本書では、ルーティンワークのようになっている現状を打破したい人に向けて、「PDCA日報」を習慣化することを勧める。
PDCA日報では、朝に「今日の予定」を書き、仕事の合間に「実際の結果」を書く。そして仕事が終わった夜には「うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」を振り返る。うまくいったことはルール化して継続する一方で、うまくいかなかったことは改善点を考えて、翌日以降に再びトライするというものだ。それに加えて、やる気アップにつながる欄や、備忘録的な欄も設けられている。
この日報には、3つの要素が入っている。予定や計画を書き込む「手帳」と結果を書き込む「一般的な日報」、細かなことや失敗したこと、反省点などを振り返る「日記」だ。
一般的な日報は、1日の業務が終わったあとに書くものだ。しかし、業務中に思いついたアイデアや、やってしまった小さな失敗などは、すぐに書きとめておかないと忘れてしまう。著者が勧めるのは、朝、昼間の業務中、夜の3回に分けて書くことだ。
まず、朝だ。5分かけて、日報の一番上に「やる気の出る一言」を書く。「売上○○万円達成!」「受注○件!」といった具体的なものでもいいし、「念ずればかなう」「目の前の人を笑顔に」「悩むより行動」といったものでもいい。前向きに1日が過ごせるようなポジティブな宣言を書く。
次に「夢・希望」として、「会社の年商を○億円にする」「お客さんをこう喜ばせたい」などといったビジョンを書く。重要なのは、自分のテンションが上がる言葉を書くこと。「○○の時計が欲しい」「○○で世界一になる」など、欲しいものや手に入れたいものを書き出してもいいだろう。
次に、今日達成すべき「目標」を書き、スケジュールを「今日の予定」に落とし込む。目標の例は、「○件のアポを取る」など。ここではアポイントなどに加え、やらなければならないタスクも洗い出しておこう。15分以下で終わるタスクは「すきまタスク」、15分以上かかりそうなものは「じっくりタスク」に分類する。
仕事中はその都度、予定に対する「実際の結果」とそれに関する気づきを記入していく。誰に見せるものでもないので、うまくいかなかったことも正直に書こう。これを夜に見返すことで、朝に行った「予習」(=予定を書くこと)を「復習」でき、スキルをどんどん上げていくことができる。
ポイントは、行動した直後に書くクセをつけること。あとでまとめて書けばいいと思っていると、すぐに忘れてしまう。接客や営業、商談の直後に、結果と気づきを簡単に書きとめておこう。
仕事が終わった後は、1日を振り返る時間を7分とる。なぜ7分に設定しているのかというと、人間が最も集中できる時間は15分と言われており、その約半分であれば集中力を保ちやすいと考えたからだ。慣れるまでは20~30分かかってしまうかもしれないが、書いている途中であっても7分で打ち切るようにしよう。
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