著者はニュースをよく読む人物で、ニュース中毒といってもいいような生活を送っていた。元々は、新聞や雑誌だったが、1990年代に入り、インターネットが普及すると、さらにニュースを読み漁るようになった。
インターネットの台頭に伴い、新聞社や雑誌社は独自のサイトやメールマガジン、ポッドキャストの配信を始め、著者はそれらを入手することで常に最新の情報を得ているという満足感に浸っていた。
こうしておよそ1万時間、ニュースを読むのに費やしたあとに、著者にある疑問が浮かんだ。「ニュースのおかげで、私は世界をもっとよく理解できるようになっただろうか? 良い決断ができるようになっただろうか?」というものだ。答えは両方ともノーであった。
そのことに気がついてからも、著者はニュースを読むのを止めることができなかった。初めはニュースと距離を取るために、1日にニュースサイトへアクセスする回数を制限したり、読む新聞の数を減らしたりしようとした。しかし、関連するリンクをクリックするのを我慢できずに、うまく距離を取ることができなかった。
そこで一念発起し、ニュースを完全に断つことを決心した。それはとても困難な試みであった。その間、著者は「ニュースとは何か」「ニュースの魅力」「ニュースを消費している時の脳の働き」などを考え抜いたという。
ニュースを断つにはどのようにしたらよいだろうか。ニュースダイエットを決断し、一番辛いのは最初の1週間である。初めのうちは、ニュースが読みたくてソワソワすることだろう。しかし徹底的にニュースを断つのが重要である。
ニュースを読みたくなった際には、「30日過ぎたら、ニュースを読んでもいい」と自分に言い聞かせながら、断つとよい。30日という期間は、ニュースを読まなくても自分の生活に影響がないことを実感するには十分な時間である。
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