管理職を打診されたら、男性は素直に喜ぶ人が多い。一方女性は「私で大丈夫?」「私にはムリ」と、不安や自信のなさから尻込みする人が多いようだ。
「管理職に打診される」ということは、会社や上司から「管理職に育つ可能性がある」と考えられている証である。そして、成果のみならず、成果に至るプロセスが評価されている。目標に対してどう行動したか、どのように周りに働きかけたか、問題が生じたときにどう対処したか……。管理職の素養があるからこそ、会社側はあなたに声をかけたのである。
また、昇進したらすぐに「管理職として活躍する」のではなく、「管理職として育つ」ことを期待されているという点を覚えておきたい。管理職という職務に対して努力していくことこそが、打診された時点で求められている。
まずはここまでやってきた自分を認めよう。それが自分らしく、管理職という役割を楽しむための第一歩である。
リーダーには「こうあるべき」という、唯一無二のスタイルがあるわけではない。著者が初めて管理職になったとき、「あるべきマネージャーの姿」を体現するべく、リーダーシップの本を読み、リーダー研修を受講した。しかし逆に、「私にはそんな風にできない」「人を引っ張っていくタイプではないのに」と、落ち込む日々が続いたという。
人の性格や強みはそれぞれで、その人に合ったリーダーシップのスタイルがある。40年にわたりリーダーシップ研究をしている心理学者のドナルド・O・クリフトンによると、すぐれたリーダーの共通項は、自分の強みを正確に把握していることであり、リーダーを定義する決定的な特質はないという。
著者はどちらかというと、「部下に助けてもらう」タイプのリーダーである。誰もがカリスマリーダーになる必要はない。自分なりのリーダーシップを見つけることが大切である。
ある程度キャリアを重ね、管理職への声がかかりやすくなる年齢は、結婚・出産・子育てというライフイベントを考える時期である。なかでも妊娠・出産には適齢期(出産可能年齢)があるため、管理職のオファーを断ろうという気持ちも理解できる。子育ての大変さがわからないために、不安に拍車がかかってしまう。
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