News Diet

情報があふれる世界でよりよく生きる方法
未読
News Diet
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情報があふれる世界でよりよく生きる方法
未読
News Diet
出版社
サンマーク出版

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出版日
2021年02月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

インターネットが出現してから今まで、ずっと「情報の時代だ」と言われている。初期と比べ、現在氾濫している情報量はぐっと増えている。一方、人間が処理できる情報量は大きく変化していない。情報過多の現代を生き抜く上で非常に助けになるのが本書である。

著者は、もともと新聞や雑誌をオンラインで購読し、ニュース中毒とも言えるほどの生活を送っていた。あるとき、「ニュースのおかげで、私は世界をもっとよく理解できるようになっただろうか? 良い決断ができるようになっただろうか?」という質問を自分自身に投げかける。答えはNOであった。にもかかわらず、著者はニュースを読むことを止めることができない。この体験を通して、著者は「ニュースとは何か」ということを突き詰めて考え、ニュースを完全に断つ「ニュースダイエット」を推奨するようになった。

本書では、「ニュースダイエット」の実践の方法、なぜニュースに中毒性があるか、ニュースの弊害は何か、ニュースを読まないことによるデメリットはあるか、またどう対処するべきかなど、様々な視点からニュースについて書かれている。当たり前だと思い込んで盲点だった気づき、発見が多い本である。

私自身も、著者が推奨する「ニュースダイエット」を実践するようになった。特に新型コロナウイルスの情報が溢れ返る中、自分にとって真に必要なニュースは何かを見極めるヒントが詰まった良書である。ニュースに対する食傷気味のムードが漂う現代にあって、ぜひ一度手にとっていただきたい。

ライター画像
河合美緒

著者

ロルフ・ドベリ
作家、実業家。1966年、スイス生まれ。ザンクトガレン大学卒業。スイス航空の子会社数社で最高財務責任者、最高経営責任者を歴任した後、ビジネス書籍の要約提供するオンライン・ライブラリー「get Abstract」を設立。香港、オーストラリア、イギリスおよび、長期にわたりアメリカに滞在。科学、芸術、経済における指導的立場にある人々のためのコミュニティー「WORLD.MINDS」を創設、理事を務める。35歳から執筆活動を始め、ドイツやスイスの主要紙にコラムを寄稿。その他、世界の有力新聞、雑誌に寄稿。著書は40以上の言語に翻訳出版され、累計発行部数は300万部を超える。著書に『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』(すべてサンマーク出版)がある。スイス、ベルン在住。https://www.dobelli.com

本書の要点

  • 要点
    1
    ニュースは事実を切り取りはするが、それらの因果関係を説明はしない。ニュースにより得た情報量が多ければ多いほど、その情報は理解や集中力の妨げになる。
  • 要点
    2
    ニュースの多くが自分でコントロールできない事象である。こういった情報に対し、脳は「受け身」となり、行動を起こそうとする意欲が失われる。自分が影響を与えることができる範囲にのみ注目すべきだ。
  • 要点
    3
    「関心を持つ」ことは「行動を起こす」ことである。世界の惨事に関心を持つふりをして何も行動せず、いたずらにメディアを利するよりも、被災者などへの寄付を検討する方がよほど賢明である。

要約

【必読ポイント!】 ニュースダイエットに挑戦しよう

ニュースで得られる虚妄の満足感
rclassenlayouts/gettyimages

著者はニュースをよく読む人物で、ニュース中毒といってもいいような生活を送っていた。元々は、新聞や雑誌だったが、1990年代に入り、インターネットが普及すると、さらにニュースを読み漁るようになった。

インターネットの台頭に伴い、新聞社や雑誌社は独自のサイトやメールマガジン、ポッドキャストの配信を始め、著者はそれらを入手することで常に最新の情報を得ているという満足感に浸っていた。

こうしておよそ1万時間、ニュースを読むのに費やしたあとに、著者にある疑問が浮かんだ。「ニュースのおかげで、私は世界をもっとよく理解できるようになっただろうか? 良い決断ができるようになっただろうか?」というものだ。答えは両方ともノーであった。

そのことに気がついてからも、著者はニュースを読むのを止めることができなかった。初めはニュースと距離を取るために、1日にニュースサイトへアクセスする回数を制限したり、読む新聞の数を減らしたりしようとした。しかし、関連するリンクをクリックするのを我慢できずに、うまく距離を取ることができなかった。

そこで一念発起し、ニュースを完全に断つことを決心した。それはとても困難な試みであった。その間、著者は「ニュースとは何か」「ニュースの魅力」「ニュースを消費している時の脳の働き」などを考え抜いたという。

ダイエットは徹底的に
RichLegg/gettyimages

ニュースを断つにはどのようにしたらよいだろうか。ニュースダイエットを決断し、一番辛いのは最初の1週間である。初めのうちは、ニュースが読みたくてソワソワすることだろう。しかし徹底的にニュースを断つのが重要である。

ニュースを読みたくなった際には、「30日過ぎたら、ニュースを読んでもいい」と自分に言い聞かせながら、断つとよい。30日という期間は、ニュースを読まなくても自分の生活に影響がないことを実感するには十分な時間である。

全てのニュースを断つ方法が極端だと感じる場合には、

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要約公開日 2021.05.07
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