オリジナリティに溢れた発想や仕事で人をワクワクさせるような人間であるためには、自分にしかできないもの、すなわち「スイートスポット(Sweet Spot)」を確立していることが必要である。他人にとって価値を持つようなスイートスポットを確立するためには、絶えずセルフ・イノベーション(自己革新)をしていかなくてはならない。
セルフ・イノベーション実現のためのステップは3つである。
1.「感じる」:観察力を研ぎ澄ませ、自らの五感を駆使して世界を感じる。また、漠然と「見る」、気づきを伴いながら「視る」、徹底的に観察する「観る」、細部に入りすぎずに「俯瞰してみる」を使い分ける。
2.「考える」:感じたことをそのままにせず、まず「なぜだろう?」「自分ならどうする?」と考えてみる。また、さまざまな観点から物事を捉えていく「発散思考」、発散したたくさんの情報の中で何か関連性がないかを探す「収束思考」を常に繰り返すことで、「ひらめき」や「直感」が生まれる。
3.「行動する」:感じた・考えた結果を必ず「行動する」「やってみる」。トライアル・アンド・エラーは経験の質を高めてくれるものであり、失敗を恐れる必要はない。ただし、失敗を前提に取り組むのではなく、必ず成功すると思い、成功するための手続きと方法を考えたうえで行動することが必要である。そして一度や二度の失敗で挫けることなく、自分のやっていることを信じよう。
これからの時代に必要とされるのはどんな能力か。著者によれば、それはデータの羅列といったような左脳的な働きかけで人に「理解」させるのではなく、右脳的な働きかけも用いて相手に共感させ行動を起こさせる能力である。こうした能力を使いこなす人をエンパサイザー(Empathizer)という。エンパサイザーは感動を伝える伝道師であり、相手を「共感」させ、「想像」を助け、「自発的な行動」を呼び起こす力を持っている。
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