著者はもともと、早起きが苦手だった。学校に間に合うギリギリまで寝て、毎日時間に追われながら過ごしていた。高校1年生時の全国模試で偏差値30台をとってからは、劣等感に拍車がかかってしまった。
このままではいけないと、大学受験をめざして少しずつ勉強を始めた。しかし、20時ごろから真夜中まで勉強しても、解けたのは数問だけという日も多かった。そこで改めて自分の予定を見直し、朝5時に起きて2時間勉強することにした。
初日こそ眠くて仕方なかったが、一度勉強を始めてしまえば集中力が増していった。早朝勉強の効果を感じたのはこの時だ。朝だと、参考書の内容も驚くほど理解でき、難しい問題でも諦めずに取り組めたのである。
早朝勉強の時間は、最初、予備校で学んだことの復習にあてていたが、慣れてきたころには、集中する必要がある勉強に取り組むようにした。こうして飛躍的に成績を伸ばすことができたのである。
早起きが習慣化している人とそうでない人の差は、ほんのわずかだ。それは、「つらいけど、早起きしなくちゃ」という意識の有無である。早起きできない人ほど、つらいが起きなければならないという意識のほうが強い。
たとえば「毎朝、5時に起きるぞ!」と書いた紙を貼ったり、「絶対に資格の勉強をするぞ」と自分に言い聞かせたりと、「頑張って早起きをしよう!」と肩に力が入ると、早起きのつらさが想起させられてしまう。そのため、かえってモチベーションが下がってしまうのだ。一方、早起きができる人は、早起きをしたいというポジティブな気持ちのほうが強い。
苦労せずに早起きするための第一歩は、「早起きしなくちゃ」という意識を極力減らすことだ。「早起きして買ってきた本を読もう」というふうに、「快の追求」をし、早起きすると楽しいと思える状況をつくることで、あっさり早起きができるようになる。
頑張らずに早起きするには、先に述べたような、早起きすると楽しいと思える動機を用意することが、最初のステップとなる。加えて、良質な睡眠をとり、生活リズムを守ることで、早起き生活を上手く回せるようになる。すなわち、「動機」「睡眠」「リズム」が、早起き生活成功のキーワードである。このキーワードから導き出される、早起きのコツをいくつか紹介しよう。
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