アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書

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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2019年11月25日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

もし要約者が企業の人事担当者であれば、研修時に全員に配布するだろう。そう思わせるほど、お金に対する真っ当な知識と考えを持つのにちょうどよい良書であると感じた。

本書の基本的なメッセージは極めてシンプルだ。できるだけ早い時期に貯金を始めること、そしてある程度貯まったらリスクが低めの金融商品で複利によってお金を増やすこと、以上である。

若いうちは貯金よりも、旅行や資格の取得など自分に投資するのが正しい、と考える人もいるだろう。それはそれでひとつの考え方だ。しかし、本書のような基本的なお金の話を知ったうえで、そうした選択をするのか、それともお金の知識が乏しいまま漠然とそう考えるのかでは、雲泥の差がある。

要約者自身は、お金に関しては「どうにかなるだろう」という中途半端な態度で接してきた。もし若い時に本書に出会い、お金ときちんと向き合う機会があったら、違う人生を送っていたかもしれないと、少し悔やむ気持ちにさえなった。ただ、今読んでみても得るところは大きい。

巻末には、気になるお金の情報にすぐたどり着けるよう詳細な索引が用意されている。本棚に置いておいて、転職や起業、結婚、マイホーム、子育て、そして事故や病気といった人生の節目に、折々読み返してみるのがいいだろう。

ライター画像
しいたに

著者

アンドリュー・O・スミス(Andrew O. Smith)
MBA・法務博士
学生時代からお金、投資、資金計画に関するアドバイスを行い、ペンシルベニア投資同盟(アメリカでもっとも早い時期に設立された大学投資クラブのひとつ)の設立に関わる。受託者、ファイナンシャルアドバイザー、弁護士として、信託基金、遺産、投資パートナーシップ、有限会社、保険信託、不動産パートナーシップ、個人資産の管理の相談に乗る。キャリアの初期は有資格の商品取引アドバイザーとして活躍し、投資ファンドの最高財務責任者を務めた。コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトンの経営コンサルタントとしてキャリアをスタート。現在は特殊化学品メーカーのイェルキン・マジェスティック・ペイントで最高執行責任者を務める。著書に『Sand in the Gears: How Public Policy Has Crippled American Manufacturing』がある。ペンシルベニア大学ウォートン校で金融の学位、同じくペンシルベニア大学工学・応用科学校で工学の学位をそれぞれ取得。シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスでMBA、同じくシカゴ大学ロースクールで法務博士号をそれぞれ取得。1988年、法学と経済学の卓越した功績を認められオリン賞を授与された。メイン州バス出身。

本書の要点

  • 要点
    1
    貯金のコツは、お金が入ったら、貯金する分だけすぐにどこか別の場所に置き、当分使えないようにすることだ。
  • 要点
    2
    貯金がある程度の額になったら、今度はお金を育てる投資を考えよう。
  • 要点
    3
    生命保険は若いうちは必要ない。家族ができたら加入すると考えておけばよい。
  • 要点
    4
    老後に備えるには、とにかく早い時期から貯金を始めることだ。

要約

貯める

お金の計画を立てる

お金は大切だ。お金は人生のすべてではないが、自分のお金を自分でコントロールすることは、よい人生を送るうえで欠かせない。そのためには早い時期に、生涯にわたってのお金の計画を考えるのが役に立つ。

お金の計画とは、人生の中でお金に関する要素をピックアップし、具体的な戦略を立てていくことだ。その要素には次のようなものがある。

『支出』今のライフスタイルを維持するのに、どれくらいお金がかかるのか。この先、必要なお金は増えるだろうか、それとも減るだろうか。まず、毎月自分が何にいくら使ったかをきちんと把握しよう。

『収入』仕事をするのも、キャリアを築くのも、その主な目的は収入を得ることだ。収入は、支出に見合ったものでなくてはならない。

『貯金』どれくらい貯金があるか、貯金の習慣ができているかどうかということは、お金と付き合ううえでの基盤となる。

『借金』クレジットカード、住宅ローン、奨学金……。何のために借金をするのか、いくら借りるのか、どんな条件で借りるのかといったことも、すべてお金の計画の要素になる。

『安心』医療保険、火災保険、生命保険など、万が一に備えて保険に入っておけば、もしものときも安心だ。

貯金の基本に忠実に
takasuu/gettyimages

貯金とは、「お金を使わないこと」だ。それは「明日のお金」を使う能力が手に入ることでもある。

貯金の目的は将来の支出に備えるとともに、人生の大きな目標を達成することだ。社会人になりたての若い人であれば、車、家、結婚と子育て、起業といったあたりが目標になるだろう。

また、まさかのときに備えるというのも目的の1つとなる。事故や病気、盗難など、いつ不運に見舞われるかわからない。そんなとき手元にまとまったお金があれば、ダメージを最小化できる。

さらに、人生における自立を果たすという目的もある。貯金は一種の習慣であり、人生をきちんと考え、計画を実行する粘り強さと自制心を培う。

貯金のコツは、お金が入ったら、貯金する分だけすぐに切り離し、どこか別の場所に置いて使えないようにすることだ。天引きや自動積立といったシステムを活用し、財布に入ってこないようにするのが望ましい。

借りる

支出のルールを決める

月々のお金の使い方、つまり支出には大まかなルールがある。例えば、家賃は月収の3割まで、あるいは毎月出ていくお金(家賃+ローン返済)は月収の半分までだ。以下にいくつかのコツを紹介する。

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要約公開日 2021.11.15
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