるという方法がある。ライバルのスケールは壮大であればあるほど、聞き手は「この人はスゴイ!」と思うので、本当にそのライバルを倒すことができるかどうかは別として、人気があって大きな会社や人を選ぶと良い。
「世界一のサービスを目指します!」という言い方もあるが、それでは聞き手は漠然としたイメージしか持てない。だから、具体的なライバルを示して、聞き手に話のスケールをはっきりと伝えることが大切なのだ。
「少し長くなりますが説明させていただきます」と言うよりも、具体的に「私の説明が20分、その後質疑時間が10分あります」と時間配分を伝える方が、聞き手に安心感を与えられる。聞き手にもし「ダラダラしたプレゼンになるかもしれない」という予感が生まれてしまったら、プレゼン内容よりも寝ないようにすることに注力されてしまうので、あらかじめ時間配分を示しておくのだ。
説明が長い場合は、内容を3つ程度に分けて、プレゼンの旅の道しるべとして時間配分を伝えるとよい。「問題提起に5分、解決策の説明に5分、具体的なプロジェクトの説明に10分ほど」といった具合だ。
さらに、プレゼン内容に加えて「質疑時間も10分取っています」などと伝えれば、「どんな質問にも答えられるように準備しているんだな」という印象を与えられる。
「結論から言うと企画は中止にすべきです」というように、聞き手がプレゼンで一番知りたい「結論」を、話の冒頭にズバッと言ってしまおう。
起承転結という話の組み立て方は小説などに適したものなので、ビジネスの場においてその順番で話す必要はない。むしろ冒頭に結論をもってくることで、話をわかりやすくできる。
結論を最初に言うと反論されそうで少し恐い、と普通の人は思うかもしれない。けれど、自信のある人は、多少不審に思われたとしても、その後に筋道の通った理由や根拠を示して相手を説得する。
「コツを説明しましょう」というふうに切り出しがちな、ちょっとしたポイントについて、「本当はお伝えしたくないのですが、コツがあります」というふうに言い換えてみよう。同様に、「こうすると売れる」「こうすると勝てる」といった他者と差をつけるための情報を出すときに、「本当はお伝えしたくないのですが……」と加えてみよう。すると、聞き手は聞き逃さないように耳をそば立てるだろう。
プロは重要なコツなどを簡単には教えない。そのため、しぶしぶ伝える素振りを見せると、「その情報の価値が高い」という印象を与えることができる。あまり知られておらず、できるだけ簡単なコツをしぶりながら伝えてみるといい。そうすれば、多くの聞き手が「マネしてみよう!」と思ってくれるだろう。
世の中にある成功ストーリーには、それが特殊な事例だと思えてしまうものがある。聞き手が知りたいのは特殊な成功事例ではない。知りたいのは、
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