東京はものすごいポテンシャル(潜在能力)とアセット(資産)をもっている。それを活かすためのローリスク・ハイリターンな37の提言から、いくつか抜粋して紹介しよう。そこには「正論」だけでなく炎上必至の「極論」「暴論」も含まれることを先に述べておく。
まず、経営者視点で東京の経済を考えてみよう。
都民一人ひとりにとって時間こそ価値になる。渋滞による時間のロスは、無駄な損失だ。では、どうすれば首都高の渋滞を解消できるだろうか。答えは超簡単だ。ダイナミック・プライシング(価格変動設定)を導入すればいい。これは混雑時に料金が自動的に高くなるようにする仕組みだ。具体的には、400~500円程度の金額を上乗せする。増額分を節約しようとする人が出てくるので、首都高の渋滞をコントロールできるのだ。そのために、まず首都高各所にETC車両検知器を大幅増設し、車へのETC設置を義務化する。ETCを搭載していない車はそもそも首都高に入らせない。
このダイナミック・プライシングは満員電車にも応用可能だ。通勤・通学ラッシュ時の1~2時間限定で構わない。大勢の人が殺到する朝と夕刻に限定して電車賃を高くする。これにより利用者が分散し、満員電車は容易に緩和されるだろう。
これだけライフスタイルが多様化し、テレワークなどが推進される世の中において、わざわざ同じ時間帯に同じように移動する必要など全くない。
意味のない習慣を脱し、時代に合った生き方をしよう。
ニューヨーク・マンハッタン島の南にはブルックリンと呼ばれる地域がある。マンハッタンの地代家賃は目玉が飛び出るほど高いわけだが、ブルックリンはそれと比較すると少しだけ安い。だからこの地域には、一攫千金を夢見たアーティストやクリエイターが世界中から集まってくる。そのような「イケてる人たち」が暮らす街はカッコ良い。
東京都には足立区のように貧困層の多い地域がある。この貧困問題の根本原因は、街づくりのあり方がまずいことにある。アートの力を使うことで足立区をブルックリンのような「イケてる街」にできる。具体的には、東京都が持っている土地や施設を民間に開放し、アーティストが格安で入居できるようにするモデルを作り出すのだ。
過去の好事例として代官山が挙げられる。もともと代官山は何の変哲もない住宅街であった。トップには程遠く、2・3番手でくすぶっていてお金がない若者に、「出資するから代官山でショップを開かないか」と長戸大幸さんがリクルートしたのだ。こうして路面の1階部分にセンスのいいショップが並ぶようになり、街のブランド価値が高まることで、代官山は生まれ変わった。
街のイメージはやり方次第で変えることができる。
新型コロナウイルスを契機に、東京都内の公立小中学校でオンライン授業を導入すべきだ。そもそも1カ所に子どもたちが集まる必要はない。
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