誰もが、人を見た目で判断している。特に第一印象が及ぼす影響は大きい。最初の印象が悪いと、それを覆すのには多大な労力を要することになる。
人の印象は、言語的なコミュニケーションと、見た目やしぐさ、振る舞いなどといった非言語的なコミュニケーションによってつくられる。その割合は、言語的なコミュニケーションが35%、非言語的なコミュニケーションが65%だ。つまり、非言語コミュニケーションの方が圧倒的に重要なのだ。
よれたスーツや変色している靴、背中を丸めた自信のなさそうな姿勢、機嫌が悪そうな眉間のシワなど、ビジネスパーソンの中には、見た目で損をしている人が多くいる。彼らは、「仕事で必要なのは外見ではなく中身」と考えているようだ。
だが、よれたスーツを着ている人と、パリッとスーツを着こなしている人であれば、後者の方が圧倒的に優秀そうに見えるだろう。どんなに中身が優れていても、第一印象がネガティブなものだと、その実績を見てもらう機会さえ得られないかもしれない。
「見た目」といっても、気を配るべきは装いだけではない。振る舞いやしぐさ、表情、声、場所や時間の設定など、さまざまな要素が影響し合って人の印象を形成している。それらすべてを引っくるめて「非言語コミュニケーション」と呼ぶのだ。
知らず知らずのうちに、自分が思ってもいないような印象を与えてしまうことがある。例えば、立ち方だ。自分ではまっすぐ立っているつもりでも、首が前に出てしまっていることがある。そうした立ち姿は、貧相で自信がなさそうな、不健康そうな印象を与えてしまう。
歩き方も重要だ。歩く速度が遅い、歩幅が狭い、目線を下に向けているなど、適切でない歩き方は、自信がなさそう、不機嫌そう、消極的などといった印象を与える。
歩き方を意識すべきは、プレゼンなどの特別なシチュエーションに限らない。ダラダラとした歩き方は、知らず知らずのうちに周囲の人に悪い印象を刷り込んでしまうからだ。
印象がものを言う場として、企業の採用面接が挙げられる。
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