インプットの基本法則を紹介する前に、まずは著者の前著のテーマでもある、アウトプットの基礎知識に触れておこう。
インプットからの2週間で何度も使われた情報は、「重要な情報」として脳に定着する。目安は、2週間に3回以上のアウトプットだ。
著者が提案する究極の学習法は、インプットとアウトプットをどんどん繰り返すことだ。インプットとアウトプットの割合を「3:7」にすれば、もっとも高い効果が期待できる。また、アウトプットの結果を評価し、次のインプットに修正を加えるというフィードバックも、自己成長には欠かせないプロセスだ。
本書では、インプットの3つの基本法則が紹介されている。
1つ目は、「なんとなく」読む、聞く、見るのはNGだということだ。そもそもインプットとは、「読む」「聞く」「見る」ことによって情報を得て、それを記憶にとどめることを指す。「なんとなく読む」ではなく「注意深く読む」。「なんとなく聞く」ではなく「注意深く聞く」。「なんとなく見る」ではなく「注意深く観察する」。ザル読み、ザル聞き、ザル見にならないよう、注意深く意識して、脳に情報をインプットしよう。
2つ目は、「インプット」と「目標設定」を必ずセットで行うことだ。 「なんのためにインプットするのか」を考えなければ、どこに向かっていいのかわからず、インプットの精度が落ちてしまう。インプットを行うときは、必ず「方向性」と「ゴール」をペアで設定するようにしよう。
たとえば、「ワーキング・ホリデーでオーストラリアに行きたい!」というゴールがあったとする。そのために必要な語学力を「TOEIC®450点」、期限を「2021年4月まで」とすると、具体的な勉強の方向性が見えてくるはずだ。
3つ目は、インプットとアウトプットは表裏一体だということだ。インプットとアウトプットは別々のアクションではなく、同時進行で処理されていることが多い。たとえば日常会話では、「聞く」はインプット、「話す」はアウトプットにあたる。これらは完全に交互に行われているわけではない。話を聞きながら、次に話すことを頭の中に思い浮かべているだろう。「聞く」と「話す」を同時処理しているのだ。
インプットとアウトプットは切り離せないものであることを認識するとともに、同時処理することを意識しよう。そうすれば、学びの質を高められる。
本書では、本の読み方が11の項目にわたって紹介される。要約ではそのうち、3つの項目を取り上げる。
1つ目は、学びにはいくつかのステップがあり、読書はその最初のステップにあたるということだ。
3,400冊以上の要約が楽しめる