最初のクイズは、イチローがインタビューで語った「嫌いな言葉」だ。野球選手として華々しい活躍をしてきたイチローだが、野球に対するストイックな姿勢がビジネス書で取り上げられることも多々あった。そんな彼の「嫌いな言葉」とはいったい何なのか。
その答えは、「成功」である。成功といっても、自分が立てた目標を成し遂げたことを指して成功と呼ぶのはいい。しかしそうではなく、もし他人が言う成功を追いかけているなら、何が成功かわからなくなる、とイチローは言う。
他人の評価に惑わされず、自分の基準で成功を定義することが大切だ。それを達成してこそ「成功」という言葉は意味を持つ。
日本映画界の巨匠であり、完璧主義としても知られる監督・黒澤明は、撮影時間はかならず朝9時から夕方5時までと決めていたという。その理由は何か、おわかりだろうか。
答えは「下っ端のスタッフに、撮影の準備と後片付けの時間を十分に与えるため」である。朝9時から撮影をスタートするには早朝5時から準備する必要がある。そして後片付けは、夕方5時に撮影が終わったとしても夜11時までかかる。もし撮影時間が延びてしまったら、そのしわ寄せが来るのは下っ端のスタッフであり、彼らの寝る時間がなくなってしまう。
黒澤明の完璧主義は、映画そのものだけでなく、大物役者や下っ端スタッフへの分け隔てない心配りにも発揮されていた。部下が休む時間も含めて、十分な仕事の時間が確保できるように配慮する。そうして最高のパフォーマンスをチームにもたらすことこそが真のマネジメントではないだろうか。
芝居の舞台や歌舞伎の公演では、主役が倒れると代役を立てる。そんなとき、無名の新人が代役として大抜擢されることがあるのだが、新人で代役に抜擢される理由をお分かりだろうか。
3,400冊以上の要約が楽しめる