本書は全5チャプターに分かれており、37個のディズニーのルールが示されている。第1のチャプターでは9つのルールが紹介されているが、ハイライトでは感動の原点であるルール1「ウォルト・ディズニーという人物」をピックアップして紹介したい。
著者によると、ディズニーランドの成功の秘訣を一言で表すとしたら、「すべての源が『ウォルト・ディズニー』という個人にある」ということだという。つまり、ディズニーでは、どんなささいな判断でも、すべて「ウォルトだったらどうするか?」を基準に考えるのだ。
「それが正しいか、間違っているか」、「儲かるか、儲からないか」ではなく、ウォルトという個人の魅力を信じ切って実践している集団なのだ。
それでは、ウォルト・ディズニーとはいったいどのような人物なのか。
ウォルトは、優れた興行主であり、優れた経営者でもあり、そして深く人間の感性を理解していた人である。ウォルトは、人間個人の魅力はわがままなところにこそ存在している、と考えたのだ。ウォルトは、わがままな自分を冷静に見つめ、それにブレーキをかけることよりもむしろ、そんな感性を楽しみ、喜びを探っていったのである。
そして、そこに、人々の奥底に眠る感性に共鳴する「何か」をつかみ取った。言葉にできないその「何か」を世界の人々に、わかりやすい形で伝えたいという使命がウォルトにやどったのである。ディズニーランドをはじめとしたテーマパークは、この使命によって誕生したのである。
しかし、ウォルト・ディズニー自身は自分のフィロソフィーについて3割程度しか理解していなかったという。そして、残りの7割を具体化していったのが後生のディズニースタッフたちである。「ウォルト・ディズニーならどう考えるか?」という問いを立て理解していったのである。
この結果、ディズニーという企業はより人間らしく、より個性を尊重する組織となった。「人間個人の持つ広大性、永遠性、普遍性を信じている」といった企業文化が、たしかにウォルト・ディズニー・カンパニーには存在するのだ。
第2チャプターでは9つのルールが紹介されているが、ハイライトではその2つをピックアップして紹介したい。
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