ノートは勉強や仕事の効率を高め、能力を最高に引き出す戦略ツールだ。にもかかわらず「ノートの使い方」を教えてもらったことがある人はたったの1%しかいない。
社会人になったら自己研鑽の研修を受講する人もいるだろうが、まずその前に「学んだことを再現できるノート」を書くスキルを身につけておくべきである。再現性の高いノートを使えば、「なぜその情報が必要なのか」「その情報をどう役立てるか」を思い浮かべて実行に移しやすくなるからだ。
反対に、「能力にフタをするノート」を取っていると、マイナスの影響は計り知れない。見返す気になれない「きたないノート」や、4色以上を使った「カラフルなノート」、あれもこれも書き込んだ「メタボなノート」。これらに当てはまる人は自身のノートを見直すべきだ。
頭がいい人は情報整理に長けているから「整理」されたノートを書く。マッキンゼーなどに勤める外資系コンサルタントや東大合格生が方眼ノートを使うのは、情報整理力を高めてくれるからだ。方眼ノートなら行頭、小見出しの頭など、内容の頭がそろいやすく、図やグラフが描きやすいため、すっきりとまとめることができる。
仕事でも勉強でも、大事なことは情報を整理し効果的に使いこなすことである。重要なポイントを見極めて整理するための「フレーム」が不可欠であり、この「フレーム」を提供してくれるツールこそが方眼ノートなのである。
東大合格生ノート、マッキンゼーの「マッキンノート」、全米の名門大学や研究機関で使われている「コーネルノート」などに共通するのは「黄金の3分割」というフレームである。世界のエリートたちは、ノートを「事実(板書)」「解釈(気づき)」「行動(要約)」の3つのパーツに分けて、思考を展開している。本書で紹介しているエリートたちの方眼ノートの使い方の奥義は次のようなものだ。
・方眼ノートは「ヨコ」向きで使うのが鉄則:眼の構造上、ヨコ向きだと視野を広く使え、ノートの全体像を瞬時にとらえることができる。
・A4ノートが基本:ノートのサイズは思考のサイズである。収集した情報を一覧して大事なポイントを見極め、整理することができる。
・使う色は3色以内:情報の優先順位づけは最速最短で結果を出すために不可欠。3色以内なら、色を見るだけで優先順位を再現できる。
3,400冊以上の要約が楽しめる