世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書50冊を1冊にまとめてみた

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ジャンル
出版社
出版日
2021年11月19日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「ビジネスで出会う悩みの多くは、世の本にすでに解決策が書いてある。それらの本が、どう役に立つのか端的に知りたい」

そんな多忙なビジネスパーソンの期待に応えるため、目利きの著者がビジネスで使える50冊を厳選したのが本書だ。「仕事でどう生かせるか」「わかりやすさ」「おもしろさ」の3点を踏まえ、1冊を6~10ページにまとめて5分ほどで読め、エッセンスを掴めるように工夫したという。50冊をテーマごとに「経営と組織」、「仕組み」、「人材」、「お金」、「リーダーシップ」、「社会と未来」の全6章に分類した。

筆頭には「経営の神様」による『現代の経営<上・下>』(ピーター・F・ドラッカー著、ダイヤモンド社)が紹介されているほか、『君主論』(マキアヴェッリ著、岩波書店)といった古典から最近の話題作まで、幅広く取り揃えている。

また、単なる要約ではなく、「現在のビジネス環境でも通用するか」の視点を重視し、実際の国内企業や商品のケーススタディを交え、応用性を高めている。例えば、『仮説思考』(内田和成著、東洋経済新報社)の紹介では複数の「仮説」が用意され、それを検証しながら読み進めることにより「仮説思考」を体験でき、その有用性を実感できる構成だ。

本書は、10万部超のヒットとなった『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』のシリーズ第3弾。過去のシリーズ作同様、申し分ない読み応えだ。

なお、以下の本文中で登場する「本書」は、紹介されている各書のことを指す。

著者

永井孝尚(ながい たかひさ)
マーケティング戦略コンサルタント。慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネージャーとして事業戦略策定と実施を担当、さらに人材育成責任者を担当し、同社ソフトウェア事業の成長を支える。
2013年に日本IBMを退社し、ウォンツアンドバリュー株式会社を設立。同年多摩大学大学院客員教授を担当。幅広い企業・団体へ戦略策定支援を行う一方、毎年2000人以上に講演や研修を提供し、マーケティングや経営戦略の面白さを伝え続けている。さらに「永井経営塾」も主宰。
主な著書に『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズほか、『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』『世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた』(以上、KADOKAWA)などがあり、累計100万部を超える。
オフィシャルサイト takahisanagai.com
Twitter @takahisanagai

本書の要点

  • 要点
    1
    経営理論に関する名著のうち、実践的で有益な50冊を厳選。「仕事でどう生かせるか」「わかりやすさ」「おもしろさ」の3点を重視した。
  • 要点
    2
    1冊を5分ほどで読めるようにまとめ、「経営と組織」、「人材」、「リーダーシップ」といったテーマごとに6章に分けた。マズローの「欲求段階説」やポーターの「競争優位の戦略」といった定番から、最新のトレンドまで幅広く選書した。

要約

【必読ポイント!】 経営と組織

『完全なる経営』(日本経済新聞出版社)アブラハム・H・マズロー

本書で「欲求段階説」を提唱したマズローは、「よい企業とは、どうあるべきか」を説いた。「自己実現を目指す人たち」が「よい企業」をつくり、「よい企業」が「自己実現を目指す人たち」を生むという好循環を、いかにつくるかがテーマだった。

マズローは欲求を大きく2つに分けている。すなわち、欠乏(Deficiency)を満たす「欠乏欲求」(D欲求)と、個々人の人間の存在(Being)そのものに関する「存在欲求」(B欲求)だ。欠乏欲求は、空腹などの「生理欲求」や危険を避ける「安全欲求」といった欠乏への不満足から起こる。

マズローは、存在欲求である自己実現を、「自分ができる最大限をすることで、自分自身らしくなっている状態」と表現した。人は誰しも「より高い価値を発揮したい」という潜在的な欲求をもち、そうした「自己実現を目指す人」を「よい人」と呼んだ。

「よい人」は「よい企業」をつくり、「よい企業」は「よい人」を生む。鶏と卵の関係にある。自己実現する人は、他人の喜びが自分の喜びとなる。組織も、「対立する考え方」から「シナジーを生む考え方」に進化することにより、個人と組織の対立は消え、チームの利益が自分の利益となる。

『新版 組織行動のマネジメント』(ダイヤモンド社)スティーブン・P・ロビンス
dem10/gettyimages

ほとんどのマネジメントの問題は、人の問題に行き着く。

本書は世界中のビジネススクールで参照されている組織行動学の定番の書であり、200万部超のベストセラーだ。組織にまつわる問題を網羅的かつ簡潔にまとめ上げている。

組織行動学は、個人・グループ・組織の3つのレベルにおいて、人の行動を解き明かす。組織は同じ目的を共有する集団だ。集団とは、「特定の目的を達成するために集まり、互いに影響を与え合う複数の人たちの集まり」である。

集団には、同調を強要する規範がある。集団の中で周囲と異なる意見を述べることに、人は強いプレッシャーを感じ、ためらう。そのほかにも、行動に影響を及ぼす集団の特徴として、凝集性の高さや規模による生産性の違いが挙げられている。

一方、組織文化は、メンバーが共通してもつモノの見方であり、社員の行動を決める台本だ。東日本大震災の発生時に帰宅困難者を受け入れた帝国ホテル、コスト節約を旨とするアマゾン――。こうした考え方の原型がつくられる創業時、起業のタイミングこそ、強い組織文化を築くチャンスだ。

現代は常に、継続的にダイナミックな変化が起こる。組織変革が日常的になると、「学習する組織」への進化が求められる。

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要約公開日 2022.02.17
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