「古い就活」をやめて「新しい就活」を始めよう。その主張のもと、本書ではまず「古い就活」の末路を3つ示している。
1つ目は「リアリティ・ショック」といい、理想と現実の違いに衝撃を受けることだ。せっかく苦労して希望の企業に就職できたのに、業務内容が思っていたものと違う、企業風土が合わない、給与や昇格が思っていたように進まないということにショックを受ける。この事態は新入社員の約8割に起こっているという。
2つ目は「3年離職」だ。リアリティ・ショックの末に、入社3年も経たずして会社を辞めてしまう。
そして3つ目は、「はたらくを楽しめない」、つまり自分の就活を後悔するという末路だ。社会人10年目までの人の約4割が、自分の就活を後悔するという調査結果もあるという。その要因として多く挙がるのが、「10年後を見据えていなかった」「実際に働いている人の話をちゃんと聞かなかった」だ。
「古い就活」とは、企業と自分をしっかり見ず、誤った選び方で安易に就職先を決めてしまうことを指す。例えば、自分が勝手に作り上げた企業イメージで会社を選んでしまう。あるいは、人気就職先ランキングやブランド企業というだけで選んでしまう。これらは、「古い就活」にありがちなパターンだ。
「古い就活」では、大学1、2年生のほとんどが、先輩のアドバイスや経験談を鵜呑みにし、マニュアルに沿った就活を始める。みんなと足並みを揃えてインターンシップに行き、熱心に自己分析をする。
この行動の何が問題なのか。プロ野球でたとえるならば、体力づくりのためのキャンプも、ペナントレース開幕前の事前調整としてのオープン戦さえもせずに、いきなり本番で試合をするようなものだ。その結果、出たとこ勝負になってしまい、就活生と企業の間でミスマッチが起こりやすくなる。
本書では「新しい就活」として、「古い就活」からの4つのシフトチェンジを勧めている。
まず、「自己分析」のシフトチェンジだ。就活と言えば自己分析と言われるほど、自己分析は重要な作業だというイメージがある。だが、過去の経験からつくられたアイデンティティや性格、価値観を分析する自己分析は、「新しい就活」では役に立たない。
「新しい就活」において必要なのは、今の自分から過去を整理してストーリーをつくる自己分析だ。今の自分の性格や癖、価値観や行動原理などを箇条書きにする。そして
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