勝間式生き方の知見

お金と幸せを同時に手に入れる55の方法
未読
勝間式生き方の知見
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お金と幸せを同時に手に入れる55の方法
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勝間式生き方の知見
出版社
出版日
2021年09月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

新型コロナウイルスの感染拡大によって、「リスクを取らないリスク」をあらためて実感した人もいるだろう。通勤や外出の予定などが減ったことで生まれた時間を使い、変化するリスクを取ってでも新しい何かに挑戦した人と、ただ足踏みしていた人では、今見えている景色が違うはずだ。

リスクをあえて取らずとも、変化は勝手に向こうからやってくるものでもある。今回のようなパンデミックは今後も起こる可能性があるし、テロや政情不安など、リスクの種はあちこちに落ちている。私たちの生活は、今後も否応なく変わっていくだろう。

そんな中、人間の寿命は伸び続け、今や人生100年時代に突入している。人生の後半戦をどう生きればいいのか、変化に順応できるのか、幸せに生きていけるのか――うまくイメージできず、漠然とした不安を抱えている人が大半ではないだろうか。

著者・勝間和代氏は、「年を取れば取るほど幸せになれる」と実感している。これまでの人生では、リスクを取ってトライアンドエラーを繰り返し、失敗も多く経験したそうだ。それでも自分を信じてアタックし続け、不幸な出来事も「チャレンジの機会」と捉えて幸福への原動力に変えてきている。こうしたリスクテイクを重ねて見つけたのが、本書で紹介される「知見」だ。

本書は著者のこれまでの人生の知見を詰め込んだ、濃縮果汁のような一冊である。どこを読んでも濃く、栄養たっぷりだ。本書から、多くの知見を受け取ってもらえればと思う。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

勝間和代(かつま かずよ)
経済評論家。株式会社監査と分析取締役。中央大学ビジネススクール客員教授。
1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。最近では、経済と効率化の知見と実体験、研究をもとにした家電、家事のアドバイスが人気。
『勝間式超ロジカル家事』『勝間式超コントロール思考』『ラクしておいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』(以上、アチーブメント出版)、『勝間式食事ハック』『健康もマネーも100年シフト! 勝間式ロジカル不老長寿』(以上、宝島社)、『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る! 勝間式ネオ・ライフハック100』『自由もお金も手に入る! 勝間式超スローライフ』(以上、KADOKAWA刊)など、著書多数。
公式YouTubeチャンネル「勝間和代が徹底的にマニアックな話をするYouTube」を配信中。

本書の要点

  • 要点
    1
    リスクとは「不確実な可能性への投資」である。リスクを取って時間やお金に投資していかなければ、大きなリターンは得られない。
  • 要点
    2
    「時間割引率をコントロールする」という思考は、幸せな人生を送るうえで欠かせないものだ。時間割引率とは、「将来のよりよいことのために今の欲望をいかに我慢するか」という指標である。
  • 要点
    3
    小さな労力で成果を上げるコツは、自分の強みを生かしたキャリア形成だ。複数の強みを組み合わせてそれを生かせる市場を探し、チャレンジし続ければ、やがて大きな成果につながるだろう。

要約

自己革新の知見

正しくリスクテイクする
HAKINMHAN/gettyimages

リスクというと、就職や転職、独立などといった「仕事」や、資産運用などといった「お金」について回るイメージが強いかもしれない。しかし実際は、何かを買うときにそのメーカーを信用する・しない、知り合った相手を信用する・しない、結婚する・離婚するなど、あらゆるシーンにおいてリスクを考慮する必要がある。

リスクの本質は「不確実な可能性への投資」だ。リスクが高いとは「変動幅が大きい」という意味であり、上方(最高の結果が出る可能性)と下方(最悪の結果が出る可能性)が含まれているということだ。上方にも目を向け、リスクを取って時間やお金や未来に投資していかなければ、時間リッチ&キャッシュリッチな生活は手に入らない。

もっともシンプルなリスクの取り方は、「そのリスクを取ったら最悪何が起きるか」を考え、それが自分の許容範囲であれば実行に移す、という方法だ。リスクテイク行動に対して自分のボーダーラインを設定し、失敗がそのラインを割らなければOKと考える、という流れである。

こうしてリスクテイクを重ねていくと、初めて遭遇することに対しても動揺しにくくなる。たとえ大きな金融危機や政治混乱があっても、現在の状況や今後の方向性、それに合わせて自分はどうすべきかを、想定の範囲内のこととして考えられるようになるだろう。

リスクリテラシーが身につけば、人生はもっと楽しくなる。人生の充実度はリスク管理によって決まるといっても過言ではない。

【必読ポイント!】コントロール思考の知見

「時間割引率」をコントロールする

著者は、時間割引率の考え方をマスターすれば幸せな人生が送れると考えている。時間割引率とは経済学や行動経済学で用いられる概念で、「将来のよりよいことのために今の欲望をいかに我慢するか」という指標だ。

たとえば、今10万円もらうのと、1年後に10万1000円もらうのはどちらがいいか。1年後に1%上乗せされているのに、多くの人は「今の10万円」を選ぶ。この選択を「時間割引率が高い」という。お金は時間割引率が低いほど貯まる。

健康面では、時間割引率の低い選択をすることで、健康寿命の延長につながる。時間割引率の低い選択とは、「喫煙や飲酒はしない」や「足腰や心肺機能を鍛えるためによく歩く」といったものだ。時間割引率が高くなると、長い目で見た健康よりも目先の快楽を優先して喫煙や飲酒をしたり、車やエスカレーターを使ったりする。目の前の選択を将来への投資と考え、その投資が将来大きなリターンになることを期待して行動しよう。

時間割引率を下げるためには目の前の誘惑から逃れる必要があるが、意志の力に頼るのではなく、環境を整えることがポイントである。特に効果的なのは、やめたいものは身近に置かないようにすることだ。著者はスマホを家でも外でも手の届きにくい場所において、隙間時間を読書や考え事にあてるようにしている。意志の力を使わずに時間割引率を下げられるよう、うまく設計してみよう。

問題解決は「ジタバタ」が正解

問題解決をめざすときは、(1)こうすると解決できるだろうという「定義」をし、(2)それに必要な情報を収集して、もっとも確からしい仮の解決法=「仮説」を手に入れ、(3)ひとつずつ実践して「検証」していくという、定義→仮説→検証の3つを繰り返せばよい。この繰り返しによって問題解決に必要不可欠な思考力を養える。この3ステップはビジネスだけでなく、ダイエットや資格試験、転職、離婚や子どもの問題など、あらゆる問題の解決に有効だ。

問題解決に何よりも必要なのは、定義に対する仮説をたくさん立てることである。

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要約公開日 2021.11.09
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