「チームの心理的安全性」という概念を提唱したのは、ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授だ。教授は論文の中で「チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」だと定義した。より現場に即した言い方をすれば、「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場」が心理的に安全なチームである。
そもそも「チーム」とはなにか。実は職場でチームという考えが導入されたのは、比較的最近のことだ。マサチューセッツ工科大学のオスターマン教授は、「職場における、チームという概念それ自体が、1980年代以降、最も広まったイノベーションのひとつだ」と評している。単なる人の集団、すなわちグループは、共通の目標に向かって互いにアイデアを生み出し、ともに問題に取り組むという活動や相互作用によってチームへと変わっていく。
「心理的安全性」の誤解の最たるものが「ヌルい職場」という認識だろう。この誤解を解き、心理的安全性を正しく機能させるためには、「仕事の基準」(スタンダード)という考え方を理解する必要がある。
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