この本は、成功法則が嫌いな人が成功するための本だ。成功のために、成功法則を勉強する必要はない。凡人でも、「自動的に成功する方法」がある。
最初に理解しなければならないのは、常識的な成功法則は役に立たないということだ。多くの成功法則は、成功者が自分に言い聞かせるものであって、成功するための法則ではない。例えば、「謙虚でなければならない」と言う成功者は多い。傲慢になり、天狗になることを恐れるからだ。しかし、凡人から小金を持つようになるまで、謙虚さは不要だ。傲慢でいなければ、自分の商品を高値で売ることはできないのだから。
また、病気になったときの家族の生活費はどうするか、そんな切実な悩みを抱えているときに「お金がすべてではない」と言われても役に立たない。しっかり稼がなければいけない時期の人にとって、この原則はむしろマイナスだ。お金を稼ぐことに懐疑心を持つと、儲かり始めたとたんに自分でストップをかけてしまう。
すでに成功している人と、これから成功しようとする人では、優先順位が異なる。だから、成功者の成功法則のなかには、凡人が真に受けてはならないものも多い。それが理解できなければ、どちらに進めばいいかわからないまま、いつまでたっても裕福になることはできない。
本書の成功は、お金の軸と心の軸の2つから考える。凡人とは、金も貧しく、心も貧しい人だ。成功者とは、お金が得られ、心も豊かになった状態だ。
しかし、一挙に「お金」と「心」の両方を得ることはできない。「お金が欲しい」と「お金は重要ではない」といったジレンマが生まれるからだ。まずは「お金」と「心」を切り離し、金銭的に裕福になることに集中したほうがいい。この段階では、嫉妬、敵対心、ミエ、といった「悪」の感情を存分に利用しよう。成功には巨大なエネルギーが必要だ。それを進める上では、人間の悪といわれる部分は、大きな力になる。
ただし、これは短期決戦だ。マイナスの感情をずっと持ちつづけることはお勧めできない。「悪」の感情は成功に向かって離陸するまでのエネルギーとしてわりきって利用し、安定軌道に乗ったら、今度は必死になって心の豊かさを学ぼう。
「悪の部分をエネルギーに成功する」という法則は、非道徳的に感じられるかもしれない。倫理や正義を重んじる著者は、非道徳的であること自体は本意ではない。しかし、当たり障りのない成功法則では、人を短期間で成功に導くことはできない。だからこそ、完成された成功者には口にできない、「悪」の部分をあえて書いた。本書では、あなたを成功に導くための8つの習慣を紹介する。
目的はズバリ、あなたの年収を10倍にすることである。自分を大きく飛躍させ、非常識に自由に、豊かになろう。
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